夏らしい爽やかな一曲が登場!
若い世代を中心に大人気の3ピースバンド『Saucy Dog』。
ボーカルの石原慎也が紡ぎ出す繊細な歌詞、そして楽曲で歌われる胸が疼くような恋物語が魅力的なバンドです。
そんな彼らがこの夏にリリースしたのが、『シーグラス』という楽曲。
疾走感溢れる爽やかなメロディーが、甘酸っぱい恋について歌っているようで切ない内容の失恋ソング。
早速歌詞をチェックしていきましょう。
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あのね、海岸線 憶えてる?はじまりはそこから
猫被って黙ったまま海を眺めていたんだ
≪シーグラス 歌詞より抜粋≫
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冒頭は恋人と思われる人への問いかけから始まります。
「猫被って」という歌詞が、付き合いたての初々しい2人の姿を連想させますね。
この後も幸せな描写がしばらく続くので、普通のラブソングのように感じる人も多いかもしれません。
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君のうなじに見つけたアルビノ
白く透き通った窓のよう
ある日の欠伸と綺麗な横顔
ある日の欠伸と綺麗な横顔
ふたりで見上げたアルミ格子の
吹き抜けとすじ雲
瞼を閉じたままで理由なんかは無くていいよ
カーテンの隙間から差し込んだ朝が
≪シーグラス 歌詞より抜粋≫
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休日の朝でしょうか?
起きると隣に恋人がいる。
カーテン越しに見えるのは青空。
でもそんな晴れ間を横目にうとうとと二度寝をしてしまう…。
とても幸せなひと時のようですね。
何気ない日常の描写ですが、恋人の温もりや一緒にいる時間を大切に思っている気持ちが伝わってきます。
しかし、続くサビではやや暗雲が立ち込めます。
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カーテンの隙間から差し込んだ朝が
眩しすぎて瞑った瞳 そのまま眠りに落ちて
夢現 微かに聞こえる寝息さえも
愛しくて 儚いね 忘れたくない事が多過ぎて
胸の中大切に仕舞っておくよ、ずっと
このまま
≪シーグラス 歌詞より抜粋≫
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これからも一緒にいるなら、あえて言わなくてもいいようなことですよね。
この後何が待ち受けているのでしょうか?
今日でサヨナラ・・・
2番でも引き続き幸せそうなシーンが歌われています。
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寝ぼけたままでシーツに包まるミノムシ
拗ねた顔も愛しい
昼過ぎの朝飯の後は海へ行こう
近づく潮風 ベタついた手と手
髪の毛はパサパサ
そんなの気にしないのも君らしいね
波止めの上の君を 落ちない様に握った手
危なげな横顔に 何故か胸がつまる
≪シーグラス 歌詞より抜粋≫
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だらだらとお昼過ぎまで寝て、遅めの朝ごはん。
その後海に行くなんて、充実した休日を過ごしていますよね。
「手と手」というフレーズからは、2人が手を繋ぐ様子も伺えます。
しかし、無邪気に歩く彼女を見て、彼は胸が苦しくなっている様子。
何故なのでしょうか。
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風を切って羽ばたいて見せる 無邪気な君を見上げて
あの日から今日までを思い返しているけど
なんだか 儚いね 忘れたくない事が多すぎて
胸の中大切に仕舞っておくよ、ずっと
サヨナラ
≪シーグラス 歌詞より抜粋≫
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こちらはサビの歌詞。
最後の1行に胸のざわつきの答えがあります。
どうやら2人は今日で別れてしまうようです。
このサビの歌詞をもとに考えると、これまでの描写は別れる当日の様子を表していたのでしょう。
彼女のことを忘れないよう心に焼き付けようとする想いが、寝息や些細な動作など細かい描写になって表れているのかもしれませんね。
「この幸せな朝も今日で最後」
そんな思いがこもっているとするならば、幸せそうな描写も切なく感じられます。
思い出はいつまでも心に
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〝あのね、海岸線 憶えてる?はじまりはそこから
猫被って懐かしいね、全部大切なの〟
でもね、私たち今日まででお別れ。またいつかね。
夕日の影 君は最後 どんな顔してた?
≪シーグラス 歌詞より抜粋≫
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ここで冒頭と似たような問いかけが出てきます。
「“」でくくられていることから、実際に口にした言葉であると考えられます。
冒頭の部分はくくられていないので、もしかしたら彼が思ったことと彼女が口にした言葉が同じだったのかもしれませんね。
最後の1行からは時間が夕方になっており、夕焼けがきれいな様子が分かります。
影で顔が見えないという描写も切なさを増幅させますね。
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「じゃあね」これからふたり別々を歩むけど
喧嘩した日々すらも薄れてしまうくらいにさ
≪シーグラス 歌詞より抜粋≫
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2行目は何だか途中で打ち切られたような言い回しです。
何か言葉が隠されているようにも思えますね。
「いい思い出だったね」
「お互い頑張ろうね」
「もっといい人見つけてね」
実際のところはわかりませんが、どの結末でも胸が切なさでいっぱいになるでしょう。
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何度も振り返る君と 最後の海を重ねて
幸せな日々だけを思い出してしまうんだ
愛しくて〝儚いね〟忘れたくない事が多過ぎて
胸の中大切に仕舞っておくよ、ずっと
このまま
≪シーグラス 歌詞より抜粋≫
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こちらは先ほどの歌詞に続く最後のサビ。
「何度も振り返る君」という歌詞を見ると、彼女もまだ未練があるのではないかと思ってしまいますよね。
でもきっと、2人にしかわからない何かがあるのでしょう。
もう一緒にいることはできないようです。
それでも、一緒に過ごした日々はかけがえのない思い出。
その儚さを感じつつも、彼は彼女と過ごした日々の記憶を大切に胸にしまっておくことに決めたようですね。
内容はとても悲しい失恋ソングですが、綺麗な物語です。
皆さんもじっくり聴きながら、いろいろなストーリーを想像してみてくださいね。
TEXT ゆとりーな