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映画「初恋」三池崇史初のラブストーリー!歌舞伎町を巡る壮絶な一夜の物語

バイオレンス映画の巨匠三池崇史監督初のロマンス映画『初恋』。余命宣告を受けた天才ボクサーが偶然出会った少女を守るため、共に一夜の逃避行を決行するラブストーリーです。海外の映画界でも絶賛された本作の魅力を紹介します。

三池ワールド炸裂!バイオレンスな世界に輝く純愛ラブストーリー


2020年公開の映画『初恋 -FIRST LOVE-』は、数々のバイオレンス映画を打ち出してきた三池崇史監督によるオリジナル作品です。

三池作品らしい危険な香りをまといつつも、初の愛をテーマにしたラブストーリーに仕上がっています。

その意外な内容により、日本のファンからは驚きの声が続出。

さらにカンヌ国際映画祭やトロント国際映画祭をはじめ、世界各国の映画祭で注目され、その圧倒的な世界観が高く評価されました。

新たな三池作品の代表作となり得る本作のあらすじや見どころを紹介します。

偶然の出会いを果たした孤独な男女の逃避行

▲映画『初恋』予告

天才的な才能を持つ天涯孤独のボクサー、葛城レオはある日の試合で負けるはずのない格下の選手にKO負けを喫してしまいます。

そして、診察を受けた病院で、腫瘍により余命わずかであることが判明。

予想外の事実に衝撃を受けたまま街を歩いていると、少女が男たちに追われているところに遭遇します。

男を拳で一発KOさせ、モニカと名乗るこの少女を助けたレオでしたが、倒した男は大伴という刑事でした。

大伴はヤクザの加瀬と共に、組織の麻薬を横取りしようとしており、父親に借金を背負わされているモニカをその計画に利用するために追いかけていたのです。

レオは孤独なモニカに同情し、共にヤクザと大伴から逃げることに。

一方、モニカと麻薬が同時に消え、管理を任されていた組員のヤスが遺体として見つかり、組内は騒然とします。

出所したばかりの組長の権藤は、これらの事件が敵対しているチャイニーズマフィアの仕業であると断定し、復讐を目論みます。

ヤスの恋人であるジュリも、自身の手で復讐するために機会を窺っていました。

対するチャイニーズマフィアのフーも、モニカと麻薬の後を追って動き出します。

ヤクザとチャイニーズマフィア、悪徳刑事も加えた三つ巴に巻き込まれた2人の、歌舞伎町を駆け巡る一夜の逃避行を描くラブストーリーです。

豪華キャストの怪演は必見!

▲映画『初恋』キャラクター動画 ALL

本作は日本映画界を支える実力派俳優陣が集結し、圧倒されるような演技のぶつかり合いが楽しめます。

主演を務める窪田正孝は、天才ボクサーという役どころで引き締まった肉体美を披露。

それだけでなく、余命わずかの不安感を抱えながらも、モニカを守るために必死になる姿に魅了されるでしょう。

ヒロインは、3000人が集まったオーディションの中から選ばれた小西桜子が演じました。

本作まで本格的な演技経験はなかったそうですが、不幸のどん底で逃げることしかできなかった少女の内面の変化を繊細に演じ、注目されました。

もちろん、ストーリーを支えるアウトローの面々も超豪華。

内野聖陽、大森南朋、染谷将太、段釣豪など、それぞれ立場の異なる役柄で強烈な存在感を見せつけています。

ベッキーや藤岡麻美といった女優陣の迫真の演技で女性たちのキャラクターも際立っていて、より男性たちの魅力を底上げしています。

内面をさらけ出すようなキャストの怪演に注目してくださいね。

様々な愛が詰まった多彩なストーリー


本作の魅力は、三池作品ならではの迫力あるストーリーと人の描き方にあります。

華やかな歌舞伎町を舞台に繰り広げられるのは、麻薬絡みのヤクザのいざこざや、チャイニーズマフィアとの抗争。

社会の闇の部分に真っ向から切り込みながらも、ほとんどすべての登場人物が悪人なのにどこか憎めない雰囲気があります。

それは、登場人物たちがただの大勢の悪人としてでなく、人間味ある1人の人物として丁寧に描かれているからでしょう。

躊躇なく命を奪う一方で義理人情に厚い一面がある組長や、緊迫した状況の中で間の抜けた行動を取ってしまう加瀬。

そんな多種多様なキャラクターがいるにも関わらず、それぞれの思いや感情がしっかり描かれているため、感情移入しやすいでしょう。

たった一夜の物語をハラハラする展開で豊かに表現すると共に、随所でくすっと笑えるポイントも用意され、三池崇史監督が持つ人間や映画への愛を感じられます。


そして最大の見どころは、逃避行の中で芽生えるレオとモニカの純愛です。

互いに孤独で愛を受けてこなかった2人が、死の危機を瀕して本当の愛を知っていく様子が美しく映し出されています。

映画のラストを観れば、タイトルの意味を考えさせられるでしょう。

激しい命のやり取りの中で淡い想いを育む空気感のギャップが、深く心に残る映画です。

「初恋 FIRST LOVE」はヒリヒリする空気感に引き込まれるテーマ曲

▲初恋 FIRST LOVE

本作の音楽を担当したのは、多くの三池作品で音楽を手がけてきた遠藤浩二

映画の様々なシーンを音楽で盛り上げ、本作の味わいある世界観の形成に一役買っています。

主題歌『初恋 FIRST LOVE』は、映画内に流れる空気感を音楽で感じられる1曲です。

印象的なのは、アボリジニに伝わる金管楽器であるディジュリドゥの独特な深みのある音色。

そこに突き抜けるようなトランペットと、ドラムの繊細かつ激しいサウンドが組み合わされた、ジャズ風の音楽となっています。

リズム感の良いムードあるメロディに、緊張感のある音が加わる爽快さが癖になりますよ。

「初恋」は人生を凝縮したヒューマンドラマ!


三池崇史監督と窪田正孝がタッグを組んだ映画『初恋』は、迫力のある展開の中にも、観る人が共感できる要素が散りばめられた作品です。

登場人物たちはほとんどがアウトローですが、恋をしたり、仲間を大切に思ったり、失敗したりと、とても人間らしい一面を持っています。

血生臭い命のやり取りの中にも、笑いや愛という美しいものがそこら中に見つかるでしょう。

その様子は、誰もが経験する濃密な人生の縮図とも言えるかもしれません。

本作の恐ろしいのに美しい世界観に浸ってみてください。


TEXT MarSali

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