親友の結婚式で歌ったサプライズ曲
木村カエラの『Butterfly』は結婚式の定番ソングとしても大人気ですよね。
自分の結婚式、もしくは友達の結婚式でこの曲を流して、思い出の曲となっている人も多いのではないでしょうか。
「木村カエラが親友の結婚に際してこの曲の歌詞を作った」という心温まるエピソードも二人の門出を祝うのにぴったりです。
この記事では、そんな『Butterfly』の歌詞の意味を掘り下げていきます。
二人で重ねた大切な年月
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思い出してるよ 君と出会ったころ
何度もくり返した季節は
二人を変えてきたね
≪Butterfly 歌詞より抜粋≫
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まさに友達に話しかけるような真っすぐで優しい語り口ですよね。
「何度もくり返した季節」とありますから、長年の友人関係なのでしょう。
「二人を変えてきた」という歌詞から、人が大きく変わっていくのは子ども時代ですから、子どものころからの友達なのかもしれません。
「Butterfly(蝶)」を追いかけてはしゃぐようなかわいらしい小さな女の子たちが、ランドセル姿から制服姿になり、学校を卒業して働きだす…。そんな光景が思い浮かびます。
大切な友達だからこそ出会った頃を覚えていて、子ども時代から結婚式を挙げるような年齢になるまで、何度も繰り返す季節を共に過ごし、変わっていく友達と自分をきちんと認識している。
短いフレーズなのに、二人の深い絆がうかがえますね。
どんな時より素晴らしい親友の結婚式
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Butterfly 今日は今までの どんな時より 素晴らしい
赤い糸でむすばれてく 光の輪のなかへ
≪Butterfly 歌詞より抜粋≫
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「今までのどんな時より素晴らしい」
たくさんの君を知っているからこその言葉ですよね。
二人が本当に仲が良くて、たくさんの時を共に過ごしてきたことが伝わってきます。
たくさんの時を共に仲良く過ごす。これは簡単なようでいて、そうではありませんよね。
特に子どもの頃からの友達は、二人が大人になっていくにつれて、環境や価値観が大きく変わり、疎遠になっていくことも珍しいことではありません。
特にこの歌詞はアーティスト・木村カエラが親友のために作ったもの。
芸能界とそうでない世界という大きく異なる環境の中にいながらも、二人は変わることなく親友として繋がっています。
この曲を聴くと癒されるのは「青い空」「真っ白なウェディングドレス」「羽ばたく蝶」など喚起されるイメージが明るいオーラに満ちているからだけではなく、そんな二人の友情の温かさが伝わってくるからではないでしょうか。
歌詞に表れた二つの温かな人間関係
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優しさにあふれた 君がとても大好き
悲しみあれば 共に泣いて 喜びがあるなら 共に笑うよ
≪Butterfly 歌詞より抜粋≫
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「とても」と「大」好きという「好き」を強調する言葉が重なっているところに注目です。
「とても好き」でも「大好き」でも意味は伝わるけれど、「好き」の具体的な大きさは伝わらない。
だから「とても大好き」という「好き」を二重に強調して、”どんなに親友のことが好きか”を、たった一言で表現しています。
結婚式で木村カエラがこの曲を歌ったのを聴いた人たちは、新婦の優しさにあふれた人柄と、友人に深く愛されていることを知って、お祝いの気持ちでいっぱいだったことでしょう。
「悲しいことがあったら共に悲しんで、嬉しいことがあったら共に喜ぶ」という内容は、二人の友情の在り方を表していて、今までがそうであっただけではなく、これからもそうしようとしている木村カエラの気持ちを真っすぐに伝えています。
きっとこれからもずっと二人は親友として時を共に過ごしていくのでしょう。
「赤い糸で結ばれて光の中を歩んでいく新郎新婦」と「悲しみも喜びも分かち合い、環境が変わっても仲良く共に年月を重ねていく親友同士」。
この曲が幸せに包まれているのは、そんな温かい二つの人間関係の在り方を表しているからかもしれませんね。
親友への友情を「花」「蝶」「青い空」「光」などの明るいイメージの単語と真っすぐな表現で歌った『Butterfly』。
大切な人を想うときに聴きたくなりますね。
TEXT 三田綾子