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「舟を編む」の原作は本屋大賞受賞小説!?辞書編集に情熱を注ぐ編集者たち

皆さんは、辞書がどのようにしてできているのか知っていますか?今回紹介する映画『舟を編む』は、辞書編集を舞台にした作品です。 編集者たちの辞書に込めた熱い想いを描いたストーリーが、高い評価を得ました。この記事では、今作の魅力を紹介します。

日本アカデミー賞作品賞を受賞!「舟を編む」の原作は?


映画『舟を編む』は、三浦しをんによる同名小説が原作です。

女性ファッション雑誌『CLASSY.』にて連載後、単行本化されました。

挿絵は漫画家の雲田はるこが担当。単行本や文庫本の装画も手掛けています。

対人能力の低さから、営業部でお荷物扱いされていた主人公。

ひょんなことから言葉の表現力や感性の高さを理由に辞書編集部に引き抜かれ、仕事にのめり込んでいきます。

辞書編集に熱い想いを注ぐ、編集者たちの姿が描いたヒューマンストーリーです。

辞書がどのようにできあがっていくのかを事細かに表現した映像作りが高く評価され、2012年の本屋大賞を受賞しています。

2013年には、松田龍平主演で映画化されました。ここからは映画のあらすじや見どころを紹介します。

辞書編集に情熱を注ぐ編集者たち!

▲映画『舟を編む』予告編

物語の舞台は、新しい辞書刊行計画を進めている出版社・玄武書房の辞書編集部。

まもなく定年を迎えるベテラン編集者の荒木公平は、自分の後継者となる相手を探すため社内を歩き回っていました。

そこで出会ったのが、本作の主人公・馬締光也です。

営業部に所属する馬締は、周囲から「真面目だか変わり者」と呼ばれていました。

しかしその一方で、言葉に関して人並み外れた感性を持っていたのです。

彼はその能力を見込まれ、辞書編集部に異動になります。

そして馬締は、個性的な辞書編集部たちとの辞書編集にのめり込んでいくのですーーー。

画像引用元 (Amazon)

本作の見どころは「大渡海」刊行に熱い想いを注ぐ、辞書編集部たちの姿。

一つ一つの言葉の意味をただ解説するだけではなく、その時代に合った内容に変えたり、毎年増えていく新語も加えたり、使用者には気づかれないような細部へのこだわりは感動ものです。

私たちが学生のころに当たり前のように使っていた辞書には、長い年月をかけた辞書編集者たちの小さな努力や辞書への熱い想い、そしてこだわりがたくさん詰め込まれていることに気づかされます。

役者やスタッフの想いが多くの人の心を動かした!

画像引用元 (Amazon)

映画『舟を編む』の主人公・馬締光也を演じるのは、松田龍平です。

真面目すぎるがゆえに、人とうまくコミュニケーションがとれず変人扱いされてしまう馬締の変人っぷりをうまく演じています。

彼と共に「大渡海」の刊行に熱い想いを捧げる、他の辞書編集部のキャストもとても豪華です。

<キャスト一覧>
馬締光也:松田龍平
林香具矢:宮崎あおい
西岡正志:オダギリジョー
岸辺みどり:黒木華
タケ:渡辺美佐子
三好麗美:池脇千鶴
村越局長:鶴見辰吾
佐々木薫:伊佐山ひろ子
松本千恵:八千草薫
荒木公平:小林薫
松本朋佑:加藤剛
宮本慎一郎:宇野祥平
江川:森岡龍
戸川:又吉直樹
小林:斎藤嘉樹
編集者:浪岡一喜
ポスターの女優:麻生久美子

馬締を辞書編集部に引き抜いた、ベテラン編集者の荒木公平を小林薫、荒木と共に辞書編集に情熱を注いできた「大渡海」の監修者で、国語学者でもある松本朋佑を、加藤剛が演じています。

さらに、馬締の同僚で彼を密かに支える西岡をオダギリジョー、馬締がひとめ惚れしてしまう板前美女・林香具矢を宮崎あおい、辞書編集部に異動してきた岸辺を黒木華が好演しました。

ベテランから中堅、若手まで、幅広い役者陣が本作に出演しています。

映画の後半では、芥川賞作家でお笑い芸人ピースの又吉直樹も「大渡海」の装丁デザイナーとして出演しました。

普段見られない、又吉の演技にも注目したいですね。

画像引用元 (Amazon)

監督を務めたのは『川の底からこんにちは』で、第53回ブルーリボン賞監督賞を受賞した石井裕也。

映画界ではまだまだ若手ですが、これまで手掛けてきた作品で数々の賞を受賞している、今注目の監督です。

その他のスタッフ陣も、過去に日本アカデミー賞で最優秀賞を受賞している最高のメンバーばかり。

三省堂や三省堂印刷にも協力をあおり、リアルで地道な、熱のこもったシーンができあがりました。

そんな役者陣、スタッフ陣の作品にかける想いが実り、第37回日本アカデミー賞では、作品、監督、主演男優、脚本、録音、編集で最優秀賞を受賞しています。

言葉が込められている劇中音楽


映画『舟を編む』には、馬締や辞書編集部に寄り添った劇中音楽があります。

音楽を手掛けたのは、作曲家で音楽プロデューサーの渡邊崇。

映画を中心に、CMやドラマ、室内楽コンサート用の楽曲などを手掛けてきました。

2011年に平林勇監督の『663114』でも音楽を担当し、ベルリン国際映画祭で特別表彰されています。

本作の劇中音楽は22曲で構成。それがこちらです。

<曲目一覧>
01.端書き
02.早雲荘の夜
03.大渡海と青春
04.尚書き:軽快
05.はじめてのデート
06. 逡巡
07.馬締夫妻の朝食
08.袖カバーの継承
09.馬締光也のテーマ
10.月夜の香具矢
11.大渡海編纂行進曲
12.噂
13. 走る走る馬締
14.恋の語釈
15.男二人の帰り道
16.新人・岸辺みどり
17. 尚書き:温度
18. 四校の校正
19. 尚書き:行間
20. 辞書作りのテーマ
21. パーティー
22.それから

曲名を一覧で見ると「端書き」や「尚書き」など、辞書編集で見かける言葉が曲名に使われている面白さに気づきます。

辞書編集部の人たちが、物語の中で一つ一つの言葉を丁寧に紡いでいくように、劇中で流れる音楽も心地よいメロディでありながら、音の一つ一つに言葉が込められているような丁寧さを感じます。

ピアノをメインにした最小限の楽器編成で、ストーリーに自然と寄り添っている印象です。

劇中音楽にも注目して映画を観てみると、もっと楽しめるはずですよ。

アニメや漫画にも展開!

本作は小説が原作ですが、映画の他にもアニメや漫画化もされています。

テレビアニメは2016年10月に、フジテレビ「ノイタミナ」枠にて放送されました。

画像引用元 (Amazon)

アニメ放送では、サンリオとコラボしたキャラクター「じしょたんず」が登場。

本編ストーリーの合間に流れるコーナー「教えて!じしょたんず」では、辞書のうんちくや豆情報を解説しています。

漫画も同じ年に『ITAN』で連載が始まり、原作の挿絵を担当した雲田はるこが作画を担当、上下巻で発売中です。


原作の何ともいえない地味で根暗っぽいけど、内には人生を注ぐほどの情熱を持った辞書編集部たちの姿を見事に描いています。

映画を見て気になった方はぜひ、原作と合わせてご覧ください。


TEXT あるこ

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