悔しさと嫉妬
『saucy dog』は、2013年に結成された男女3人組バンド。透き通るような歌声や繊細な歌詞が人気を集めており、最近は大きなフェスへの出演も増えています。
そんな彼らが、2020年3月にニューシングル『結』をリリース。
胸が締め付けられるほど不器用で、真っ直ぐな恋心が歌われています。
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手を繋いだのは君の方から
ちょっと慣れた素振りに
なんか悔しくなったな
≪結 歌詞より抜粋≫
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冒頭の歌詞から察するに、これは付き合い始めたばかりの男女の物語。
男性の視点で、新しい恋人になった彼女に対する思いが歌われています。
どうやら男性よりも女性の方が、恋愛経験が豊富なようですね。
思うようにリードできないもどかしさや悔しさが歌詞に表れています。
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もっと不器用なとこを見てみたかったの
君の過去がチラついてしまうよ
≪結 歌詞より抜粋≫
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付き合いたての頃は、微妙な距離感を探り合いながら手を繋いだり、相手に触れたりすることで徐々に関係性を深めていくもの。
でも、相手にリードされてスムーズに進んでしまったら「前の人ともこうやって関係を深めていったのかな」なんて嫉妬してしまうこともありますよね。
そして好きだからこそのジェラシーは、行動にも表れていたようです。
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焦ってたんだ柄にもなく
着飾ってみたり 傷ついてみたり
ふわふわ飛んで逃げていきそうで
その手を離したら終わっちゃいそうでさ
≪結 歌詞より抜粋≫
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自分よりも恋愛慣れしている相手と恋をした時って「すぐに他の人のところにいってしまうんじゃないか?」と不安になることがありますよね。
なんとしてでも相手の気を引きたいという気持ちに、共感した人も多いのではないでしょうか?
独占したいほど好き
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もう心配性 気が狂いそう
いっそこのままふたりだけの世界を生きてたいよ
そしたらきっと 更なる一歩
ずっと見ていたいよ 君の全部を
≪結 歌詞より抜粋≫
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相手のことがどれほど好きか、ひしひしと伝わってくる歌詞ですね。
他の人のところに行かないか、自分のことをずっと好きでいてくれるか、心配で気がおかしくなりそうなほど相手のことを思っているようです。
特に2行目には、独占したいほど好きな気持ちが表れています。
「ずっと見ていたい」なんてなかなか言えるセリフじゃありませんよね。
恋愛慣れしていないからこそ、思いのままに伝えられるセリフではないでしょうか。
少し重たい感じもしますが、これほどまでにまっすぐ愛される経験もしてみたいものです。
逆に、この楽曲と同じくらい誰かを好きになったという経験をした方もいるかもしれませんね。
結末は未来の楽しみに
2番でも愛する彼女への思いがまっすぐに歌われていますが、実はこの楽曲、手紙がモチーフになっているようです。
それが分かるのが下記の歌詞。
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天気は気まぐれ 時々にわか雨
やっと築けた ふたりだけの世界はここにあって
この手紙には結末は無くていい
君との未来にまだ取っておくよ
≪結 歌詞より抜粋≫
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「この手紙には」というフレーズから、彼女に向けた手紙であることがわかります。
確かに、面と向かって言うにはやや恥ずかしいくらい愛に溢れた内容ですもんね。
そしてあえて「結末を書かない」というのが粋で素敵なポイント。
未来が楽しみになりますし、様々な結末を思い描けるので可能性が広がりますよね。
「どんな未来を築いていこう?」なんて、一緒にいる楽しみが一つ増えるのではないでしょうか?
もう一点、思わずキュンとしてしまうのが下記のフレーズです。
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拙い僕からの思いを
綴ろう 描こう 繋ごう
≪結 歌詞より抜粋≫
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「拙い」と謙虚なところがいいですよね。
ずっとそばに寄り添って支えてくれそうな、控えめで優しい人柄を感じます。
ウブな彼が不器用ながらもまっすぐに思いを伝える姿勢は、恋愛慣れした女性の心も掴んで離さないかもしれません。
ピュアな世界に引き込まれそうですよね。
大切な人に思いを伝える予定がある方、ぜひ参考にしてみてはいかがですか?
TEXT ゆとりーな