バニラみたいに溶けていく感情を詰め込んだ一曲
ハスキーで甘い声が魅力のアーティストmeiと、Rin音などにも楽曲提供を行っている音楽家Henrii。二人がタッグを組んで制作されたアルバム『バニラコテージ』が6月1日にリリースされました。
「バニラみたく溶けていく感情を音楽のコテージにぱんぱんに詰め込みました!」とmei自身が称するように、「バニラコテージ」に収録されている楽曲には喜怒哀楽だけでなく、様々に溶け合う複雑な感情の揺れ動きが丁寧に描かれています。
「バニラコテージ」の収録曲である『クリームソーダとシャンデリア(feat.ねんね)』は、歌ってみたでも活躍する話題のシンガーねんねとのコラボ楽曲です。
Henriiの軽快なビートの中で、meiのセクシーな声とねんねのキュートな声が溶け合う楽曲。
タイトルにも登場する「クリームソーダ」が意味するものとは?
二人のシンガーの掛け合いが、恋する男女の駆け引きをポップに描くこの曲の魅力を歌詞から紐解いていきます。
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S.U.N.day 外は晴れなのに返信待ってだらだらin the bed
用は無いから2度も送れない
もうちょっと寝ておこう おっおー
≪クリームソーダとシャンデリア (feat.ねんね) 歌詞より抜粋≫
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冒頭のmeiのパートでは、好きな子にメールを送ったけれどなかなか返信が返ってこない、というストーリーが思い浮かびます。
休日で外は晴れているのに、清々しい外の世界に反して自分はだらだらと返信を待ちながらモヤモヤしてしまう…なんて状況に共感できる人もいるのではないでしょうか?
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まだ思わせぶりな態度で未だ惑わせてるのは
あなたの事もっと知りたいだけよ本当
先の見えない駆け引きで....!!!
≪クリームソーダとシャンデリア (feat.ねんね) 歌詞より抜粋≫
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続くねんねのパートでは、メールを受け取った女の子側の心情が描かれています。
すぐに返信せずに焦らしてしまう恋心は、きっとどの世代にも響くフレーズなのかもしれません。
ラブソングの金字塔である、YUIのCHE.R.RYでも
「返事はすぐにしちゃダメだって 誰かに聞いたことあるけど」
というフレーズがありますよね。
ツールが電話からメールに、メールからSNSに変わったとしても、恋する乙女のもどかしい気持ちは変わらないものなのではないでしょうか?
『クリームソーダとシャンデリア(feat.ねんね)』は、オートチューンなどを用いた近代的でポップな曲調でありながら、王道のラブストーリーを描いた楽曲でもあるのです。
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クリームソーダとシャンデリア
溶けるバニラ 今隣で見惚れた
不意をついて確かめたい
下手な嘘で誤魔化しては
クリームソーダにシャンデリア
溶けるバニラ 君に気づいて欲しい
あからさまに目を惹いて本当の事言えたらいいのに
≪クリームソーダとシャンデリア (feat.ねんね) 歌詞より抜粋≫
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サビの歌詞からは二人の思いが少しずつ近付きながらも、なかなか触れ合わないもどかしさが感じられます。
「溶けるバニラ」というフレーズは、クリームソーダの中にゆらゆらと溶け落ちる、甘くて冷たいバニラアイスと、見惚れた君を重ね合わせた表現にも読み取ることができます。
君に見惚れている様子と、君に気付いてほしい恋心がズレながらも絶妙に溶け合おうとする予感を感じさせる歌詞ですね。
じれったい駆け引きの先にあるのは…
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なんかないかって
きっかけより探しちゃってんのは言い訳
使い慣れないセリフを並べてドラマヒロインなんかを演じてる
今日も最低で最高なBad day
ばってんなんて丸に変えてく
大概間違い まじ問題ない
もう興味がない...でも会いたい
≪クリームソーダとシャンデリア (feat.ねんね) 歌詞より抜粋≫
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2番では、二人の想いがさらに大きくなっているように感じられます。
meiのパートでは、君の仕草や言葉に振り回されていることを分かっていながら、それでも君のことが好きで仕方ないという葛藤が描かれています。
また、恋心を鮮やかに表現しながらも「Bad day」「ばってん」や「大概間違い」「問題ない」「興味がない」「会いたい」といったように立て続けに韻を踏んでくるスキルもmeiの魅力の一つです。
心臓の鼓動が徐々に高まるように、リズミカルなライミングは二人の恋心に結びつくようにも感じられます。
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まだ話し足りないフリをして、あなた本当バカなのね
私は待ってるのに、どうして気づかないのよ
クリームソーダとシャンデリア
溶けるバニラ まだ話していたいな
青い鳥を見てないで わざとらしく誤魔化しては
クリームソーダとシャンデリア
溶けるバニラまだ知らないフリかよ
教えて明日の予定
今度こそは....!!!!!
≪クリームソーダとシャンデリア (feat.ねんね) 歌詞より抜粋≫
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なかなか踏み出せない君にヤキモキしている女心。
一見イライラしているようにも思える言葉の終わりは、それだけ大きな感情を抱いて待っていることの裏返しとも言えるかもしれません。
そんな女心を持て余す私と、気付いてくれない君。
会話を引き伸ばして、まだ一緒にいたい。それよりも早く決定的な言葉が欲しい。乙女心に起因する、そんな葛藤が想像できます。
バニラアイスはとっくに解けているのに、とはつまり「私の気持ちはとっくに君に向いているのに」という熱っぽい甘い感情が伺えます。
明日の予定がないのなら、今晩を一緒に過ごせるのなら…
先に続くストーリーが気になりますね。
「クリームソーダ」が意味するものとは?
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いつまでも君がいない事なんて分かってる
そろそろ時間かもね
月も見え出したから
≪クリームソーダとシャンデリア (feat.ねんね) 歌詞より抜粋≫
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meiが歌うこのパートでは、ようやく心を決めた心情が見えてきます。
この歌詞では「月」と「バニラアイス」のイメージが重なって聴こえ、明るい月が夜空に溶け込んでいく様子は、ソーダに溶け落ちるバニラの様子を彷彿とさせます。
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クリームソーダとシャンデリア
好きな気持ち打ち明けるためにはさ
笑う顔も隠してて
あと3秒後目が合いそうだから
≪クリームソーダとシャンデリア (feat.ねんね) 歌詞より抜粋≫
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これまで決定的な言葉を口にせずに引き伸ばしてきた時間。それを終わらせるように、真剣な眼差しで君からの言葉を待つシーンが思い浮かぶ。
ねんねが歌うこのパートは、そんな二人の恋が大きく動き出す予感で溢れています。
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クリームソーダとシャンデリア
あなたと私は結ばれるのかな?
2人同時に目が合うその時
溶けたバニラ♪
≪クリームソーダとシャンデリア (feat.ねんね) 歌詞より抜粋≫
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二人同時に目が合うときにバニラが溶ける。
このフレーズから、これまで描かれてきた「クリームソーダ」が何を表していたのかがわかります。
ねんねが歌う女の子の感情がバニラアイスなのだとしたら、meiが歌う男の子の感情はソーダの比喩なのではないでしょうか?
二人が触れ合ってゆっくりと溶け合っていく様子をクリームソーダで喩えた『クリームソーダとシャンデリア(feat.ねんね)』は、ソーダのようにポップで疾走感のあるHenriiのビートに乗せて、meiとねんねの二人のコントラストが描く甘いラブストーリーが魅力の楽曲です。
聴いているだけでキュンキュンしてしまう『クリームソーダとシャンデリア(feat.ねんね)』。
実は、この曲の歌詞はmei自身が作詞しています。
meiが描くストーリーが気になった方は、6月1日にリリースされたアルバム「バニラコテージ」を聴いてみてはいかがでしょうか?
『クリームソーダとシャンデリア(feat.ねんね)』で見られた甘いmeiだけでなく、様々なストーリーに出会うことができますよ。
TEXT DĀ