「おおかみこどもの雨と雪」とは!
2012年7月21日に公開された映画『おおかみこどもの雨と雪』は、細田守監督の立ち上げたスタジオ地図の第1作目となった作品です。
細田守監督と言えば、「時をかける少女」「サマーウォーズ」「バケモノの子」などで有名ですよね。
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映画『おおかみこどもの雨と雪』は、母と子の13年間を描いた物語。
親子の絆を繊細に描く、心温まるファンタジー長編アニメーションです。
細田守監督自身が原作を書き、「私が好きになった人は、“おおかみおとこ”でした」をキャッチコピーに制作されました。
作品としての評価も高く「日本アカデミー賞・最優秀アニメーション作品賞」「文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞」など、数多くの映画賞を獲得しました。
また、その人気は国内だけに留まりません。
「シッチェス・カタロニア国際映画祭アニメーション部門・最優秀長編作品賞」「ニューヨーク国際児童映画祭長編観客賞」を獲得するなど、海外からも高い評価を受けています。
切なく優しい、母と子の物語…
天涯孤独の花はある日、大学でミステリアスな彼と出会います。
彼はこの大学の学生ではなく、ばれないようにこっそりと授業を受けていたのです。
互いに惹かれ合い、恋をする二人。
しかし、実は彼は純粋な人間ではありませんでした。
絶滅したはずのニホンオオカミの末裔の、おおかみおとこだったのです。
それでも彼を愛し、受け入れることを選んだ花と彼は一緒に暮らし始め、子供を授かりました。
そして無事に姉の雪が、翌年には弟の雨が生まれました。
しかしその翌日、突然彼が姿を消してしまったのです。
雨の中探し回った花は、オオカミの姿の彼が川で亡くなっているところを見つけました。
おおかみこどもの雨と雪を一人で育てることになった花は、人間としてもオオカミとしても生きやすいように、田舎の村へと引っ越します。
花に愛され、大自然の中で健やかに成長していく雨と雪。
しかし2人は、オオカミとして生きるか、人間として生きるかの選択を迫られます。
優しさと切なさと…
劇場版アニメ『おおかみこどもの雨と雪』は、母・花の愛と、それぞれに悩みながら自分の生きる道を選ぶおおかみこどもの2人、それぞれの人生を描いた作品です。
花はどんな困難からも逃げず、いつもまっすぐに向き合います。
雨と雪が、人間と狼、そのどちらの道を選んでも、こどもが選んだ人生として、きっと母親として受け入れるつもりだったのでしょう。
大変な状況でも笑顔を忘れず、立派に子供を育て上げる花の姿が胸に迫ります。
葛藤しながら成長していくおおかみこどもの姿には、胸が締め付けられるでしょう。
ファンタジー要素と現実社会が混じりあった、今作品。
怖いイメージのある「狼男」を美しい親子の物語に昇華させた、細田監督の世界観は素晴らしいですよね。
『おおかみこどもの雨と雪』は、子どもの視点で観るか、親の視点で観るかで、全く違った感じ方ができる作品です。