過去も未来も飛び越える!軽やかなタッチの世界観
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しばらくして 気付いたんだ 本物だって
熱くなって 冷やかして とっちらかって
シャボン玉が食らったように はじけて消えんじゃない?
1つは過去 1つは未来に
噛みつきゃいい
≪Birthday 歌詞より抜粋≫
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こんな一節で始まるのが、2020年3月のリリースから早くも話題を集めているMr.Childrenのニューシングル『Birthday』です。
ミスチルらしい爽やかなサウンドと共に、その勇気あふれる歌詞を絶賛するファンの声が多く寄せられ、ボーカル・桜井和寿が描く世界観にたくさんの人が魅了されています。
序盤で描かれるのは、なんともポップな世界観のリリック。
「シャボン玉」をキーワードに、新たな物語の始まりを予感させています。
映画ドラえもんの主題歌に起用された一曲ということで、アニメを象徴するテーマである「過去」「未来」というキーワードも登場しています。
今という時間すらも飛び越えて、縦横無尽に駆け回っていくエネルギッシュな言葉の数々に、思わず胸が踊ってしまいますね。
新たな物語の始まり、それは「Birthday」
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It's my birthday
消えない小さな炎を
ひとつひとつ増やしながら
心の火をそっと震わせて
何度だって 僕を繰り返すよ
≪Birthday 歌詞より抜粋≫
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キャッチーなメロディが印象的なサビで歌われるのがこちらの一節。
新たな物語の始まり、それはとてもワクワクして希望に満ち溢れたものです。
そんな人生の始まりの1ページを「birthday」つまり誕生日であると表現してみせる作詞センスには思わず驚いてしまいますね。
自分の中に燃えるやる気や情熱、ワクワクした心などのポジティブなマインド。
決して消えることのない小さな「炎」をひとつひとつ増やしながら前に進んでいく。
毎日を軽やかな気分で始められそうな前向きなメッセージが、一生懸命に生きるあなたの背中を押しているように感じられます。
「何度だって僕を繰り返す」という言葉で紡ぐメロディからは、日々のルーティンに飲み込まれそうになっても、新しい発見やドキドキを忘れないフレッシュな心を持って欲しいというエールが聞こえてきそうですね。
「人生」を描いた大切なメッセージに思わず感動!
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It's your birthday
毎日が誰かの birthday
ひとりひとり その命を
讃えながら今日を祝いたい
そして君と 一緒に歌おう
≪Birthday 歌詞より抜粋≫
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中盤にはこんな印象的な一節が登場します。
「毎日が誰かの」誕生日であるという事実は、当たり前のように思っていても思わず忘れてしまいそうなもの。
街を歩けばすれ違う数多くの人それぞれが自分の人生と向き合い「命」をかけて日々を生き抜いていることを思い出させてくれますね。
そして、そんな新しい一日を生きることができる喜びを讃えながら、歌詞の主人公は「君」と一緒に歌いたいと願っています。
世界中の人々がそれぞれ抱えている人生。一期一会の出会いの中で運命的な繋がりをもっている「君」の存在。
桜井和寿は自らが紡ぐ歌詞の中で「人生」や「生きる」ということまでも、日常的な歌詞に落とし込んで表現しています。
Mr.Childrenが数多くの名曲を生み出し、この『Birthday』もその中の一曲として数えられるそのヒミツ。
それはこのように「人生」という壮大だけれど誰もが向き合っているテーマをキャッチーな言葉で優しく包んでいるからなのかもしれませんね。
歌詞を見つめながら聴いていると、大切なメッセージが胸に飛び込んでくる。
そんな魅力を持った『Birthday』は今後も聞き継がれていく名曲になっていくことでしょう。
TEXT ヨギ イチロウ
1992年ミニアルバム「EVERYTHING」でデビュー。 1994年シングル「innocent world」で第36回日本レコード大賞、2004年シングル「Sign」で第46回日本レコード大賞を受賞。 「Tomorrow never knows」「名もなき詩」「終わりなき旅」「しるし」「足音 〜Be Strong」など数々の大ヒット・シングル···