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映画「カメラを止めるな!」ゾンビ映画が苦手でも楽しめる?爆発的大ヒットの理由に迫る

新人監督と無名の俳優陣で創り上げた映画『カメラを止めるな!』。自主映画の撮影隊が、ゾンビ映画の撮影中に本物のゾンビに襲われる様子を映したパニック・ムービーです。リピーターが続出した映画『カメラを止めるな!』の魅力を紹介します。
TOP画像引用元 (Amazon)

国民的ブーム襲来!ありそうでなかった誰もが楽しめるゾンビ映画



2017年公開の映画『カメラを止めるな!』は、短編映画で注目される上田慎一郎監督初の長編映画。

監督や俳優養成のサークルである、ENBUゼミナールのシネマプロジェクト第7弾の作品です。

制作費たったの300万という、映画としては破格の低予算が話題となり、注目を集めました。

6日間限定の先行上映で口コミが広がり、レイトショーながら午前中にチケットがソールドアウトする人気ぶりに。

さらに、都内2館のみの公開も好評で、全国公開が始まるとリピーターが続出。

「カメ止め」の愛称で、映画ファンからゾンビ映画が苦手な人まで、幅広い層から高評価を得ました。

ゾンビ映画でありながら、日本中でブームを巻き起こした本作の面白さを、あらすじや見どころからたっぷり紹介します。

ゾンビ映画の撮影隊に迫る恐怖の正体とは

▲映画『カメラを止めるな!』予告編

とある撮影隊が、自主制作のゾンビ映画の撮影のために、山奥の廃墟に集まっていました。

監督を務める日暮隆之は、仕事に厳しく完璧を求める人物。

そのため、思い通りのリアルな演技をしてくれないキャストに、怒りを露わにします。

OKが出ないまま、撮影はとうとう42テイクにまで達し、キャストにも疲労が見え始めていました。

そんな時、撮影隊が次々と本物のゾンビに襲われてしまいます。

しかし、日暮は撮影を止めるどころか、キャストのリアルな表情を追うため、嬉々として撮影を続行。

ゾンビ化した撮影隊から逃げ惑うキャストたちは、様々な方法で何とか逃げ切ろうと必死です。

そして、ゾンビとの戦いが結末を迎えたかに見えた時、彼らの本当の物語が始まります。

無名でもキャストの演技は本物



本作のキャストは13人のみで、オーディションで集めた無名の俳優たちで構成されています。

主人公の日暮隆之役は、濱津隆之が演じました。これまで舞台を中心に活動しており、本作で映画初出演にして初主演を務めています。

日暮の妻で、撮影隊のメイクを担当する晴美役は、しゅはまはるみが演じています。個性の強い役柄を、迫力いっぱいに好演しました。

映画のヒロインの松本逢花役は、秋山ゆずきが演じています。アイドル活動を経て、上田慎一郎監督に女優としての才能を見いだされた注目株です。

ヒロインの恋人の神谷和明役は、長屋和彰が演じています。演技への真面目さゆえに周囲から浮いてしまう役を、絶妙に演じきりました。

日暮夫妻の娘の真央役は、真魚が演じています。映画監督を目指す役どころで、本作の重要なキーを握る人物を豊かに表現しました。

当時、まだ認知度は低かったキャスト陣でしたが、抜群の演技力で多くの人を魅了。

本作をきっかけにドラマや映画での活躍が目覚ましく、今後も注目していきたいですね。

離席NG!最後まで観たら何度も観たくなる中毒性



本作の重要なポイントとなるのが、冒頭から始まる37分もの長回しワンカットです。

あらすじの通り、本物のゾンビから逃げる人と、その光景を撮影する監督という構図で、映像は進んでいきます。

長回しという技法は臨場感が出て観る人を引き付ける一方、キャストとスタッフ全員がセリフや動きを完璧に記憶し、一発で撮影を成功させなければいけません。

そのような難しい方法をあえて用いた本作の冒頭は、ゾンビ映画らしい独特な緊張感があります。

とはいえ、映画好きの人からすればかなり荒削りで、B級ゾンビ映画と呼ぶにも怖さや残酷さが物足りない印象があるでしょう。

そのことが原因で、37分が経つまでに席を立ってしまったという人も少なくありません。

しかし、本作は95分の作品であり、キャッチフレーズは「最後まで席を立つな。この映画は二度はじまる。」です。

長回しのシーンをじっくり観ていると、違和感を覚える箇所がいくつもあります。

その違和感に気付けた人は、そのシーンが終わった後に続く展開をきっと楽しめるはずです。



さらに、ゾンビ映画でありながら、後半のストーリーで多くの人が笑ったということも、本作の不思議な魅力です。

実はコメディ要素が満載で、ゾンビに襲われているシーンさえも、間抜けさに笑いが込み上げてくるでしょう。

映画前半だけでは分からない登場人物たちの人物像が明らかになると、その視野は家族にまで及びます。

撮影隊にも家族がいて、それぞれが様々な思いを抱えながら映画作りをしていることに気付くはずです。

コメディ要素に大いに笑った後は、家族の温かさを感じてほっこりできます。

すべての伏線が回収される緻密なストーリーに驚きと笑いと感動があり、楽しい気分で観終わることができる異色のゾンビ映画です。

主題歌「Keep Rolling」は人気曲をオマージュしたポップなナンバー

▲Keep Rolling (映画『カメラを止めるな!』主題歌) (feat. 山本真由美)


本作の主題歌は、謙遜ラヴァーズと山本真由美のコラボ曲『Keep Rolling』です。

上田慎一郎監督が、幼馴染である謙遜ラヴァーズの鈴木伸宏に主題歌の制作を依頼。

ジャクソン5の「I Want You Back」を意識し、あえて名曲に寄せたオマージュ曲として制作されました。



ポップでキャッチーなメロディが特徴で、思わず体を揺らしてリズムに乗りたくなります。

印象的なフレーズでつづられる歌詞には、思い通りにいかない現実の中でも行動し続けることの大切さが描かれています。

そんな作品と曲のイメージに合う歌唱の女性ボーカルとして、女優の山本真由美が抜擢されました。

キュートな優しい歌声で、前向きな気持ちの込められた歌詞を明るく歌い上げています。

ゾンビ映画とは思えない温かみのあるエンディングとマッチし、さわやかな余韻を与えてくれるでしょう。

ちなみに、タイトルの『Keep Rolling』には、アメリカの映画監督が俳優に向けて「何があっても芝居を止めるな」という意味で使うフレーズだそう。

まさに映画の主題歌にぴったりの楽曲です。

映画「カメラを止めるな!」は日本を代表するゾンビ映画!



社会現象的な大ヒットとなった映画『カメラを止めるな!』は、一般のゾンビ映画とは一風異なるストーリーと手法で、ゾンビ映画が苦手な人でも楽しめる作品です。

映し出された映画撮影の現場を通して、映画をはじめとするものづくりにかける思いを学ぶことができます。

たとえ壁にぶつかるとしても、好きなものへのひたむきな姿勢があれば、様々な形で成功に繋がると確信が持てるでしょう。

映画冒頭のみで、観るのをやめてしまうのはもったいない傑作映画です。

ゾンビをメインに掲げながらも、コメディ映画として家族で楽しめる映画『カメラを止めるな!』を観て、新しい映画の形に触れてみてください。


TEXT MarSali

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