間違えてばかりの人生
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あぁ ほら また間違えた これで何度? 何回目?
ねえ ほら 塞いでたって ぽっかり浮き出る傷跡
あぁ ほら また誤魔化した 見て見ぬ振り お上手ね
もう ほら 何言われたって 誰もわたしを望まない
≪失敗作少女 歌詞より抜粋≫
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「また間違えた」という少女にとって間違うことは日常茶飯事でした。
間違うことは悪くない、なんて言われることもありますが、少女にとって前向きに捉えることも出来なくなるほどに間違いを繰り返してきたようです。
間違いを繰り返すうちに自信をなくしてまた間違いを増やしてしまう。
そんな負のループを繰り返しているものの表面上は何もないように振舞っています。
しかし、心は確実に磨り減り、「私は誰にも望まれてない」と自己肯定感も下がり精神的に不安定になっているようです。
大きくなっていく自己嫌悪
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わたしって失敗作だって なって いらない子なんだって…
何やったって 頑張ったって 無駄みたいだ
生まれてきた意味が欲しくて
もっともっと自然に 笑えばいいかな…
≪失敗作少女 歌詞より抜粋≫
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何をやっても失敗続きの少女は自己嫌悪で押しつぶされそうになります。
なにをしてもいくら頑張ろうとしても上手くいかず、生まれた意味がない、生きていく希望もないと思うほど絶望していました。
おそらくその少女の精神の不安定さは周囲に悟られてしまうほど大きくなっているのでしょう。
しかし少女は誰かに心配されたいわけでもなく、心配されることで他人に心配をさせてしまった、迷惑をかけたという思いだけが蓄積していきます。
そして「自然に笑えばいいのかな」と心配されまいと気を張った結果、更に追いつめられてしまいます。
少女の見たかった明日
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神様 もしも生まれ変わることが出来たら
愛される子になれますように
泣き止んだ鼓動を子守歌に
間違いだらけに オヤスミナサイ
≪失敗作少女 歌詞より抜粋≫
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少女は生まれ変わり「愛される子」になることを望みます。
「泣き止んだ鼓動」は心臓が止まったことを表しており、自らに追いつめられた果てに自殺を選んだのでしょう。
死の寸前、生まれ変わり次に目覚めたとき新たな人生を歩んでいくときはきっと笑えるはずという願いを込めて「オヤスミナサイ」と目を閉じ少女の人生は幕を閉じました。
間違いから生きていけなくなった少女のどこか悲しさを感じる『失敗作少女』。
実はかいりきベアの同名曲を題材にした小説「マネマネサイコトロピック」に登場する少女、エリスの歌とのこと。
今回は小説の内容を入れない楽曲単体として歌詞の考察をしましたが、小説を読んでみるとエリスの失敗とはなんなのか、知ることが出来て面白いですよ。
興味がある人は小説と合わせて楽しんでみてはいかがでしょうか?
TEXT Noah