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「空白ごっこ」ネクストブレイクが期待される次世代音楽ユニット

人気ボカロPによる作曲陣と、存在感のある歌声が特徴のVo.セツコからなる・『空白ごっこ』。動画共有サイトを拠点に活動をする彼らはインターネットを中心に話題を集め、ネクストブレイクの期待が高まっています。この記事では、そんな彼らの魅力に迫ります。

「空白ごっこ」はバンド?シンガー?

画像引用元 (Amazon)

『空白ごっこ』は2020年末に突如登場した、インターネットを中心に活動する音楽ユニットで、そのメンバーは人気ボカロPであるkoyori(電ポルP)、針原翼(はりーP)とVo.セツコの3名で構成されています。

「独りんぼエンビィー」や「心象カスケード」などダークな雰囲気の楽曲を生み出してきたkoyori(電ポルP)と、「夢よ未来へ」「TODAY THE FUTURE」など明るく希望を歌った楽曲を手がけてきた針原翼(はりーP)。

この二人のタッグはすぐさまボカロファンの注目を集め、インターネット音楽シーンの枠を超える活動が期待されています。

彼らが支持を集めているのは、単にネームバリューのあるボカロPが新しい活動を始めたからではなく、彼らの作る楽曲が強い説得力を持っているからです。

透き通る美しい歌声にも関わらず、聴く者の心に直接語りかけるような力強さも持ち合わせるVo.セツコと、キャリアのある制作陣が作る作品は、若者の心に溜まった言葉にならない感情を鮮明に描き出しています。

彼らの楽曲は現在CD販売はされておらず、配信限定でリリースされています。

2名の作曲者によって広がる音楽性の幅

『空白ごっこ』は4つの楽曲を発表していますが、そのうち2曲ずつを各作曲者が担当しており、現時点ではkoyoriと針原翼の2名による共同作品はありません。

koyoriは作曲に加えて作詞も担当しており、針原翼作曲の楽曲にはセツコが詞を書いています。

彼らが手掛ける作品はどちらもセツコの歌声を生かした勢いのあるエネルギーが込められていますが、その特性は異なります。

koyoriの作品は暗い雰囲気を纏っており、特徴的なメロディの抑揚や癖のある語感で聴く者を魅了します。

対して針原翼の楽曲は、美しいメロディとピアノの旋律が特徴でとめどなく溢れてくる感情を想起させます。

2人の異なる作曲者がそれぞれの持ち味を生かして『空白ごっこ』の音楽を形作っているのです。

今後の彼らの活動と、共同作曲作品の登場にも期待が高まります。

「空白ごっこ」の楽曲を全曲紹介!

現在空白ごっこが発表している全4曲を紹介します。全ての楽曲がYouTubeで公開中なので、この記事を参考に楽曲を聴いてみてくださいね。

「なつ」

▲空白ごっこ - なつ(Music Video)


『なつ』は針原翼作曲の『空白ごっこ』第一作目にあたる楽曲です。

公開されたPVは、映像クリエイターの逢坂(aisaka)が手掛けたことでも話題を呼びました。

きらめくピアノが彩りを加えたロックなバンドサウンドと、若者の不信感や焦燥をテーマにした歌詞とそれを全力で叫ぶ歌は、少し憂鬱な淡い初夏の香りを漂わせています。

歌詞の世界観をより一層引き立てる、心のざわめきを急き立てるようなテンポ感が妙に心地良いです。

どの季節に聴いても夏を感じることができる一曲となっています。

「リルビィ」

▲空白ごっこ - リルビィ(Music Video)


『リルビィ』はkoyoriが作詞・作曲を担当した鋭さを持ったクールな楽曲です。
イラストレーター・アニメーション作家の壇上大空が手掛けたアニメPVは、空白ごっこの中でも一番の再生回数を誇っています。

作曲者であるkoyoriが作詞を担当しているということもあり、この楽曲は癖になるメロディとリズム感の強い音遊びが特徴です。

サウンドは針原翼楽曲と同様にバンドサウンドを基盤にしつつも、強いビート感と印象的なギターリフが前面に出ており、インターネット音楽シーンを象徴するような楽曲に仕上がっています。

また、日本語と英語を交えた歌詞も特徴で、一聴すればリズムに乗った語感が重要視されていることがわかるでしょう。

「雨」

▲空白ごっこ - 雨(Music Video)


針原翼作曲の『雨』は、「『なつ』の続きのような楽曲」とVo.セツコは語っています。

その言葉が表すように、PVは逢坂が手掛け『なつ』出演モデル・あーちゃんも引き続き参加しています。

バンドサウンドの中で光るピアノの旋律も健在で、『なつ』のイメージを引き継いでいます。しかし、サウンド・歌共に激しさを増した楽曲は『空白ごっこ』の魅力をさらに深めた印象です。

心に秘めた言葉にならない感情を吐き出すように歌った声は、ガラスのような鋭さを持っており、メッセージ性は不明瞭ながら共感させられる説得力を持っています。

「だぶんにんげん」

▲空白ごっこ - だぶんにんげん(Music Video)


koyoriが作詞作曲を務める最新作『だぶんにんげん』。

こちらもPV制作は前作と同様、壇上大空が手掛けています。

針原翼楽曲はそれぞれが繋がりのある作品でしたが、koyoriが手掛ける2曲はテーマもサウンドも全く違います。

『リルビィ』が都会的なイメージを持っていたのに対して、この楽曲が持つのは「和」のイメージです。

ボカロ曲の中には千本桜に代表される「和」のテイストを持った楽曲ジャンルが存在します。

ですが、これらの特徴は古い言葉のように聞こえる単語で構成される歌詞と、古風なイメージのメロディで、その多くは「イメージ上での大正浪漫」を意識して描かれています。

この楽曲も同じように、古風な言葉とメロディが使われているのが特徴で『空白ごっこ』の音楽がボカロ曲の上に成り立っていることを感じさせます。

大正浪漫的な楽曲が好きな人に特にオススメの楽曲です。

「空白ごっこ」の今後の活動に注目!

インターネット音楽シーン発のユニット『空白ごっこ』の活動は、まだ始まったばかりです。

2名の作曲者の持ち味とセツコの心に刺さる歌声を生かした新世代のアーティストは活動の幅を広げていくでしょう。

現状ではライブ情報などは一切ありませんが、ネットから出て活動をする可能性も十分にあります。

最新曲のリリースなど、彼らの躍進を見逃さないために情報をチェックしましょう!


TEXT 富本A吉

心に刺さる切ない歌声が特徴のVo.セツコが歌唱し、何もないけど何かある「空(くう)」の世界観を「心」に例えて、その精神世界で遊ぶ(ごっこする)ことをコンセプトにした音楽ユニット。 エモーショナルなヴォーカル「セツコ」をボカロPとしても有名な「koyori」「針原翼」が楽曲を制作している···

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