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大切な人との別れを表している?ヨルシカ「夜行」を徹底考察!

ボーカロイドのプロデューサー・n-bunaが2017年に結成したバンド『ヨルシカ』。ボーカル・suisの透き通るような歌声とn-bunaの独特な世界観の楽曲が幅広い世代に人気を集めています。そんな2人のニューリリース『夜行』の歌詞に迫ります。

半年ぶりのニューリリース!


独特な世界観で人気を集めているバンド『ヨルシカ』が、2020年3月4日に約半年ぶりとなる楽曲を配信リリースしました。

その名も『夜行』。

2019年8月にリリースしたアルバム『エルマ』では、エルマとエイミーというキャラクターの物語が描かれていましたが、この楽曲はそこで完結した物語に続く、新たなストーリーの幕開けなんだそう。

ちなみに、ヨルシカは公式twitterで以下のようなメッセージを残しています。

「夜行は大人になること、忘れてしまうこと、死へ向かうことを夜に例えて書いた詩です。」

とても意味深な発言ですよね。

そんな『夜行』は次のような歌い出しから始まります。


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ねぇ、このまま夜が来たら、僕らどうなるんだろうね
列車にでも乗って行くかい。僕は何処でもいいかな
君はまだわからないだろうけど、空も言葉で出来てるんだ
そっか、隣町なら着いて行くよ
≪夜行 歌詞より抜粋≫
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誰か近くにいる人に話しかけるような、とても自然体な口調の歌詞ですね。

会話の内容から「僕」と一緒にいる人がどこかへ行こうとしていることがわかります。

一体どうなっていくのでしょうか。

続くサビは以下の通りです。

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はらはら、はらはら、はらり
晴るる原 君が詠む歌や 一輪草
他には何にもいらないから
≪夜行 歌詞より抜粋≫
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一輪草は4〜5月ごろに咲く花で、花言葉は「追憶」。

これを元に考えると、ここは過去の思い出について歌っているように思えます。

それを裏付けるように、次の歌詞は夏の様子が表現されているのです。


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波立つ夏原、涙尽きぬまま泣くや日暮は夕、夕、夕
夏が終わって往くんだね
そうなんだね
≪夜行 歌詞より抜粋≫
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「夏が終わっていく」とはっきり歌われていますよね。

サビ前半部分は回想、そして後半部分が現実。

3行目からはなんだか物悲しさを感じます。



いつの話なの?2人は一緒にいるの?

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ねぇ、いつか大人になったら、僕らどう成るんだろうね
何かしたいことはあるのかい。僕はそれが見たいかな
君は忘れてしまうだろうけど思い出だけが本当なんだ
そっか、道の先なら着いて行くよ
≪夜行 歌詞より抜粋≫
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これは2番の冒頭部分。

1番では「夜になったら」と言っていたのが「大人になったら」に変わっていますね。

前半に比べ、もう少し規模の大きな話をしているようです。

そして注目していただきたいのが3行目。

思い出が色褪せないのは察しがつきますが「君」を忘れてしまうのは何故なんでしょう?

一緒にいるのならお互い忘れずに何度でも思い出すことができるはずですよね。

「ってことは一緒にいないの?」と思った方もいるかもしれませんが、続く歌詞では「道の先ならついていく」と言っています。

一体どういうことなんでしょう。

ちなみに、続くサビは以下のような歌詞です。


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さらさら、さらさら
さらさら、さらさら
花風、揺られや一輪草
言葉は何にもいらないから

君立つ夏原、髪は靡くまま、泣くや雨催い夕、夕、夕
夏が終わって往くんだね
そうなんだね
≪夜行 歌詞より抜粋≫
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また前半では回想ともとれる春の様子、そして後半では現在の様子と思われる夏の終わりが歌われています。

しかし、1番と少しだけ違うのは、この後に以下のような続きが歌われていること。

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そっか、大人になったんだね
≪夜行 歌詞より抜粋≫
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2番の最初では「大人になったら〜」と言っていたのに、実はもう大人だったんです。

ますます謎は深まるばかり・・・。

ストーリーのヒントはラストに

最後のサビは前半は1番と同じ内容が歌われています。

注目すべきなのは後半。

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波立つ夏原、涙尽きぬまま泣くや日暮は夕、夕、夕
夏が終わって往くんだね
僕はここに残るんだね
≪夜行 歌詞より抜粋≫
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「僕は」ということは「君」はどこかへ行ってしまったということがわかりますね。

一体どこへ行ってしまったのでしょうか。

答えが最後の最後に出てきます。


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ずっと向こうへ往くんだね
そうなんだね
≪夜行 歌詞より抜粋≫
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今までの流れや楽曲の雰囲気から察するに「ずっと向こう」とは恐らくもう会えない距離なのではないでしょうか?

つまりは、天国かもしれません。

それを踏まえてもう一度歌詞をみてみると、謎が紐解けてきます。

まず、これは幼い頃から一緒にいた2人の物語。

恐らくその幼い頃に「君」はずっと向こうに行ってしまったのでしょう。

しかし、状況がよくわからない「僕」は心の中の「君」に呟きます。

「隣町ならついていくよ」と。

そしてサビの部分は大人になった「僕」の回想ではないでしょうか?

「夏の終わり」が象徴的に歌われていることから「君」は夏に亡くなったのでしょう。

夏が来るたびに「君」のことを思い出しているんだと推測されます。

そして、思い出に浸った後で気づくのです。
「そっか、僕は大人になったんだ」と。

そう思うと非常に悲しいストーリーですよね。

でも、suisさんの優しい声がそう感じさせないのが素晴らしいところ。

この楽曲にはストーリー仕立てのMVもありますので、ぜひチェックしてみてください!

ご自身で色々な考察をしながら聴きくと、より楽曲の魅力に浸れるかもしれませんよ。


TEXT ゆとりーな

▲ヨルシカ - 夜行 (OFFICIAL VIDEO)

<n-buna(ヨルシカ) profile> 2012年から活動を開始したサウンドクリエイター。 「透明エレジー」「ウミユリ海底譚」「夜明けと蛍」「メリュー」「アイラ」「白ゆき」と多数のミリオンヒット曲を投稿し、2015年「花と水飴、最終電車」、2016年「月を歩いてる」の2枚のボーカロイドオリジ···

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