素直になれなかった「僕」の葛藤
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浮かれた気分のステップ
鼻歌まじりでご機嫌
街は日差しのスクリーン
君と久しぶりのランデブー
ずっと会いたかったけど
素直になれなかったんだ
先に連絡しちゃったら
僕の負けみたいじゃないか
≪I see... 歌詞より抜粋≫
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『I see…』の主人公は「君」に片想い中の「僕」。
「君と久しぶりのランデブー」の朝は、街もどこか日差しに照らされてキラキラと輝いて見えているようです。
少し浮かれた日に見る情景の煌めきが想像できる歌詞ですね。
なんと言ってもこの日は「僕」が勇気を出して「君」を誘ったことで、実現出来た1日なのです。
この素晴らしいランデブーに漕ぎ着けるまでには「僕」の中で大きな感情の衝突がありました。
そんな気持ちを歌ったのがBメロ部分で表現されています。
「ずっと会いたかったけど素直になれなかったんだ」
好きな相手に純粋な感情をぶつけることは、極めて難しいことです。
片想いをする「僕」は、いわゆる恋の駆け引きと言われる気持ちの探り合いに頭を悩ませていたようです。
特に「先に連絡しちゃったら僕の負けみたいじゃないか」という歌詞には、プライドやいらない意地が邪魔をして連絡が出来ない本音が描かれています。
恋愛に勝ち負けはないと分かっていても、心のどこかで自分から動くのは恥ずかしい、負けた気がするという思いがあるのでしょう。
「僕」は、そんな葛藤の中で答えを見つけていくのです。
この恋に「大事なこと」は一つだけ
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I see どうでもいい WOW WOW WOW
突然 思ったんだ Yeah Yeah Yeah
I see そんなこと WOW WOW WOW
まるで関係ないね
(意地なんか貼ってちゃ)もったいない
(自分の気持ちに)素直になろう
大事なのは 一つだけ WOW WOW WOW
君のことが好きだ
≪I see... 歌詞より抜粋≫
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「I see」は「なるほど」「そういうことか!」といったことを表す英単語です。
よって「I see… どうでもいい」という歌詞は、まさに主人公の「僕」が立ち止まっていた恋の駆け引きに対する答えが見つかったことを表しています。
つまり「そんなことどうでもいい」「まるで関係ない」が答えなのです。
今まで意地を張って一歩踏み出さなかった「僕」ですが、そのままでは想いが伝わることなどありません。
「自分の気持ちに素直になろう」という歌詞は、邪魔をしていた様々な壁を一気に壊してくれるような、背中を押してくれる言葉だと思います。
「大事なのは一つだけ 君のことが好きだ」
自ら連絡するきっかけも、遊びに誘う理由も意味もいらないのです。
難しいことを考えるよりも「君のことが好きだ」というシンプルな想いを行動に出していくことが、明日の自分を変えてくれる第一歩だということが伝わってくる歌詞ですね。
一歩進んで見た景色
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水たまりなんかジャンプ
何だってできそうな気がする
空に愛情の雲行き
もう少しで手が届きそう
≪I see... 歌詞より抜粋≫
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一歩踏み出した「僕」は「君」と少しずつ距離を縮めていきます。
「空に愛情の雲行き」という歌詞からは「好き」というシンプルな気持ちが「愛情」という深い感情へと変わっていくようなイメージが浮かびます。
「もう少しで手が届きそう」な所まで来たからこそ「何だってできそうな気がする」くらいの自信を得ることが出来たのだと思います。
そして、この距離感であればきっと「僕」の胸の高鳴りが「君」にも伝わっているはずですから、この先も順調に進めていけることでしょう。
自分らしく、素直になろう!
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No side 馬鹿馬鹿しい WOW WOW WOW
ようやく わかったんだ Yeah Yeah Yeah
No side 考えすぎ WOW WOW WOW
僕は僕じゃないか
≪I see... 歌詞より抜粋≫
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「No side」は、主にラグビーの試合等で使われる「試合終了」を表す言葉です。
勝ち負けを気にして自分の気持ちを表現できない「僕」でしたが、恋愛は元々勝敗をつけるゲームではありません。
そんな考えこそ「馬鹿馬鹿しい」のです。
試合ではないからこそルールも反則も存在しません。
「僕は僕」だからこそ、自分のやり方で感情を伝えていけば良いのです。
そう気づけたからこそ「僕」は自分らしさを見つけ「君」との関係を大きく進めることに成功したのだと思います。
このように『I see…』は素直になることの大切さを伝えている1曲となっています。
恋愛は試合ではありませんが、時間に限りがあるという点では共通していると思います。
今を逃したら一生後悔するかもしれない。
そんな気持ちで相手と向き合えば、いつか心のより深い部分で通ずることが出来るのかもしれませんね。
そしてこの曲は、楽曲と共にメンバーの初々しいダンスや爽やかな笑顔も話題となっています。
今後も乃木坂46、4期生の活躍から目が離せません。
TEXT もりしま