さくらしめじの衝撃
一見ダイエットサプリのような名前のユニット「さくらしめじ」。
『しめじ体操』のMVではジャージ姿の田中雅功と髙田彪我が現れます。
笑顔満開、瞳はキラキラ、ふいを突かれた2人の魅力に心惹かれる中「しめじ体操第一」が容赦なく始まります。
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「しめじ体操第一」
にょっきっき にょっきっき
にょーきにょき にょーきにょき
≪しめじ体操 歌詞より抜粋≫
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冒頭から「にょっきっき」という、これまた予想の斜め上を行く歌詞に合わせて踊るさくらしめじの2人。
体操のお兄さん顔負けの突き抜けた爽やかさに目が釘付けです。そして次の歌詞ですっかりさくらしめじの魔法にかかってしまいます。
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胞子がファー 胞子がファー
≪しめじ体操 歌詞より抜粋≫
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小学校の理科の授業を思い出してください。しめじを含むキノコ類は「胞子」を飛ばす方法で子孫を増やして行くんでしたよね。
さくらしめじのファンは「きのこりあん」と呼ばれているそうです。2人が優しい声で「ファー」と飛ばした胞子をモロに被って、ここにまた1人、新たなきのこりあんが誕生しました。
さくらしめじについて学ぼう
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楽しい日々がはじまるんだから
ともに歌おう ともに笑おう
ようこそ 君もさくらしめじ
≪しめじ体操 歌詞より抜粋≫
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胞子を被ったばかりの新米きのこりあんにとっては、これから始まるさくらしめじとの楽しい日々に期待が高まる歌詞ですよね。
しかし、新米きのこりあんがさくらしめじとともに歌いともに笑うには、もう少し彼らについての学びが必要でしょう。
さくらしめじは、超特急やDISH//と同じ、スターダストプロモーション所属の若手男性アーティスト集団「EBiDAN 39&KiDS」から生まれたフォークデュオです。
2014年、田中雅功(たなかがく)と髙田彪我(たかだひょうが)がまだ中学1年生の時に「ガク&ヒョウガ」として結成された後、ユニット名が「さくらしめじ」に変わります。
眩し過ぎるルックスからアイドルかと見まごう彼らですが、実は結成以来ストリートライブを行い、ミュージシャンとしての経験を着実に重ねて来ました。
変声期を迎え、透明感に力強さが加わった歌声と美しいハーモニー、そして確かな演奏力。2人は紛れもなく実力派アーティストなのです。
さくらしめじのレトロ感
さくらしめじについて少し学習したところで、曲は「しめじ体操第二」に突入です。
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「しめじ体操第二」
さくらあげて しめじあげて さくらさげる
しめじさげて さくらあげて しめじあげて
さくらさげないで しめじさげない
≪しめじ体操 歌詞より抜粋≫
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「赤あげて 白さげて」で子供からお年寄りまで楽しめる旗揚げゲームのような歌詞ですよね。そもそも『しめじ体操』からは『ラジオ体操』のレトロな雰囲気が漂っています。
そんなどこか懐かしいほのぼのした世界を醸し出せるところが、さくらしめじが広い世代の心に響く理由かも知れません。
ところでこの旗上げゲーム、最後は「さくら」も「しめじ」もあげたままになりましたね。果たしてこれには何か意味があるのでしょうか?続きを聴いて行きましょう。
なぜ「さくら」と「しめじ」なのか?
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さくらのような 日なたの気持ちも
しめじのような 日かげの気持ちも
ともに歌おう ともに笑おう
≪しめじ体操 歌詞より抜粋≫
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桜は春の明るい日差しを浴びて咲く花、かたや日陰で育つキノコのしめじ。
「さくらしめじ」という名前には、人の心のポジティブな面とネガティブな面を対比する、とても深い意味があるような気がします。
「さくらさげないで しめじさげない」で締めた旗上げゲームのような歌詞は、誰もの心の中にその2つの感情が同居しているんだよ、というメッセージなのかも知れません。
あなたもわたしもさくらしめじ!
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ともに歌おう ともに笑おう
だれもがさくらしめじだから
≪しめじ体操 歌詞より抜粋≫
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「だれもがさくらしめじだから」この歌詞は、誰にだって明るい時と沈んだ時があるから心配しないで、どんな時も一緒に歌って一緒に笑おう!と励ましてくれているように聴こえてきます。
結成から5年目、そして高校卒業という節目の年に出された『改めまして、さくらしめじと申します。』
名刺のようなこのアルバムとともに新たなステージへと踏み出したさくらしめじは、これからも日本各地で胞子を飛ばして「にょっきっき」と、きのこりあんを増やしていってくれるでしょう。
TEXT 岡倉綾子