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「抱きしめたい」Mr.Children初期のヒット曲に込められたメッセージとは?

国民的人気を誇るバンドMr.Childrenの初期の名曲として名高い『抱きしめたい』。シンプルな歌詞と胸を打つメロディが長きにわたり愛され続けています。この記事ではそんな名曲の歌詞に注目し、独自の視点で意味やメッセージを徹底解説します。

情景が目に浮かぶ美しい描写


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出会った日と同じように
霧雨けむる 静かな夜
目を閉じれば 浮かんでくる
あの日のままの二人
≪抱きしめたい 歌詞より抜粋≫
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こんな一節で始まるのが「ミスチル」の愛称で国民的知名度を誇るバンドMr.Childrenの『抱きしめたい』です。

▲Mr.Children 「抱きしめたい」 MUSIC VIDEO

ボーカル・桜井和寿ののびやかな歌声とともに胸を打つような歌詞が話題を呼びました。

歌い出しを飾るのは、まるでそのまま目に浮かんでくるような繊細な描写で描かれた情景。

「霧雨」が一面を煙のように覆う「静かな夜」の様子が、情感あふれるメロディとともに乗せられていきます。

そんな風景の中で歌詞の主人公が思い出すのは「出会った日」。

二人はおそらく恋人同士なのでしょう。

出会いがあった大切な日と同じように、たちこめる霧雨の風景は、彼にとっては心の底から美しいものに映ったことでしょう。

主人公は、その時の様子を鮮明に覚えているようです。

「目を閉じれば浮かんでくる」という表現が、歌詞をもとに情景を思い浮かべる聴き手の様子とリンクし、この上ない没入感をもたらしています。

些細な毎日も二人の「思い出」


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人波で溢れた街のショウウィンドウ
見とれた君が ふいに つまずいた その時
受け止めた 両手のぬくもりが 今でも
≪抱きしめたい 歌詞より抜粋≫
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二人の思い出はさらに続きます。

お出かけの様子でしょうか。

静かな雰囲気の夜から一変して「人波で溢れた街」の風景が描かれます。

ここでは「出会った日」の静けさとの対比を生むことで、二人が過ごした時間の流れや思い出の数の多さを聴き手に想起させるような歌詞の構造になっていますね。

「ショウウィンドウ」に気を取られてつまづいてしまった「君」。

そんな「君」を優しく抱いて受け止めた時の手の感触や暖かさが、主人公の心には記憶とともに鮮明に残り続けています。

一見、些細な出来事に見えるこんな記憶の一つ一つも幸せな二人にとっては大切な「思い出」。

日常に起こるどんなことも、キラキラ輝く「思い出」に変えてしまう「愛」のパワーに気づかされるような歌詞ですね。

「愛」が持つ本当のパワー


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抱きしめたい 溢れるほどの
想いが こぼれてしまう前に
二人だけの 夢を胸に 歩いてゆこう
終わった恋の心の傷跡は 僕にあずけて
≪抱きしめたい 歌詞より抜粋≫
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耳に残るキャッチーなメロディとともに歌われるサビ。

「抱きしめたい」という純度の高い真っ直ぐな思いが届けられます。

どうしようもなく正直な「愛」の気持ちを抱えた主人公は、その想いを「溢れるほど」であると表現しています。

相手のことを大切に思うほど、たまらなく好きでしょうがなくなってしまう。そんな経験をしたことがある人もきっと多いのではないでしょうか。

誰しもが覚えのある「好き」の力強さを思い起こさせ、ともに寄り添うようなサビの力強さには思わず感動してしまいますね。

そして紡がれるのは「傷跡」に対する想い。

人は誰しもが心に様々な傷を抱えているものです。どんなに消し去ろうと頑張っても、なかなかうまくはいかないもの。

「君」も同じように抱える「終わった恋の傷跡」に対して、主人公は「僕に預けて」と優しい言葉を投げかけています。

二人が進む道の先にあるのは、まさに「二人だけの夢」。


どんな小さな出来事も、まるで魔法のように宝石に変えてしまうパワーを持った二人にとって過去の「傷跡」は、もはや不要なものです。

ただ共に時間を過ごすだけではなく、お互いの目を明るい未来へと向けさせる。

そんな素敵な原動力が「愛」には、込められているのかもしれませんね。


TEXT ヨギ イチロウ

1992年ミニアルバム「EVERYTHING」でデビュー。 1994年シングル「innocent world」で第36回日本レコード大賞、2004年シングル「Sign」で第46回日本レコード大賞を受賞。 「Tomorrow never knows」「名もなき詩」「終わりなき旅」「しるし」「足音 〜Be Strong」など数々の大ヒット・シングル···

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