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Aimer「コイワズライ」がカタカナだから受け止めてくれること

優しく透き通るハスキーボイスが特徴的な女性シンガー、Aimer(エメ)。 彼女が歌うラブソング、『コイワズライ』では、強さの奥に隠してしまいがちな、切ない恋心が綴られています。相手を想うあまりに苦しむあなたに、そっと寄り添ってくれる1曲です。

自分の弱さを隠した理由


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泣き虫を笑って
強がりは気づいて
わがままを許して
気まぐれにつきあって
そばにいたくって
≪コイワズライ 歌詞より抜粋≫
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「泣き虫を笑って」「強がりは気付いて」

問いかけるように始まるこの曲では、大切な人に向けた心の声が描かれています。

「言葉にしなくても気付いてほしい、わかってほしい」という感情は、恋愛中にはよく抱いてしまう感情でしょう。

信用している相手にこそ、伝わらないもどかしさを感じるものです。

『コイワズライ』の彼女が強がる理由は、「そばにいたくって」という想いがあるからでしょう。

胸にしまいこんだ自分の弱さに、そっと気付いてほしい。

そんな気持ちをいだきつつ、あなたの傍にいたいと願う一心で、また我慢をしてしまうのです。

私の溜息にこめられたあなたへの想い


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ねえ 苦しさをわかって
ずっと続く愛しさをわかって
そんな心はいつだって
そっと溜息こぼす
だから伝えたいことって
いつも伝えられなくって
不器用に笑って誤魔化すんだよ
≪コイワズライ 歌詞より抜粋≫
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苦しい心と、ずっと続く愛しさを伝えたい、切ない気持ちをどうかわかってほしいと、心から願う様子が伝わってきます。

しかし、自分が彼を想って悩んでいることも、どれだけあなたを大切に想っているかも、彼は知るよしもないのです。

分かっていても、やっぱり1人で溜息をこぼしながら苦しむだけで、結局いつも本心を伝えることはできません。

想いを伝えられない恋を経験したことがある方なら「不器用に笑って誤魔化すんだよ」という歌詞の奥に隠された、様々な感情にも気が付くのではないでしょうか。

強がりはある意味、自己防衛でもあります。

直接は自分が傷つかないように、複雑で繊細な恋心を、いくつものベールで包んでしまうのです。

何気ない日々の中の愛しい記憶


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ありふれた会話や仕草を
少しも忘れたくはないよ
ゆらり ふわり 白雪の様に
恋が消えたとしても
≪コイワズライ 歌詞より抜粋≫
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たとえ恋が実らなかったとしても、大切な人とお別れの時がきたとしても、それまでの日々を消すことなど出来ません。

辛い記憶を越える愛おしい思い出があるからこそ、「ありふれた会話や仕草を少しも忘れたくはない」のです。

何気なくかけられた言葉にどれ程の価値があったか、それ気付いた時には、もう戻れない「思い出」になってしまった時なのでしょう。

「ゆらり ふわり 白雪の様に」儚くいつの間にか消えてしまった恋だとしても、「ありふれた」日々に散りばめられた色鮮やかな記憶に支えられていたのですね。

それぞれの「コイワズライ」


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悲しくなっても 寂しくなっても
泣きたくなってもいいんだよ
悲しい時こそ 寂しい時こそ
大事なことがあるんだよ
≪コイワズライ 歌詞より抜粋≫
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Aimerの『コイワズライ』では、誰しもが経験する「自分をもっとみてほしい」という願いがまっすぐに表現されています。

相手を信頼し、大切に想うからこそ、自分と相手の想いの強さを比較して、悲観的になってしまうことはよくあることです。

この気持ちは、恋愛だけでなく、人と関わっていく上では避けて通れない感情なのではないでしょうか。

「悲しくなっても 寂しくなっても 泣きたくなってもいいんだよ」

相手を想うあまりに苦しむあなたに、この歌詞がそっと寄り添ってくれるでしょう。

変わらなくて良い、今のあなたのままで良い。

そんなときにこそ「大事なことがあるんだよ」というメッセージに、ひとり涙を流すことすらできない夜から救われた人も多いのではないでしょうか。

「恋煩い」と言われると、悩む自分は「病気なのかもしれない」と不安になることもあるかもしれません。

しかし、恋愛の複雑な感情は、既存の言葉だけで表せるものではありません。

十人十色の恋愛の形、ひとり一人ちがった「恋の悩み」を抱えているからこそ、全員に効く特効薬は存在しないのです。

「コイワズライ」とカタカナにすることで十人十色の想いを受け止め、薬もない不安定な気持ちを表現しているのではないでしょうか。

だからこそ、リスナーそれぞれが、過去の経験や自分なりの想いを重ねられるのだと思います。

▲Aimer「コイワズライ」スタジオ ライブ リハーサル (new album『Sun Dance』『Penny Rain』now on sale) FULL

Aimerの優しい歌声の中に強さを感じるのは「弱くなる瞬間があってもいい」と、彼女自身が信じているからなのでしょう。


TEXT もりしま

Aimer(エメ) 15 歳の頃、歌唱による喉の酷使が原因で突如声が出なくなるアクシデントに見舞われるも、数 年後には独特のハスキーで甘い歌声を得ることとなる。2011 年にシングル「六等星の夜」でメ ジャーデビュー。 代表曲「蝶々結び」などを収録した4thアルバム「daydream」を2016年9···

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