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King Gnu「ユーモア」が描く人生の中でユーモアになるものとは?

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唯一無二のサウンドを鳴らし、圧倒的な存在感を見せているミクスチャーバンドKing Gnu。1月に発売された3rdアルバムCEREMONYに収録されている『ユーモア』から、人生の中にあるユーモアについて読み解いていきます。

「ユーモア」とは?


井口理のハイトーンで優しい歌声で始まり、途中から合わせあう常田大希の低く色気のある歌声。

そして繰り返される歌詞とリズムがとても特徴的で、King Gnuの楽曲の中でも一際オシャレさを感じさせる『ユーモア』。

この曲はロマンシングサガリ・ユニバースのCMソングに起用されました。

歌詞には時間軸が存在し、それぞれの時間に感じた様子が描かれています。

ユーモアとは「人の心をなごませるようなおかしみ。上品で笑いを誘うシャレ」という意味。

ですが、この曲には笑いを誘うよな歌詞や表現はまったくありません。

一体「ユーモア」がこの曲ではどういう意味を表しているのでしょうか?

「ユーモア」が描くそれぞれの時間の様子


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ひらりこの夜を踊るんだ
なんだかんだで上手く行く
気がしてきた午前一時
≪ユーモア 歌詞より抜粋≫
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『ユーモア』には3つの時間軸が存在します。

まず初めは午前一時の様子です。

午前一時というのは多くの人が寝静まっている頃で、街も静かになります。

主人公は夜更かしをしているのでしょう。

「ひらりこの夜を踊るんだ」というのは実際にダンスをするのではなく、夜を楽しむことを意味しているのではないでしょうか。

そんな午前一時はどこかうまく行くような気がしています。


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のらりくらりと踊るんだ
なんだかんだで憂鬱が
影を落とした午前二時
≪ユーモア 歌詞より抜粋≫
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次に午前二時の様子。

午前一時の様子とは一変し、憂鬱な気分になっているようです。

自分の中にあるモヤモヤしたことを思い出したり、嫌なことを思い出したのかもしれません。

夜が深まっていくにつれついつい物事を深く考えてしまい、夜はなんだか暗い気持ちになりやすいですよね。

午前二時は自分の中の憂鬱が自分にあらわれたようです。


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きらりこの世を踊るんだ
なんだかんだで上手く行く
気がしている午前三時
≪ユーモア 歌詞より抜粋≫
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最後に午前三時の様子です。

さっきの憂鬱な気分がなくなり、午前一時と同じくうまくいく気がしているようです。

どこか心がスッキリしているような気もします。

上手くいくような気がしたり憂鬱な気分になったりと、この短時間で主人公には一体何があったのでしょう?

内容をより深く見ていきましょう。

自分は自分にしかなれない。


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呼吸を拒めなくたって
その両足で立って叫んで
得体の知れない欲望が
小さな体を蝕んだ
≪ユーモア 歌詞より抜粋≫
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人間にはいろいろな欲があり、自分で分かる欲もあれば分からない欲もある。

その中でも得体の知れない欲が、主人公の体を蝕んでいったのでしょう。

つまり、自分が何に対して悩んでいるのかが自分自身で分かっていないのかもしれません。

悩みの原因が分からないからこそ、ムシャクシャし叫んだのでしょう。


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背伸びしたってアヒルはアヒルか
空の蒼さを眺めているんだ
こんな夜は聞き慣れた
歌でも聞きたいな
≪ユーモア 歌詞より抜粋≫
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アヒルは鳥の中でも飛べない鳥であり、どんなに頑張って飛ぼうとしても飛ぶことはできず、アヒルはアヒルになることはできませんよね。

そんな私たちはついつい自分にないものを欲しがったり、他人の持っているものが欲しくなったりしてしまいます。

つまり、自分は自分でしかなく、自分以外にはなることができないということ。

他の誰かになることや自分にないものを欲しがることは、いい意味であきらめることが大切です。

悩みの原因は自分以外の誰かになろうとしたり、他の誰かのものを欲しがることなのかもしれません。

ここで主人公は自分以外の誰かになろうとしていたけど、なれないことに気付いたのでしょう。

人生何事も自分のユーモアになる。


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始まりと終わりはつむじ風
いつだって唐突に揺さぶられ
耐え忍ぶ時は永遠に感じられ
まあそれも今じゃ御一興
≪ユーモア 歌詞より抜粋≫
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どんな出来事もつむじ風のように突然起こり、私たちを大きく揺さぶってきます。

つらいことや苦しいことなどを耐えている時というのはいつ終わるか分からず永遠のように感じますよね。

またふとした時に悩みが生まれたりします。

ですが、そんなつらいことや悩みなどは後に振り返ってみるとちょっとしたおもしろみに変わっていきます。

過去にあったつらいことや悩みなど当時は苦しかったけど、今では笑い話になる。

つまり、自分が人生の中で経験してきたとこはどんな出来事でも、自分の中のひとつのユーモアになるのでしょう。


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長い長い夜を超えて
風通る隙間埋めあって
忘れかけたユーモアが
街の景色に色を落とす
≪ユーモア 歌詞より抜粋≫
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まじめに生きていると人生の中に、ついついユーモアを忘れかけてしまいます。

それ思い出すことで街の景色に色が付くように、人生にも色がつくのでしょう。

ユーモアというのは私たちの人生を、豊かにしてくれるのかもしれませんね。


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行き当たりばったり彷徨った
夢にまで見た桃源郷は何処
暗くなったら火を灯そう
孤独を分け合えるよ
≪ユーモア 歌詞より抜粋≫
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ユーモアにより色がつくのは、おそらく誰かに話した時。

自分のダメなところや悩みは人に打ち明けると、案外ちっぽけなことで悩んでいたんだなと気付くものです。

また、眠れない夜こそ1人で考え込むのではなく、誰かと孤独を分け合うことで自分1人だけではないんだと感じられます。

その瞬間「こんなことで悩んでいたんだ」と悩みたちは、自分の中のユーモアにへと変わっていくのでしょう。


どんなにつらい悩みにも必ず終わりは来ます。

そしてそれらは過去のことになり、過去の出来事はぜんぶ自分の中のユーモアに変わっていきます。

みなさんもユーモアを聴いて人生の中にユーモアを、増やしていってはいかかでしょうか?

Kig Gnuの『ユーモア』はどこかポジティブで、聴くと何事もうまくいきそうな気がしますよ。


TEXT 萌依

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