ゆったりとした虚無感
マカロニえんぴつのニューアルバム『hope』。その表題曲でもある『hope』では、一つの恋の終わりが歌われています。
タイトルを日本語に訳すと「望み」。
なんだかもの哀しげですよね。
一体どのような恋の終わりが歌われているのか、歌詞をチェックしてみましょう。
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十三月の風が吹いて
水曜日に熱を出した
大事なときに居ないよね
なんだか、なんかなあ
≪hope 歌詞より抜粋≫
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いきなり「十三月」という不可解な歌詞から始まります。
2行目では「水曜日」と現実的なことを歌っていることから、夢の中の話ではない様子。
続く歌詞では、大切な人が近くにいて欲しい時にいないという虚無感が歌われていることから、恋愛関係にある相手がいることがわかります。
このことから、冒頭の「十三月」は二人が一緒にいる年数を表しているとも考えられますね。
1年と1ヶ月付き合っている2人。
ちょうどマンネリ化したり、すれ違いを感じたりすることもある時期ではないでしょうか。
4行目の歌詞には穏やかながらも深い失望を感じます。
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泣きたいときに泣けばいいさ
会いたい夜に会えりゃいいよ
そんな簡単にしないでよね
こわくないこともないのです
≪hope 歌詞より抜粋≫
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続いて歌われているのは、周りからのアドバイスとも思われる言葉たち。
励ましてくれる人はいるものの、そんな簡単に割り切れないとややブルーなようです。
しかしその一方で「怖くないこともない」とも語っています。
「別れたって平気」と周りに対しては強がっているのかもしれませんね。
悶々とする気持ち
続く歌詞では不安定な情緒が表現されています。
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ベランダから春が射した
理由もなく泣いてしまった
柔らかな嘘を貯める
何故だろう、変われない
≪hope 歌詞より抜粋≫
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悩みを抱えている時、綺麗な空を見ると涙があふれてしまうことってありませんか?
過去の嘘や態度を振り返って、より切なくなっているようです。
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「大丈夫」君が言って
水曜日を寝潰した
幸せの削りカス 集めて生活する
≪hope 歌詞より抜粋≫
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体調不良を感じた日、相手に連絡したことがわかります。
しかし、結局会わずに寝て過ごしたようですね。
ところで今ご紹介した歌詞、ずっと主人公の目線で歌われているようでありながら、視点を変えると主人公の相手の目線のようにも思えませんか?
とある晴れた日、相手との日々を思って涙している。
そんな時に相手から体調不良であるという連絡が入り、心配すると「大丈夫」と一言。
本当は看病してあげたかったけど、会いに行かず寝て過ごした。
真相はわかりませんが、少し視点を変えて聞いて見るのも面白いかもしれませんね。
別れたくない!
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手を繋いでいたい
手を繋いでいたいのだ
弱さだけを握りしめて居たいのだ
≪hope 歌詞より抜粋≫
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「別れたくない」「一緒にいたい」ではなく、「手を繋いでいたい」と表現するあたり、さすがマカロニえんぴつですね。
より身近なことのように感じられ、感情移入してしまいます。
気になるのは3行目の歌詞。
「弱さだけを握りしめる」とはどういう意味なんでしょうか?
歌詞から察するに、弱さとは一人になることや相手と離れることの怖さを表していると思われます。
それを「手を繋ぐ」という動作にかけて表現しているのではないでしょうか。
これもまた粋な表現ですよね。
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僕らはまだまだ それぞれだけれどね
それでも、それでも
君が好きだ 君が好きだ
≪hope 歌詞より抜粋≫
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続く歌詞からは、二人の気持ちが一致していないことがわかります。
でも、この楽曲の主人公は相手のことが好きで、一緒にいたい様子。
果たしてその願いは叶うのでしょうか?
ぜひ一曲通して聞いて、色々考えてみてくださいね。
TEXT ゆとりーな