大人気作品「Devil May Cry」
アクションゲームとして海外でも人気を誇る「Devil May Cry(デビルメイクライ)」。
その4作目となる「Devil May Cry4」は人間界を護った悪魔:スパーダの息子たちの物語から話は進み、舞台は城塞都市フォルトゥナへ。
悪魔:スパーダを信仰する魔剣教団がいる街に住む、ネロを主人公に教団の重要な祭事である「魔剣祭」から話は始まる。悪魔に悪魔狩人、教団騎士と日本ではあまり馴染みがない設定ながら、れっきとした日本が制作元のゲームである。
このゲームのテーマ曲を担当したのが、実力派ロックバンドL'arc~en~Ciel。
得体のしれないダーク感がヤバイ!
楽曲は、yukihiroが候補に挙げたデモの2曲をベースに作られ、作詞はhydeが担当。富士急ハイランド内にある、最恐のホラーハウス戦慄迷宮で思いついた歌詞と言うだけあり、スピード感のあるメロディに乗って得体の知れない何かが迫るダークソングとなっている。楽曲作成を受けた理由は、メンバーの1人であるyukihiroが大好きなゲームだから。
その為、原型ができるまではyukihiroに任せっきりだったという裏話もある。
しかし、他のメンバーもかなりのゲーマーらしくhydeもリアルタイムでゲームをしていた様子。kenも遅ればせながら「Devil May Cry」シリーズにハマり、プレステが壊れるほどプレイしていたというから、楽曲制作はメンバー全員で楽しく行っていたようだ。
「恐怖とは味わうもの」
DRINK IT DOWN
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滑らかに貼りつく感触 闇とは深く味わうもの
身体中へ受け入れて感じよう
[Drink it down, enjoy the black around taste the darkness]
Let down you feel trust falls break down
迫り来る衝撃へと恐れずに飛び込み真実が
君にも流れ込む
永遠に沈むような錯覚に抱かれて何処まで
正気で居られるのか?
≪DRINK IT DOWN 歌詞より抜粋≫
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怖がりな私には共感できない感覚だが、hyde曰く「恐怖とは味わうもの」。
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滑らかに貼りつく感触 闇とは深く味わうもの
身体中へ受け入れて感じよう
≪DRINK IT DOWN 歌詞より抜粋≫
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視覚も機能しない闇というのは、人間にとって恐怖の対象である。電気が発明されてから、真の暗闇というのはあまり見なくなったが人間の深層心理にその恐怖は深く根付いているものだと思う。
しかし、hydeはそう言うだけあって歌詞に恐怖という感情が存在しない。聴けばわかるのだが、むしろ美味しい料理を味わうように喜々として歌っている。
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永遠に沈むような錯覚に抱かれて何処まで
正気で居られるのか?
≪DRINK IT DOWN 歌詞より抜粋≫
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また、ゲーマー魂よろしく歌詞はhydeが思うダンテからみたネロの視点で考えられた、作品を知っている人には嬉しい内容。
「Devil May Cry」の世界を知っているからこそできた事であろうが、違和感がまるでないからスゴイ。
----------------(飲み干せ、闇を味わい取り囲む暗黒さえも楽しめ)
[Drink it down, enjoy the black around taste the darkness]
≪DRINK IT DOWN 歌詞より抜粋≫
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直訳すると、コーラス部分も恐怖なんて微塵もなし。黒々とした歌詞の羅列が続く中、楽しんでいるようにさえ感じるのは人から外れた力を持つキャラクターを忠実に再現した結果なのだ。
迷宮の先にあなたは何を見る?
PVでは、吸血鬼の館に迷い込んだという設定でメンバー総出演。楽曲も楽しんで作っているだけあり、Aメロはken、サビメロではtetsuyaとメンバーの意見が取り入られたパズルのような構成となっている。
つまり、『DRINK IT DOWN』は言わば小さな戦慄迷宮。
恐怖を味わうか、もしくは自身が丸呑みされるか。迷宮の先に何を見るかは、あなた次第だ。
TEXT:空屋まひろ
1991年tetsuyaを中心に大阪で結成。 1993年アルバム「DUNE」がインディーズ チャート1位を獲得。 1994年ビデオシングル「眠りによせて」(Ki/oon Records)にてメジャー デビュー。 1996年アルバム「True」で初のミリオンセラーを達成。 1997年12月に行われた東京ドーム(キャパシティ:5万人)のコ···