10代から20代の若い層に大人気の4人組バンド「グッドモーニングアメリカ」
「グッドモーニングアメリカ」は、レコード会社「日本コロムビア」所属の4人組ロックバンドです。
高校時代、前身にあたるバンド「for better,for worse」を結成し、2001年に活動を開始、その後一度の活動休止を経て、2007年7月に「グッドモーニングアメリカ」に名を改め、本格的な活動を開始しました。
結成当初から、メンバーの脱退や新メンバーの加入を経て、2008年に現在の4人のメンバーに落ち着きます。
5年後の2013年には、初のフルアルバム『未来へのスパイラル』のリリースと共にメジャーデビューもはたし、邦楽ロック界の前線へ躍り出る事となります。
ライブで盛り上がるノリの良い楽曲が多く、若い世代に届くメッセージ性の強い歌詞などから、ファンの大半は10代から20代が占めています。
ライブの主催や出演に加え、大人気国民的アニメ『ドラゴンボール』シリーズのEDを務めるなど、精力的な活動が行われてきました。
そんな彼らが突然、活動休止を発表しました。
この突然の出来事に多くのファンが驚きました。
なぜ、彼らは活動を休止をする事にしたのでしょうか?
そこには、彼らのバンドに対する深い思いがあったのです。
突然の活動休止!込められていたのは、熱いバンドへの思い
2019年10月15日、グッドモーニングアメリカの公式サイト『グッドモーニングアメリカ OFFICIAL WEBSITE』のブログ上で、活動休止が宣言されました。
ブログの綴り手であるギターの「渡邊幸一」によると、2019年4月の段階ですでに話があがっており、何度もメンバーで話し合った結果の活動休止との事でした。
ブログ内では「ここ数年、特に今年に入ってから、どうしてもポジティブになれなかった」「音楽に対してクリエイティブな気持ちになれない自分がいました」などと、今まで表では語られてこなかった、自身への活動に対する不安が綴られています。
「中途半端な気持ちで続けるのはもっと後悔すると思い、今回の活動休止という決断をさせて貰いました」とも書かれていました。
一見すると、今後の不安から決断された休止のようにも見えますが、しかし、そこにあるのはただの不安と後悔のみではありませんでした。
実は「for better,for worse」として活動をしていた頃にも、彼らは自身の音楽性を見つめ直す為に、一度活動を休止しています。
その後、新たな音楽を作り上げると同時に「グッドモーニングアメリカ」という新たな名前で再びその活動を再開させたのです。
今回の活動休止について、Vocal&Guitarの金廣真悟は「このメンバーでグドモを続ける為に活、動休止という選択をしました」とコメントしており、今回の活動休止が彼ら4人の歩みを止めるものではなく、歩みを続けるための選択である事が確かに語られています。
つまり、この活動休止は「グッドモーニングアメリカ」というバンド、音楽性をつきつめる事に余念のない彼らだからこその、強い覚悟を持った選択ともいえるでしょう。
今後、彼らの休止がいつまで続くかはわかりません。
しかし、グッドモーニングアメリカに対する熱い思いがある彼らならば、きっと再び4人でステージの上に戻ってくる筈です。
そしてまたいつか、彼らの熱いその思いをのせた音楽を奏でる日がくることでしょう。
グッドモーニングアメリカのオススメソングを紹介!
グッドモーニングアメリカの10年間の活動の中で生まれた楽曲達の中から、オススメの楽曲達を紹介します!
これを聴いて、グッドモーニングアメリカというバンドが生みだしてきた魅力に触れてみましょう。
拝啓、ツラツストラ
画像引用元 (Amazon)
漫画家「鳥山明」の漫画を原作に放送された、大人気国民的アニメ『ドラゴンボール』シリーズ。
その中のひとつである『ドラゴンボールZ』のデジタルリマスター版として、2014年に放送された『ドラゴンボール改』のEDを飾った曲が『拝啓、ツラツストラ』でした。
リリースされたシングルはオリコンランキング8位と、グッドモーニングアメリカ過去最高順位を獲得する結果となりました。
『拝啓、ツラツストラ』は、哲学者ニーチェの著作「ツァラトゥストラはこう語った」を題材に制作された楽曲です。
楽曲のタイトルにも「ツラツストラ」という、書物の主人公の名前がつけられています。
作詞作曲を担当した金廣真悟いわく「ドラゴンボール」に見合う楽曲のテーマを探していたところ「スーパーサイヤ人」という単語と「ツァラトゥストラはこう語った」内に出てくる「超人」というワードがリンクしたのだとか。
「スーパーサイヤ人みたいに強くなりたい」という憧れの気持ちをテーマに、この楽曲は作られたのです。
後のインタビューでは「ドラゴンボール」を観る人や音楽に興味がある人以外にも届くような、自分達の名刺代わりになる楽曲としても制作された事も語られています。
まさに「グッドモーニングアメリカ」を代表するにふわしい楽曲の1つです。
キャッチアンドリリース
歌詞のメッセージの深さに定評のあるグッドモーニングアメリカですが、その中には、社会風刺が含まれる楽曲も多くあります。
この「キャッチアンドリリース」は、彼らがインディーズ時代に発表した最後のシングル曲です。
思わず頭を振りたくなるようなノリのよいロックに、ネット社会の栄華に対する風刺を効かせた楽曲です。
その中身は、ネットがなくては生きられない現代人を毒吐くと同時に、そんな現代人の一人である自分自身を皮肉る内容になっています。
MVでは何本ものカラフルなリボンが張り巡らされており、踊っている人々や演奏をするメンバーに次々と絡み付いていくのです。
いつの間にか見えない電波に捕まり、人々がネット社会にがんじがらめになっていく様をシュールかつコミカルに表現しています。
言葉にならない
グッドモーニングアメリカのファンの中で、最も人気高い楽曲です。ファン投票でも1位を獲得しており、グッドモーニングアメリカを語る上で外せない楽曲となっています。
歌詞には、楽曲のタイトル通り「言葉にならない思い」が綴られており、言葉だけでは表現しきれない大きな想いと複雑な感情を歌いあげた明るいナンバーとなっています。
MVの撮影は、ファン100人と八王子Match Voxにて行われました。
その様子は最早ひとつのライブ状態といっても過言ではなく、非常に熱く盛り上がるMVとなっています。
さらには、歌詞をファンの手の平に次々と映していく描写など「言葉」を非常に重視した楽曲である事も感じさせられます。
グッドモーニングアメリカとファンが共に作りあげたMV、グッドモーニングアメリカファンイチオシの楽曲です。
ラストシングルから新MV公開!これからの「未来」に向けた一曲
2020年1月25日梅田CLUB QUATTROにて最終日を迎えた、活動休止前最後のワンマンツアー「また会えるよね」。
この日をもって、グッドモーニングアメリカは、その長いバンド活動に一度区切りをつけました。
現在YouTubeには、ツアー前に発売された最後のシングルCD『フルスロット』から、表題作『フルスロット』のMVが2019年10月から公開されています。
グッドモーニングアメリカがメインステージで初めてトリを務め、メンバーの思い入れも強い東海地区の夏フェス『TRESURE05X 2019』のライブ映像を中心に、このMVは制作されています。
3分30秒の短い時間の中に、これまでの長いバンド歴の中でグッドモーニングアメリカが培ってきた全てが詰め込まれており、グッと胸が熱くなります。
楽曲のテイストは非常に明るく、その歌詞も前向きです。
休止前の別れを惜しむ曲というより、休止の先に待つ「未来」に対して、前向きに挑んでいこうとする姿勢のようにも感じられます。
「これからもグッドモーニングアメリカを続ける為に」、そう語った金廣真悟の言葉通り、この活動の休止が決して彼らの終わりではない事を感じさせてくれる力強い最新楽曲です。
再びまたこの4人が戻ってきたその時、どのような音楽を生みだしてくれるのか。
その未来への期待と希望を抱きつつ、グッドモーニングアメリカの復活を待ち続けましょう。
TEXT 勝哉エイミカ
▷グッドモーニングアメリカ Official Site ▷グッドモーニングアメリカ レーベル公式サイト ▷グッドモーニングアメリカ 結成10周年記念サイト