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「ラ・ラ・ランド」とは?
日本でも「何度も観たくなる!」とリピーターが続出して大ヒット!
ミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』は、第89回アカデミー賞では史上最多の14ノミネート(13部門)を受け、6部門を受賞するという快挙を成し遂げます。
また、監督のデイミアン・チャゼル自身も、この作品でゴールデングローブ賞 監督賞、アカデミー最優秀監督賞を、いずれも史上最年少の32歳で受賞し、脚光を浴びました。
『LaLaLand(ラ・ラ・ランド)』は、この映画の舞台となるロサンゼルスの愛称であると同時に「現実離れした状態」という意味を持ちます。
なんと言っても、高速道路の大渋滞の中、たくさんの若者たちが踊りだすOPに度肝をぬかれた人も多いのではないでしょうか。
苦しい道のりの中でも明るさを忘れない、ポジティブなこのOPの演出こそ『ラ・ラ・ランド』が「成功を夢見る若者たちの物語」であることを象徴しているようです。
そんな、LaLaLandな渋滞から抜け出し、成功を夢見る二人の男女の物語。
それが映画『ラ・ラ・ランド』なのです。
映画「ラ・ラ・ランド」あらすじ
舞台は、夢を叶えたい人々が集まる街・ロサンゼルス。映画スタジオのカフェで働く女優の卵、ミアと、いつか自分の店を持って思い切り演奏したいと願うジャズ・ピアニストのセバスチャンの出会いから始まります。
やがて恋に落ちる二人でしたが、自らのジャズを捨てて旧友のキースのバンドに加入したセバスチャンが売れたことで、二人の心はすれ違いはじめ…
素晴らしいライブ感!
映画『ラ・ラ・ランド』は、デイミアン・チャゼルが監督・シナリオ・演出を担当し、ジャスティン・ハーウィッツが作曲を担当した、ミュージカル映画です。
≪キャスト一覧≫ ( )内は、吹き替え版の声を演じたキャスト
セバスチャン(セブ)・ワイルダー:ライアン・ゴズリング(CV内田夕夜)
ミア・ドーラン:エマ・ストーン(CV武田華)
キース:ジョン・レジェンド(CV祐仙勇)
ローラ:ローズマリー・デウィット(CV山賀晴代)
トレイシー:キャリー・ヘルナンデス(CV村松妙子)
アレクシス:ジェシカ・ローテ(CV熊谷海麗)
ケイトリン:ソノヤ・ミズノ(CV石井未紗)
ビル:J・K・シモンズ(CV壤晴彦)
グレッグ:フィン・ウィットロック(CV橘潤二)
映画『ラ・ラ・ランド』では、メイン二人の歌やダンス、演奏まで、プロのミュージシャンやダンサーによる差し替えは行われていません。
実際の主役の二人が歌って踊るため、素晴らしいライブ感を味わうことができますよ。
監督の執念が花開く!
昔ながらの35ミリフィルムでの撮影や、昔のミュージカル映画でよく使用されていた「2.55 : 1」の画面サイズ、名作をはじめ様々な映画へのオマージュなど、『ラ・ラ・ランド』には、往年のミュージカル映画への愛がいっぱい詰めこまれています。なんとチャゼル監督は、もともとプロミュージシャンを目指してジャズ・ドラムを学んでいたのだとか。
そんな彼にとって、ミュージカル映画はなんとしても手がけてみたいジャンルだったのです。
しかし『ラ・ラ・ランド』のシナリオを書き上げた2010年、この映画に出資してくれる会社はゼロ。
実はミュージカル映画は、とっくに黄金期が終わり、ディズニー映画などを除くとヒットすることはないと言われていたのです。
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そこで、チャゼル監督は映画『セッション』を製作、商業的成功を収めてから『ラ・ラ・ランド』の出資を取り付けるという、二段構えの戦法をとることにします。
これで本当に『セッション』が売れてしまうところが、この監督の才能の怖ろしいところですよね。
こうして映画『ラ・ラ・ランド』は始動しました。
代表する1曲「Another Day of Sun」
『Another Day of Sun(アナザー・デイ・オブ・サン)』は映画『ラ・ラ・ランド』のオープニング・ナンバーで、ずばりこの映画を象徴し、代表する楽曲です。
チャゼル監督のハーバード大学時代の同級生・ジャスティン・ハーウィッツが『ラ・ラ・ランド』の作曲とオーケストレーションを担当、この楽曲ももちろん彼によるものでした。
『アナザー・デイ・オブ・サン』に合わせて、夢追い人(La La Landな人)が踊りだす圧巻のOPシーンには、驚かされた人も多いのではないでしょうか。
一気に『ラ・ラ・ランド』へと、引き込まれますよね。
「I’m reaching for the heights and chasing all the lights that shine.(私は輝く光を追い求め、高みへと近づきつつある。)」という歌詞が、印象的です。
OPでは、高速道路の渋滞の中、後から後から人が加わってダンスを披露していくことで、アメリカンドリームを夢見る人、La La Landな人がこの世にあふれていることを上手く表現していました。
一方ラストでは対照的に、高速道路で渋滞に巻き込まれたものの、インターチェンジから楽々と一般道に抜けて優雅に走り行く、夢を掴んだミアの姿が描かれています。
希望に満ちあふれた大勢の夢追い人の中で、成功するのはほんの一握りだけ。
実は『ラ・ラ・ランド』は夢を追うだけでなく、冷静なまなざしで現実を見つめたビタースウィートなミュージカルであることを象徴しています。
心温まる名作を、ぜひ!
夢と希望にあふれた前半に対し、ラストはとても切なく美しい『ラ・ラ・ランド』。
捉え方は人それぞれですが、ある意味、最高のハッピーエンドともいえるでしょう、。
いずれにせよ、映画のラストで描かれたもう1つの人生に、涙腺が壊れた人もたくさんいることでしょう。
素晴らしい演出に音楽、傑作との声も高いストーリー。
名作は、何度観ても感動するものですね。
傑作と評される『ラ・ラ・ランド』を、ぜひあなたもご覧ください。
TEXT 有紀