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優里「かごめ」の歌詞が衝撃的!なのに泣けるのはなぜ?

路上ライブとSNSの両方で人気を得ている優里が、2020年2月に『かごめ』を配信リリースしました。衝撃的な歌詞で話題を集めている『かごめ』に込められたメッセージについて考えていきたいと思います。

鋭い言葉の連続

▲優里「かごめ」Official Music Video

SNSを中心に次世代アーティストが増えている昨今。

そのなかでも路上ライブとSNSの両方で話題となったのが、シンガーソングライターの優里です。

路上ライブをメインに活動をしている彼が注目を集めたきっかけは、ひとつの偶然から始まります。

路上ライブでMY FIRST STORYの『花 -0714-』を歌っていたある日、メンバーの1人であるボーカルのHiroが偶然通りかかり、演奏に飛び入り参加。

その様子を収めた動画がSNSで拡散され話題となりました。

さらにはこの出会いをきっかけに、さいたまスーパーアリーナで行われたツアーファイナルで共演を果たします。

路上ライブでの夢のような偶然の出会いから、その後TikTokでの弾き語りカバーで人気急上昇となりました。

そんな彼が2019年2月にデジタルシングル『かごめ』を配信しました。

USENインディーズランキング週間1位を獲得し、YouTubeの再生回数は100万回を超えています。

鋭い言葉が連続する『かごめ』には、一体どのような意味が込められているのでしょうか。


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誰かが死んでもね
イラつくくらいでした
乱れたダイヤに舌打ちして
溜息をついた
≪かごめ 歌詞より抜粋≫
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思わずドキリとした方も多いのではないでしょうか。

人身事故によるダイヤの乱れは珍しいことではありません。

おそらく多くの人が「またか」と思い、なかには「人身事故のせいで遅れた」と舌打ちをする人もいるでしょう。

「人の死への無関心さ」がストレートな言葉で描かれています。

しかし舌打ちをしていた「他人の死」が一変し「身近な人の死」であったことを知ります。

大事なのは自分という皮肉


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軋んだ身体が叫ぶ声に
耳も傾けずににべもなし(酷く無愛想)
愛する人だけ守れりゃ良い
他人を蹴落とせどこれが正義など
なんと小さき人でしょうか
≪かごめ 歌詞より抜粋≫
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他人に無関心な人々の様子が描かれています。

自分の大切な人だけ守れば他人はどうでもいい、という現代を痛烈に批判しているかのようです。

MVでも道端に倒れる男性を気にもとめず、人々が通り過ぎる内容になっています。


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貴方が死んでもね
悲しむ以外なくて
非力を正当化するだけの
脳みそが恨めしい
≪かごめ 歌詞より抜粋≫
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「貴方」が死んでも悲しむことしか出来ません。

「貴方」から出ていたかもしれないSOSに気づけなかった自分や助けることが出来なかった自分。

何も出来なかった「自分」を責めてしまう、もどかしさや自責の念が表れているようです。

「後ろの正面だあれ」は誰?


「かごめ かごめ」は歌詞に2度登場し、曲のタイトルにもなっています。

目隠しをした鬼の周りを輪になって囲み、歌の終わる頃に鬼の真後ろにいる子を当てる遊びです。小さい頃に遊んだという方も多いのではないでしょうか。

この「かごめ かごめ」は歌詞のなかで、自分を責めているような場面で登場します。


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拳に刺さるこの鏡じゃ
痛みも足りない
かごめ かごめ
後ろの正面だあれ
≪かごめ 歌詞より抜粋≫
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黄色い線の外で懺悔を繰り返した
綺麗なものを見かける度
黒く澱んでく
かごめ かごめ
後ろの正面だあれ
≪かごめ 歌詞より抜粋≫
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「後ろの正面だあれ」は自分の真後ろにいるため、その姿を見ることはできません。

ここで「僕」の心情をみてみましょう。

どんなに鏡を殴っても死んだ貴方の痛みには足りず、黄色い線の外側でどれだけ懺悔をしても心が黒く澱んだ気分でしょう。

そんな苦しさや悲しさに、もがきながら「僕」はもしかしたら死を考えているのかもしれません。

このことから「僕」の後ろにいる姿の見えないものは「死」を意味しているとも考えられますね。

実は希望を歌っていた


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俺が生きてるこの世界じゃ見向きもされない
飛び込んだとしても誰も悲しまぬなら
俺は俺らしく生きてやろう
泥水の中で
高く高く
飛べたらいいな
≪かごめ 歌詞より抜粋≫
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他人に無関心な世の中で、どうせ自分には見向きもしないからと投げやりな感情が剥き出しになっています。

しかし意外にも続く言葉は「俺は俺らしく生きてやろう」という前向きな言葉です。

衝撃的な言葉が続いていましたが、この部分で一気に光が差し込みます。

他人に無関心で自分の声が届かない世の中で、それでも生きたいと思わせる「希望」の歌なのではないでしょうか。

「後ろの正面」にいる誰かを「死」と考えたとき、まとわりつく「死」を「希望」に変えて生きていく決意の現れと言えるかもしれません。

上っ面だけではない心の叫びを言葉にしているからこそ、わたしたちの心に響きます。

『かごめ』は悩んでいる人や辛い思いをしている人を救う、救世主のような曲かもしれませんね。


TEXT サトイ モノコ

千葉県幕張出身 あらゆる楽曲を、“優里の世界”として歌いこなす力強い歌声を持つシンガーソングライター。 2019年6月、Instagram、Twitter、TikTokへの歌唱動画投稿をはじめ、その歌唱動画がSNSやYouTube で拡散され注目を集める。 2019年12月1日配信の『かくれんぼ』が配信サイトで上位に続···

この特集へのレビュー

そのほか

エリック

2021/12/13 23:02

読みながら 泣けてきた
いやいやこの曲切ないとは思ったけど
そこまでだったとは、、
ゾッとするほど悲しい(・-・)

女性

ua

2021/11/18 18:10

たまたま見つけた「かごめ」

聞いてて苦しくて叫びたくて
泣けてきて。

でも聴いた後はスッキリしました。

男性

Mitsu家

2021/05/30 21:04

私のファーストインプレッションは、かごめかごめはいじめを表し、うしろの正面に立つ人物こそが自殺に追いやった張本人ではないのかと…
ここでの推察は、私ほどいき過ぎず捉えているので気持ちが少し抑えられました
しかし、優里さんのお心が胸にしみます…

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