ライブバンドの魅力溢れる「HAPPY SONG」
koboreは、2015年に東京の府中で活動をスタートしたロックバンドです。
メンバーは、佐藤赳(Gt.Vo )、安藤太一(Gt.Cho )、 田中そら(Ba)、そして2017年に加入した伊藤克起(Dr)の4人。
結成以来、精力的にツアーを行いライブバンドとして頭角を表すと、2020年8月5日、セカンドフルアルバム『風景になって』でメジャーデビューを果たしました。
アルバムに収録曲されている『HAPPY SONG』は、メンバーの素顔が狭間見えるMVが、魅力的と話題を集めた爽やかなロックチューンです。
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サニーデイ 外はこんなに晴れてるのに
君がいない毎日だけが 通り過ぎていくだけ
≪HAPPY SONG 歌詞より抜粋≫
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風を切るようなギター、胸に響くドラム、疾走感のあるベース。
バンドサウンドの魅力全開のイントロに乗った「イェー、サニーデイ」という伸びのある歌声が、まるで真夏のフェス会場にいるような気分にしてくれますよね。
ライブを軸に活動してきた彼らだからこそ出せる臨場感のように感じます。
その後に続く歌詞から、大好きな「君」に想いを届けようとしている曲だと気がつくでしょう。
君がいない晴れた日は逆に切なくなるという、恋をしている時ならではの気持ちに共感する人も多いかも知れません。
「今」を叫ぶストレートな歌詞
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クラウディーデイ 今にも泣いてしまいそうな
君の憂鬱さえ僕は 救えないまま
≪HAPPY SONG 歌詞より抜粋≫
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レイニーデイ 窓の外を眺めていた
君は何をしているんだろう わからないまま過ぎ去って
≪HAPPY SONG 歌詞より抜粋≫
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サニーデイ 扉を開ける準備をしよう
やることなんてないけれど それでいいんだ
≪HAPPY SONG 歌詞より抜粋≫
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「今を叫ぶギターロックバンド」とも呼ばれているkobore。
作詞を担当するボーカルの佐藤赳は、自分が過ごしている日常を歌詞にすることが多いそうです。
その言葉通り、これらのフレーズからは「君」を想いながら暮らしている日常の気持ちの移り変わりがストレートに表現されていますよね。
今、この瞬間の気持ちを歌詞にしていることが「今を叫ぶ」と呼ばれる理由かも知れません。
また、この曲の歌詞は無駄を省き本当に伝えたい言葉だけが選び抜かれているような気がします。
厳選された直球の言葉だからこそ、聴く人の心のど真ん中に刺さるのではないでしょうか。
タイトル「HAPPY SONG」の意味
この曲の歌詞は、好きな人にまだ気持ちが届いていない少し切ない内容ですが『HAPPY SONG』というタイトルがつけられているのはなぜでしょう。
それは、たとえ片思いでも恋をすること自体が「幸せ」だからではないでしょうか。日常生活の中で、誰かと出会い恋をすることは奇跡のようなものですよね。
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天気の良い日は会いたくて
駆け出す足は止まらなくて
寝巻きのまんま 裸足のまんま 会いに行くのさ
≪HAPPY SONG 歌詞より抜粋≫
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このフレーズのような、全てを放り出してでも会いに行きたいと思う高揚感は、恋という魔法にかかっている時にしか感じられないでしょう。
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手を繋いで 離さないで 二人で空を泳げたらなぁ
何処まで飛んでいけるんだろう
≪HAPPY SONG 歌詞より抜粋≫
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そして、好きな人と想いが通じ合った時の天にも登るような気持ちを想像する時間も、かけがえのない幸せな時間だからではないでしょうか。
これまで『夜を抜け出して』や『ナイトワンダー』など「夜」のイメージが強かった彼ら。
だからこそ『HAPPY SONG』は、彼らの新しい一面を見ることができた気がします。
メジャーデビューアルバム『風景になって』は、自分たちのやりたいことを貫きながら進化するkoboreの今が生き生きと伝わってくるアルバムです。
ぜひ、アルバムに収録されている他の楽曲も聴いてみてください。
TEXT 岡倉綾子