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原作は人気ゲーム!「ポケモン」初のハリウッド実写化
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見た目はキュート、中身はおっさん。だけど愛くるしい魅力を持ったピカチュウに魅了される映画『名探偵ピカチュウ』。
ポケモンと人間が共存する街「ライムシティ」を舞台に繰り広げられるミステリー・アドベンチャー作品です。
原作は、2016年に発売されたニンテンドー3DSのゲーム『名探偵ピカチュウ』で、内容もゲームのストーリーをベースにアレンジを加えながら進んでいきます。
世界的人気を誇る「ポケモン」初のハリウッド進出の実写映画で、興行収入は全米で4.3億ドル、日本では30億円の大ヒットとなりました。
金曜ロードショーの視聴率は11.8%を記録し、注目のヒット映画といえます。
そんな本作の魅力をじっくりご紹介しましょう。
映画「名探偵ピカチュウ」のあらすじ
主人公は、幼い頃大好きだったポケモンから離れてしまった青年のティム。
父親のハリーは、ポケモンに関わる事件の捜査で行方不明。
それを知った日から父とポケモンのことを遠ざけていた彼に、父の同僚ヨシダ警部補から「父が交通事故で亡くなった」と連絡が入ります。
遺品整理のため、ライムシティにある父の家を訪れた主人公の前に現れたのは、父のパートナーポケモン・ピカチュウでした。
ピカチュウは父親の死体がないことや自分が生き残っていることを理由に、彼が生きていると信じており、一緒に事故の真相を探ることを提案します。
父の失踪を独自に追っているTV局の新人記者ルーシーにも協力してもらい、主人公達は彼女が知りたがっていた、ポケモンを凶暴化させるガスについて調べることにしました。
父はどこにいるのか、何故行方不明になったのか。ポケモンを凶暴化させるガスの正体とそれを利用する悪人とは。
点と点が線で結ばれるように浮かびあがってくる事件の真相とスピード感あふれる展開、大迫力の映像に最後まで目を離せませんよ。
リアルと融合したポケモン達が愛らしい!
『名探偵ピカチュウ』の見どころは、実写の世界にうまく融合させた、表情豊かなポケモン達。
実写とCGの馴染みがとても自然で、ポケモンと共存する世界観が上手に表現できていましたね。
本当に生きているような自然な質感とリアルな表情。映画を観ていて相棒のポケモンが欲しくなった人も多いのではないでしょうか。
ポケモンが一緒にいる生活の楽しさが伝わり、リアルとファンタジーが融合した世界観にワクワクが止まりません。
登場ポケモンは、全54種類。
初代作『ポケットモンスター赤・緑』から記憶に新しい『ポケットモンスターソード・シールド』まで、7世代のポケモンから選りすぐりのメンバーが集合しています。
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愛らしいポケモン達を見ていると、映画の主人公と同じようにポケモンが大好きだった頃の感覚をもう一度取り戻すことができるでしょう。
また、アニメ版のオマージュも満載で「ポケモン愛」にあふれたシーンや演出を細部までじっくり堪能してみてくださいね。
ポケモンへの愛情が伝わる繊細な演技に注目!
監督は『シャーク・テイル』『モンスターVSエイリアン』の有名作品を世に輩出したロブ・レターマンです。ピカチュウの声を演じるのは『デッドプール』で主役を演じたライアン・レイノルズ。
声だけでなく、ピカチュウの生き生きした表情を可能にしたのは、フェイシャルキャプチャーとモーションキャプチャー。
彼の表情や動きをピカチュウにトレースしたことで、愛嬌あふれるピカチュウを誕生させました。
ジャスティス・スミス演じる主人公のティムは、ピカチュウや他のポケモンとのシーンが一番多い役どころ。
ポケモン達の言葉に反応し、会話する演技や寄り添う姿を自然に、繊細に演じました。
ピカチュウを心配するまなざし、言葉が伝わらなくても気持ちでポケモンと繋がろうとする意志がしっかり感じ取れ、心優しい彼に感情移入せずにはいられません。
そのリアルな演技を可能にさせたのが、人知れず活躍していたスタッフにありました。
ポケモンを俳優陣にイメージさせるため、緑のスーツを着たスタッフがポケモンの動きを細かく表現していたそうです。
その動きからイメージを膨らませ、ポケモンと深い絆で結ばれた関係を表現できる、俳優陣の演技力の高さに脱帽です。
出演俳優たちはポケモン世代。小学生時代はアニメやゲームでポケモンに夢中になっていたといいます。
ポケモンが大好きだからこそ、彼らの愛情がまっすぐ心に伝わってくるのでしょうね。
そんなポケモンを想う主人公の表情にも注目してご覧ください。
吹き替え版も魅力的!
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日本語吹き替え版の声優陣の演技も見物です。
ピカチュウを演じるのは、俳優の西島秀俊。
『デッドプール』の吹き替え版声優に寄せた声色と、コロコロ変わる表情に合った声の使い分けを上手に演じました。
おじさんなのに愛嬌たっぷり。観ていくうちにそのギャップに違和感を感じなくなりますよ。
主人公のティムを人気俳優の竹内涼真が務めました。
主演俳優の表情、主人公の心情に寄り添う演技で観客を魅了させました。
また、彼は序盤にポケモントレーナー役でチラッと登場します。彼の存在感あふれるワンシーンにも注目です。
彼と一緒に事件解明に挑むTV局新人記者ルーシーを演じたのは、女優・飯豊まりえ。
真理を追究するまっすぐなルーシーを、可愛さと賢さを併せ持った声で見事に演じています。
また、アニメ『ポケットモンスター』の声優陣が多数出演中。
ルーシーが勤めるTV局の社長であるロジャー・クリフォード役にコジロウ役の三木眞一郎。
ミュウツーのいた研究所の研究員であるアン・ローラン博士をムサシ役の林原めぐみ、主人公の祖母役にニャースを演じた犬山イヌコが担当しました。
さらに、プリン、フシギダネ、ゼニガメ、コダック、キモリなどTVアニメに登場したポケモンは、アニメと同じ声優を起用。
過去のTVアニメを観たことのある人は、懐かしい気持ちに浸ることができますよ。
吹き替え・実写それぞれに魅力がありますので、見比べながらご覧ください。
出会いと絆が自分を強くする!「Carry On」
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映画『名探偵ピカチュウ』を代表する楽曲をふたつ紹介しましょう。
エンディングテーマとして最初に流れた楽曲『Carry On』を手がけたのは、カイゴとリタ・オラ。
この楽曲は、大切な人と一緒にいたいピュアな歌詞が、心をゆさぶるトロピカルハウスナンバー。
美しい歌声とカイゴの爽やかなメロディーが癒してくれる楽曲です。
寂寞感あふれるイントロ、流れるようなリズムを刻む美しい歌声から心を掴まれますよ。
タイトルの『Carry On』は「続ける」という意味で、歌詞の主人公が大切なパートナーとともに歩み続けたい気持ちが歌詞となってあふれ出ています。
出会いと交流を通して変わっていく自分の心の変化、頼れるパートナーになっていく姿がひしひしと伝わってきませんか?
まるで、ピカチュウと主人公の強固に結ばれていく絆を連想させますね。
映画と楽曲を通して、他者との出会いによってともに生き、自分をアップデートさせることがとても大切だと教えてくれます。
中毒性抜群シビれる主題歌「Electricity feat. Lil Uzi Vert」
エンディングテーマの最後にかかる曲は、HONEST BOYZ®が歌う『Electricity feat. Lil Uzi Vert』。三代目J Soul BrothersのNAOTO、m-floのVERBAL、デザイナーでTAKOYAKI BOYZの音楽プロデューサー・NIGO、EXILEの関口メンディーがMANDY名義で参加。
名だたるアーティストが勢揃いした精鋭のヒップホップグループです。
この曲は、グラミー賞11冠に輝いたファレル・ウィリアムスがプロデュース。
全米チャートNo.1ラッパー、リル・ウージー・ヴァートが客演し、全世界で主題歌として使われたことで話題になりました。
『Electricity feat. Lil Uzi Vert』は、弾むようなラップとエレクトリカルなサウンドが聴いていてクセになる、楽しい楽曲。
随所にかけ声が入っていて、聴いているだけでノリノリになれますよ。
歌詞も、多彩な属性や生息環境の違うポケモンの世界観がしっかり伝わってきます。
ラストの「夢なら覚めないで」は、楽しかった映画が終わることへの名残惜しい気持ちを代弁していて、言葉選びが巧いです。
おっさんピカチュウらしいキュートでクセになるメロディーと歌詞が魅力的。映画のワクワク感が詰まったエンディングテーマですね。
ファン必見!胸アツスタッフロール
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スタッフロールもファン必見です。
ゲーム「ポケットモンスター赤緑」のテーマソングとともに、白黒ドット絵で描かれたリザードンとピカチュウのバトルがスタート。
イラストで描かれたポケモンがコミックから飛び出し、次々に登場する躍動感あふれる映像となっています。
登場人物も、ゲームやコミカライズ版と同じタッチのキャラクターデザインでパートナーポケモンと一緒に描かれていて、ファンにとって胸アツです。
ラストは、勢いあふれる映像をモンスターボールにしまい込み、ゲットしたところで終えるポケモン好きならテンションが上がる演出となっています。
「ポケモン」愛にあふれた実写版に相応しい最高のスタッフロールをお見逃しなく。
観たら君もポケモン好きに!続編に期待
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パートナーポケモンと人間の絆に魅了され、スリリングなアクションと解き明かされていくミステリーが楽しい映画『名探偵ピカチュウ』。
随所にアニメやゲームシリーズへのリスペクトと愛情が感じられる、魅力的な実写映画となりました。
原作ゲームは、Nintendo Switch向けに続編を製作中だとか。
映画とは違う結末をたどる完結編になる予定で、どんなストーリーになるのか期待したいですね。
映画『名探偵ピカチュウ』は、ポケモンから離れていた人も、初めての人も、昔から大好きな人も、観ればポケモンへの愛と情熱が一気に高まります。
ぜひこの映画を観て、生き生きしたポケモン達の姿を堪能してみてください。
TEXT Asakura Mika