とってもポップで優しい魅力のとけた電球
神奈川県出身のバンドとけた電球は、高校時代にマンドリンクラブで出会ったメンバーと2012年に結成されました。
2020年現在はボーカル・ギターの岩瀬賢明、キーボード・境直哉、ドラム・高城有輝、ベース・横山航大の4人組で活動をしています。
2020年3月に新作となる『WONDER by WONDER』を発表し、現在進行形で話題を読んでいる彼ら。
ピアノやギターの優しい音色で包まれたボーカル・岩瀬賢明の歌声が柔らかく響く、ポップな雰囲気のサウンドが魅力の一つとなっています。
現在視聴することができる彼らのディスコグラフィの中で、最も古いものが2015年に発表されたアルバム『最初の恋のように』です。
サウンドを支配しているのは、若さゆえのエネルギーと染み渡るような優しいメロディ。
いわゆる正統派邦楽ロックの王道スタイルを見事に消化し、デビューアルバムにして才能を感じさせる仕上がりとなっています。
精力的なライブ活動と共に順調に話題性を獲得してきた彼ら。
開催するライブは軒並みソールドアウトになったそうで、その人気が伺えますね。
そんなとけた電球は、2018年に大きな転機が訪れます。EP『STAY REMEMBER』に収録された『覚えてないや』がヒットを飛ばし、一躍その注目度が急上昇しました。
デビューアルバムより貫いていたポップなサウンドの探究がいよいよ花開き、ピアノを効果的に聞かせる爽やかな青春ソングに仕上がったこの楽曲。
今後のバンドの活動をさらに躍進させる起爆剤となったのは、間違いないかもしれませんね。
現在YouTubeでのミュージックビデオ再生回数は130万回を超えているなど、彼らの代表曲の一つとなっています。
また公式ホームページにも記載がある通り、彼らのもう一つの魅力は「即興的で中毒性の高いライブ演奏」。
2019年に公開されたこちらのライブ映像では、エネルギーに満ち溢れる彼らのパッションを存分に堪能することができます。
終盤につれてよりアグレッシブに展開していくサウンドのアレンジも、彼らの勢いを感じさせるものになっているのではないでしょうか。
名曲揃いのディスコグラフィからオススメの3曲を紹介!
2020年現在アルバム・EP合わせて4枚の作品を発表しているとけた電球。
キャリアを通して磨かれてきたポップソングの感性は、彼らの楽曲の中で炸裂しています。
今回はそんなディスコグラフィの中から、厳選したオススメの3曲を紹介します。
「トライアングル」
現在最新曲となっている『トライアングル』。
再生してすぐに耳に飛び込んでくるピアノの爽やかなイントロは、まるで彼らの前に広がる無限の可能性を感じさせるような開放感溢れるものとなっています。
清涼感あふれるサウンドメイクと柔らかい歌声が特徴のこの曲。
秦基博やback numberといったメジャーアーティストの雰囲気すら感じさせる堂々たる完成度は、彼らの人気がいよいよ爆発寸前であることを予感させますね。
「焦がれる」
新作EP『WONDER by WONDER』に収録されている『焦がれる』。
こちらは優しい雰囲気の大人っぽい恋愛をイメージさせるサウンドが特徴のバラードとなっています。
聴きどころのひとつは、情熱的なサビで披露される岩瀬賢明の美しいファルセット。
「恋に焦がれたい」という歌詞を最大限に表現して見せるその才能には、思わず聞き入ってしまいますね。
爽やかで軽いタッチの楽曲と比較して聴き込むと、彼らの多層的な魅力に気づくかもしれません。
「Welcome」
2017年発売のアルバム『魔法が使えないから』に収録。
アルバムの中でもひときわクールな存在感を放っているのがこの『Welcome』です。
ジャズやフュージョンの影響も感じさせるオシャレなコードワークと演奏が時代感にぴったりとマッチしているこの曲。
シティポップブームを、彼らなりに解釈したとも読み取れる都会的な雰囲気は、多くのファンを虜にしています。
ポップサウンドだけに収まらない、彼らの高い演奏力とアレンジセンスを存分に楽しむことができる一曲となっています。
進化を続ける彼らの今後に期待大!
幅広い音楽性と高い演奏力、岩瀬賢明の唯一無二の歌声が合わさり、人気爆発を予感させるとけた電球。
その裏側には、常にファンとの距離を大切にしながら、挑戦を続けてきた日々のライブによって培った能力が見え隠れしていますね。
年々作品のクオリテイが上がり続けていると言われている邦楽インディーズシーンにおいても、ひときわ強い存在感を放っている彼らは、今後さらなる大躍進を見せてくれること間違いなし。
とけた電球が描く2020年の音楽からも、目が離せませんね。
TEXT ヨギ イチロウ