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King Gnu「小さな惑星」から読み解くメッセージとは?

新世代を駆け抜け、唯一無二のサウンドを鳴らすミクスチャーバンドKing Gnu。1月に発売された3rdアルバム「CEREMONY」の収録曲『小さな惑星』の歌詞から、その曲に込められているメッセージを読み解いていきます。

疾走感あるメロディと独自の世界観


『小さな惑星』は、Honda VEZEL新CM「PLAY VEZEL 昼夜」篇のCMソングに起用されました。

走っている車のような、疾走感のあるメロディと洗練されたサウンド。

アップテンポな曲なのに聴き心地がよく、一度聴いたら忘れられないメロディー。

そんなKing Gnuが描く独自の世界観から『小さな惑星』に込められているメッセージを、独自の目線から読み解いていきます。

今日もまたいつもの日常が始まる


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ずっと夢を見ていたいのに
決まった時間に今日も
叩き起こされるんだ
≪小さな惑星 歌詞より抜粋≫
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今日もまたいつもの日常が始まるのでしょう。

心地よく夢を見ている時ほど、そのままずっと寝ていたいですよね。

決まった時間に叩き起こされるというのは社会や学校、誰かに縛られた生活をしているのでしょう。

まさしく私たちのせわしない日常でもありますよね。


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大きな欠伸くらい許してよ
酸素が足りずに今日も
産声をあげているんだ
≪小さな惑星 歌詞より抜粋≫
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あくびをすることは、いつもの日常に退屈しているのでしょう。

いつも決まった時間に起こされ、誰かに縛られた生活はとても退屈で窮屈さがあります。

本来あくびとは眠気を指す言葉として使われますが、ここでは日常に刺激が足らず退屈さを感じてあくびをしているようです。

つまり、主人公は大きなあくびをするくらいいつもの日常に退屈しているのではないでしょうか?

あくびにより日常に刺激が足りないことを自分自身に伝えているのかもしれませんね。

小さな惑星で見つけたもの


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小さな惑星の
いつもの街角の
何気ない陽だまりの中で
≪小さな惑星 歌詞より抜粋≫
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地球は惑星のひとつでもあります。

ここでは「小さな惑星」と描かれているので、自分の住んでいる場所をそう呼んでいるのでしょう。

いつもの街角も何気ない陽だまりも特別なことではなく、日々の日常のことを意味しているのではないでしょうか?

主人公はその日々の日常で何かを見つけたようです。


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凍った愛が静かに溶け出したんだ
街から仄かに春の匂いがした
結局何処へも行けやしない僕らは
冬の風に思わずくしゃみをした
≪小さな惑星 歌詞より抜粋≫
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何か温かいものが触れたことにより、凍ったものが溶けていく。

凍った愛が溶けるということは、誰かのあたたかな気持ちに触れたのでしょう。

春は希望が溢れる季節であるため、自分の中に希望が生まれたことにより、春の匂いがほのかにしたのかもしれませんね。

また、それは日々の日常の退屈さを救ってくれたものなのでしょう。

自分のやりたいことを見つけた時は、ワクワクして夢が膨らんでいきますよね。

でもすぐにそんなことできるはずないと諦め、現実に戻ってしまいがちです。

主人公たちも同じように、結局何処にも行くことができないと思い、現実に戻ったのでしょう。

せっかく日々の退屈さを抜け出すものを見つけたのに、実現させることを諦めてしまったのかもしれません。

自由を求める私たち


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鳥たちは無心で飛んでゆく
ただただ空の青に
魅せられてしまったのか
≪小さな惑星 歌詞より抜粋≫
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鳥は何も考えずに空を自由自在に飛び、自分の好きなところへと行きます。

制限もなく、制御されるものもありません。

そんな私たち人間は鳥とは正反対。

自由自在にどこかへ行くことはできず、好きなことだけをすることもできません。

人間の生活には、制限と制御が付きものです。

そんな自由自在に飛び回る鳥を、羨ましいと感じます。

主人公は「自由」を求めているのかもしれません。

自分が自由をも求めているからこそ、自由に飛び回る鳥たちと空の青さがとても綺麗に思えて、見惚れてしまったのでしょう。

「小さな惑星」に込められたメッセージ


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同じ夢を見たんだ
在り来たりな夢だったと
あなたがふっと笑うから
≪小さな惑星 歌詞より抜粋≫
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主人公はまた誰かと一緒にいるようです。

おそらく1番のサビ前で出会った人でしょう。

そんな2人は同じ夢を見ているようです。

ありきたりな夢ということは、特別なものではなく多くの人が抱くような夢だったのでしょう。

多くの人が望む夢でありきたりであるものは、「自由」な気もしますよね。


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凍った愛がみるみる溶け出したんだ
心の奥底に春の風が吹いた
次第に綻びボロが出てきたとして
まあそれも別にいいかと
くしゃみをして笑い合うのさ
≪小さな惑星 歌詞より抜粋≫
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今度はさっきとは違い、急スピードで凍った愛が溶け出しています。

仲間と出会ったことで大きな希望が見え、自由になれる何かが見つかったのでしょう。

そのおかげでいつもの退屈な日常から解放されたのかもしれません。

今回は諦めることをせずにだんだんボロが出てきても、そはそれでいいと受けとめています。

このボロとは手段や方法がないことを表しているのでしょう。

手段や方法がないから何かを諦めたことがある人は、多いのではないでしょうか?

それに対して、ここではやりたいことに対しての手段や方法がなくても、ただ自分たちのやりたいことをやればいいと。

「自由に自分の好きなことをしなよ」というメッセージのようにも感じられるでしょう。

またいつもの日常が始まる。


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決まった時間に今日も
叩き起こされるんだ
大きな欠伸くらい許してよ
酸素が足りずに今日も
産声をあげているんだ
≪小さな惑星 歌詞より抜粋≫
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冒頭に出てきた歌詞がまたもう一度出てきました。

主人公はまたいつもの日常に戻ったのでしょう。

そして、また今日も退屈な日常を抜け出すための刺激を探しています。

いつもの日常に戻ったようですが、今度は冒頭とは違いどこか希望を抱いて前向きになっているようにも感じられます。

車は自由にどこまでも自分の好きなように走ることができ、制限はありません。

そんな私たちも本当は、自由に好きなところへ行けるのではないでしょうか?

そんな自由を制限しているのは、当たり前のように繰り返される日常や自分自身なのでしょう。

小さい世界にとらわれずに『小さな惑星』を聴いて、自由に自分の好きなところへ行ってみてはいかがでしょうか?


TEXT 萌依

東京藝術大学出身で独自の活動を展開するクリエイター常田大希が2015年にSrv.Vinciという名前で活動を開始。 その後、メンバーチェンジを経て、常田大希(Guitar/Vocal)、勢喜遊(Drums/Sampler)、新井和輝(Bass.)、井口理(Vocal/Keyboard)の4名体制へ。 SXSW2017、Japan Nite US Tour ···

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