adieuは女優の上白石萌歌
adieu(アデュー)は、女優の上白石萌歌が音楽活動を行う際に使用するアーティスト名です。
実姉はドラマ『恋はつづくよどこまでも』や映画『君の名は。』でみつはに息を吹き込んだ女優の上白石萌音。
鹿児島県で生まれ育ち、小学生時代のうち3年間は、家族とともにメキシコで生活していたようです。
芸能活動のきっかけとなったのは、2011年に開催された第7回「東宝シンデレラ」オーデションです。
上白石萌歌はそのオーディションで見事グランプリを受賞。
以来、映画や舞台、ドラマ、ラジオ、CMと幅広い分野で活躍しています。
2015年にはTVアニメ『はなかっぱ』の主題歌『ス・マ・イ・ル』を担当し、adieu名義で音楽活動を開始しました。
この記事ではadieuとして活躍する上白石萌歌について紹介します。
時を止めてずっと聴きたい癒しの歌声
なぜ彼女の歌声は「時を止める歌声」と称されているのでしょうかるのか?オススメの曲と共に、その魅力に迫っていきましょう。
さようならが起点「ナラタージュ」
画像引用元 (Amazon)
映画『ナラタージュ』の主題歌を担当し鮮烈な印象を世に放ったadieu。
この映画は主演を松本潤、ヒロインを有村架純が務めた行定勲監督の作品で「許されない恋」に苦しむ男女を描いています。
なんとか自分の想いを叶えたいと願う登場人物たちの苦しみに寄り添ってくれるのが、主題歌の『ナラタージュ』なのです。
観客の胸の痛みも包み込んでくれるような、癒しに満ちた歌声を聴かせてくれます。
この楽曲を発表したとき、adieuのプロフィールが現役女子高生ということ以外は一切明かされておらず、大きな話題の一つとなりました。
さらにもう一つ話題となった理由は、作詞作曲をRADWIMPSの野田洋次郎が担当したことです。
彼は実際に映画を観た上で、作詞作曲に取り組んだそうです。
「さようならを受け入れた後は、また新しく歩んでいっていいんだよ」と、一生に一度の恋に苦しむヒロインの背中をそっと押すような歌詞。
ヒロインと同世代の女の子が歌ったからこそ、より一層聴く人の心に響いたのでしょう。
ぜひ、あなたもこの歌声を堪能してください。
語りかける柔らかさ「花は揺れる」
デビューから約4年後の2019年にadieuが上白石萌歌であることを告白しました。同時に音楽活動を本格始動することを発表し『花は揺れる』『強がり』『よるのあと』のMUSIC VIDEOが公開されました。
この中でも幻想的で美しい歌詞が特徴の『花は揺れる』を紹介します。
語りかけるような柔らかさと、伸びやかな歌声の両方を味わえる楽曲です。
ふんわりとしたベールに包まれている映像は、まるで短編映画を観ているかのようです。
歌詞に注目すると「花」「雲」「月」「海」「風」といった自然に関連する単語が並べられ、それらの言葉が彼女自身を表現しているのではないかと錯覚してしまいます。
呪縛を解いて歩き出す「よるのあと」
初のミニアルバム『adieu1』に収録されている『よるのあと』。
この曲は『adieu1』収録楽曲の中で、最もサブスクリプションで聴かれたそうです。
100人限定公演『adieu secret show case [unveiling]』でも披露され、当日参加できなかったファンはショックも大きかったでしょう。
『よるのあと』を聴きたいといった多くのファンからのリクエストに応える形で、YouTubeにライブ映像を公開。
心を込めて歌っている様子が印象的で、その場にいるかのような臨場感が伝わってきます。
今の自分にさようならをして進んでいく
adieuの楽曲を3曲、紹介しましたがいかがでしょうか。
どの曲も「時を止める」癒しに満ちた声が魅力的でしたね。
例え、悲しい内容の歌詞だったとしても、どこかほっとしてしまう不思議な力があります。
ところで、上白石萌歌の音楽活動上のアーティスト名adieuが、フランス語なのは知っていましたか。
長い別れを持つ「さようなら」の意味を持つそうです。
もうずっと会わないような別れの挨拶のときに使う言葉なので、とても印象的ですよね。
しかし、改めて楽曲を聴いてみると「さようなら」という言葉が歌詞に多々出てきます。
でも、この「さようなら」は終わりを意味する言葉ではないように感じます。
むしろ「さようなら」を起点として、また新たに歩いていくことを示しているのではないでしょうか。
個人の見解として、アーテイスト名に込められた本当の意味は「さようなら」から始まって、ずっと一緒に歩いていけるアーティストだと感じました。
常に今までの自分と別れを告げ、アップデートしている彼女。
私はそんな印象を持ちました。
だからこそ、これからのadieuの活躍が楽しみです。
TEXT 三田綾子