大阪☆春夏秋冬のYUNA(ユウナ)です。
Urock!52回目になりました。大雨といえば、今月のテーマ『海』からの水蒸気が、熱せられた上昇気流とともに雲の上まで吹き上げられ、氷になった雨粒が衝突し、雷になるそうです。
予期せぬ落雷は、時として痛ましい感電事故を起こすことがあります。
少し遠回りではありますが、『海』から起こる雷のように、人々を音楽で感電させていく魅力を持つアーティスト、米津玄師さんの最新曲。
今週はドラマ『MIU404』の主題歌でもある「感電」について書いていきます。
米津玄師「感電」
今回紹介していく楽曲は、綾野剛さんと星野源さんのダブル主演ドラマ『MIU404』の主題歌です。私も毎週楽しみにしているドラマの1つ。書き下ろし曲という事もあり、今回はドラマとリンクする部分も多くなってくるかと思いますので簡単なあらすじを。
ドラマは、警視庁の働き方改革の一環で作られたという架空の設定の臨時部隊「警視庁刑事部・第4機動捜査隊」が舞台になっています。
綾野剛さんが演じるのは、機動力と運動神経はピカイチだが機捜経験がなく、刑事の常識にも欠ける伊吹藍(いぶき・あい)。
星野源さんが演じるのは、常に先回り思考で道理を見極める観察眼と社交力に長けているものの、自分も他人も信用しない理性的な刑事、志摩一未(しま・かずみ)。
伊吹と志摩がバディを組み、街中で勃発する各事案に対し、24時間で出来うる限り対処するのが彼らの仕事であり、その中で沢山の展開が起きていくという話になっています。
ドラマとの‟関連性”
そして米津玄師さんが見ている‟世の中”
この2つがどのように‟感電”されていくのでしょうか。
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逃げ出したい夜の往来 行方は未だ不明
回り回って虚しくって 困っちゃったワンワンワン
失ったつもりもないが 何か足りない気分
ちょっと変にハイになって 吹かし込んだ四輪車
≪感電 歌詞より抜粋≫
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‟逃げ出したい夜の往来 行方は未だ不明”というのはドラマでの、機動捜査隊が夜中に動き出している様子が思い出されます。
手がかりが少ない中で、張り込みを続けて犯人を追うというのは、常に手持ち無沙汰な状態で困ったもんですよね。
歌詞の最後に引っ付いてきている、‟困っちゃったワンワン”というのは、刑事ドラマの関連で童謡「犬のおまわりさん」を示しているのかと思います。
こういった緊迫感のあるドラマの中にある遊び心が本当に魅力的なんですよね。
ドラマ内の人柄だけでなく、演じてる綾野剛さんや星野源さんの魅力まで感じられるというのがたまりません。
そしてこのドラマにはいろんな四輪車が出てきます。
張り込みする車やメロンパン屋のワゴンに、犯人が学生を誘拐した時に使っていた代車など。
ただ、これは私の勝手な関連付けで、もしかしたら今後もいろんな種類の四輪車がでてくるのではないか!?という今後の期待ですが(笑)。
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兄弟よ如何かしよう もう何も考えない様
銀河系の外れへと さようなら
真実も 道徳も 動作しないイカれた夜でも
僕ら手を叩いて笑い合う
誰にも知られないまま
≪感電 歌詞より抜粋≫
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兄弟というのは志摩と伊吹の関係を指しているのかと思います。イカれたような夜に笑い合える兄弟や相棒の存在。
正直、羨ましいです。
私自身が一人っ子なので、兄弟に持つ感情というのが全く想像できない出来ないんですよね。
相棒と言い切れるような存在の人もいませんし、メンバーは家族のような存在ですが家族ではないし、親は兄弟とも違うでしょうし。
ですが、そういった人達を救ってくれるのが米津さんなんです。‟誰にも知られないまま”という歌詞。
相棒というのは他人じゃなくて、自分自身でもいいんじゃないですかね。
例え自分をコントロール出来なくなったとしても、そんな自分はいくらでも笑ってやればいいんです。
誰にも知られないままに。
そう言ってくれている気がして今日も夜を越せそうです。
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たった一瞬の このきらめきを
食べ尽くそう二人で くたばるまで
そして幸運を 僕らに祈りを
まだ行こう 誰も追いつけない くらいのスピードで
稲妻の様に生きていたいだけ
お前はどうしたい? 返事はいらない
≪感電 歌詞より抜粋≫
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私が米津玄師さんの音楽に出会ったのは、4年前くらいにたまたま『アイネクライネ』のMVを見たのがきっかけでした。
米津さんの魅力に惹かれたのも、たった一瞬のもので。
それこそまさにこの曲を聴いて、曲の魅力や音楽の楽しみを感じたり、現実逃避できている時間を‟きらめき”と感じているその瞬間こそが、感電しているその一瞬なのではないでしょうか。
そんな時間を存分に味わえば(食べ尽くせば)、光のような速さで進んでいけるんだというメッセージが伝わってきます。
AメロBメロの歌詞は少し外の世界を見がちだった印象ですが、サビではドンっと心強いパワーを感じます。
ドラマでは、言葉を交わさずとも以心伝心(感電)できるバディこそが真実を掴んで事件を解決し、たくさんの幸運を降り注いでくれる存在になっていくのでしょう。
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それは心臓を 刹那に揺らすもの
追いかけた途端に 見失っちゃうの
きっと永遠が どっかにあるんだと
明後日を 探し回るのも 悪くはないでしょう
お前がどっかに消えた朝より
こんな夜の方が まだましさ
≪感電 歌詞より抜粋≫
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追いかけた途端に見失うものといえば、私は‟愛”が一番に思い浮かびました。
追いかけているという事はその先にあるものの矢印は自分の方向を向いていない事になりますよね。
海の波なんてずっと追っかけているようなものです。水が揺れて波が起きなければ追いかける事も見失う事もないのに。
‟お前がどっかに消えた朝”というのは、ドラマのどこかで伏線があるんじゃないか!?と少し期待してしまいます。
突然伊吹がどこかへ消えてしまうんじゃないかって。
正論と暴論の分類さえ出来なくなってしまった世の中で、どうやって愛を育み人への信頼を置いていけるのか?というのが大きなテーマになっているかと思います。
それを解決した時に起きる感電こそが、人間が以心伝心出来た瞬間なのではないでしょうか。
どうでしたでしょうか。
人生においてかなり難しいテーマではありますし、みなさんが過ごす日々も波のある毎日だとは思いますが、この曲が持つ多くの魅力や世の中に与える影響をより一層理解しつつ、今後のドラマ展開も楽しみにしていたいと思います。
このコラムへの感想でもいいですし、曲で感じた魅力やドラマでの感想など、よかったらレビューに書き込んでください。
お待ちしています。
ではまた。
You rock!
しゅかしゅん LIVE INFO
【リリース】●2020年7月29日リリース予定
ニュー・アルバム『BRAVE SOULS』
▷全曲配信中!
この記事を書いた人
YUNA(ユウナ)
1999年5月26日生まれ(双子座 /A型/一人っ子)
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ハチ名義でボカロシーンを席巻し、2012年本名の米津玄師としての活動を開始。 2018年、TBS金曜ドラマ「アンナチュラル」の主題歌として「Lemon」を書き下ろし“ミリオン”セールスを記録。 「第96回ドラマアカデミー賞」にて最優秀ドラマソング賞を受賞。日本レコード協会にて史上最速の300万DL···