四星球は笑いだけじゃない
笑って泣けるコミックバンド『四星球』。彼らの楽曲はどれも気持ちいいほどボケ倒しており、タイトルだけを見るとギャグセンの高さに圧倒されるという人も多いはず。
しかし、注目していただきたいのは歌詞。
タイトルと同じように一見ギャグだと勘違いしてしまいますが、意味がわかるとその優しさや深さに驚きます。
そのタイトルと歌詞のギャップが色濃く現れている楽曲の一つが、今回ご紹介する『フューちゃん』です。
「フューちゃんって何!?」といきなり突っ込みたくなりますが、まずは歌詞を見てみましょう。
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手のひらの中 伸びてくファールボール
みたいなのが生命線 それをなぞり
あとどれくらい 生きれんのかなって 考えてた
今がどこかも分からずに
≪フューちゃん 歌詞より抜粋≫
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なんだか普通のバンドの歌詞のようです。
とてもセンチメンタルで趣のある歌詞なのですが、四星球ファンとしては「あれ?」とちょっと拍子抜けしてしまいますね。
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どっちの生命線が長い?って比べ合ったね
手のひらの大きさも違うのに
≪フューちゃん 歌詞より抜粋≫
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続く歌詞も比較的普通。でも、いい事言っていますよね。
それぞれ個性があるんだから、比べても仕方がない。とても優しいメッセージです。
真骨頂はここから!
ここまではいたって普通のバンドのような歌詞でした。しかし、四星球らしさが溢れるのはここから。早速見てみましょう。
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不安て10回言ってごらん
不安 不安 不安 不安 .........fun
ほらfunに変わったろ
≪フューちゃん 歌詞より抜粋≫
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一瞬だけ「くだらない…」と思ってしまった人もいるでしょう。
でも、このポジティブ変換能力は素晴らしいと思いませんか?
「不安」って繰り返し言えば「fun(楽しみ)」に変わるだなんて、今まで誰が考えたでしょうか。
笑いの中に優しさがある、四星球らしい歌詞ですね。
結局、フューちゃんって?
タイトルでありながら、未だ正体を見せない「フューちゃん」。
その「フューちゃん」が何者なのかは、サビの歌詞でわかります。
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僕は未来から来た男 フューちゃんフューちゃん
未来を変えちゃダメだからなんにもしてあげらんないけど
≪フューちゃん 歌詞より抜粋≫
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まさかの展開ですが、「フューちゃん」は未来から来た男性だったのです!
おそらく「future(未来)」を文字ったのでしょう。
2行目には大きな矛盾を感じますが、それでもクスリと笑える面白い歌詞ですよね。
しかしギャグだけじゃないのが四星球。
次の部分ではしっかりと温かい言葉をかけてくれます。
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僕は未来から来た男 フューちゃんフューちゃん
このまんまで大丈夫だよって伝えに来たんだよ
≪フューちゃん 歌詞より抜粋≫
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フューちゃんは「今のままで大丈夫だよ」と伝えるためにわざわざ未来から来たようです。
冷静に考えると全く意味のわからない話ですが、気持ちはほっこりしますよね。
ちなみに、サビの最後は以下のような展開になります。
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僕は未来からきた男 フューちゃんフューちゃん
帰り方なんて分からないから僕の側にいて
スタンド・バイ・ミー
≪フューちゃん 歌詞より抜粋≫
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「えぇ!?」と思わず笑ってしまいますね。
でも、ここにも実は深いメッセージが込められているのかもしれません。
ぜひみなさんも色々想像しながら聞いてみてくださいね。
TEXT ゆとりーな