まさかのコラボで話題沸騰
俳優業だけでなく音楽アーティストとしても精力的に活動をする菅田将暉。
多彩な活躍によって国民的知名度を誇る彼が、同じ事務所の先輩である中村倫也とのコラボ曲『サンキュー神様』を2020年8月27日にリリースし、話題を呼びました。
数々のコラボが実現
菅田将暉のトレードマークとも言える男らしいアコギの音色が印象的な楽曲となっており、コーラスとして同事務所の木村佳乃やchayも参加しています。また、フィルムの質感がおしゃれな雰囲気を醸し出しているMVには、松坂桃李が出演。
MVの再生回数は急上昇し、公開後数日にしてYouTubeで300万回を超える視聴数を叩き出しました。
コメント欄には「何回聴いてもいい歌詞」「歌詞が素敵」といった声が寄せられています。
溶け合うようなツインボーカルや美しく日常を描いたMVだけでなく、魅力的な歌詞によって、さらに人気が集まっているようです。
作詞には菅田将暉と中村倫也の2人の名前がクレジットされており、2人が今抱えている想いがまっすぐ表現されているように感じられます。
2020年の今、2人が伝えたい気持ちとはどんなものなのでしょうか。
今回は『サンキュー神様』の歌詞に注目し、ひとつひとつの言葉の意味や込められているメッセージを紐解いていきます。
苦しさも肯定した「大丈夫」
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大丈夫だから 簡単にゃ言えないけど
≪サンキュー神様 歌詞より抜粋≫
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この楽曲は、とても優しく、それでいて力強いこんな一文で幕を開けます。
決して投げやりではなく、様々な辛さや苦しさがあることも肯定した「簡単にゃ言えない」という表現からは、どことなく人間らしさを感じるのではないでしょうか。
不安を抱えた人に「大丈夫」と投げかけたその言葉には、静かに寄り添うような優しさと、頼もしい力強さの両方を感じることができますね。
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ほら力を抜いて 君だけが歩ける砂利道の先で
笑い合えたなら 簡単にゃいかないけど
その涙わすれないで 太陽はそっと微笑むはずさ
≪サンキュー神様 歌詞より抜粋≫
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「君」が歩いていくのは、でこぼこしていて舗装されていない「砂利道」。
平坦で歩きやすい、とは言えないそんな道の様子は、つまづきそうになるポイントがたくさんある人生そのものを表しています。
しかしその先で「笑い合え」るという希望を提示しているところに、歌詞のもつ前向きなエネルギーが表れていますね。
そして、道中では「涙」が出るような辛いことがあるかもしれないけれど「太陽」はいつも味方をしてくれるということも語っています。
ここでは、聴き手それぞれが抱える人生を重ね合わせることができるのではないでしょうか。
様々な要因が重なってうまくいかない毎日が「砂利道」のように思えることもきっとあるでしょう。
しかし、それを乗り越えた先でともに笑い合おうと約束することで、一筋の希望を感じ取ることができます。
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地平線のように シンプルに生きたいけど
なかなかそんなに うまくいかない世界
朝まで飲み明かし 傷をなめあい
泡のようにいっそ 消えたい日もあるよな
≪サンキュー神様 歌詞より抜粋≫
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続く一節でも「うまくいかない」もどかしさを印象深い言葉で表しています。
「消えたい」という感情が湧き出すくらい、自暴自棄になってしまう夜。
そんなネガティブな感情も決して否定はせず、生きているのなら仕方がないとでも言うような落ち着きで寄り添ってくれます。
迷い込んでしまって先が見えない人生に、光を照らしてくれるような言葉の数々に心を打たれますね。
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不器用さ お互い この先も凸凹とあるだろう
それもきっと悪くない あのかみなりに花束を
≪サンキュー神様 歌詞より抜粋≫
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しかしそんな落ち着きを見せる一方で、まだまだ自分は「不器用」だと語る彼ら。
これからの人生には、たくさんの辛いことやすれ違いが待っているだろうと考えていることがわかります。
完璧な超人ではなく、失敗や苦労もする「人間」の目線で送られているエールだからこそ、説得力をもって心に響いてくるのかもしれません。
辛い状況もいつかは自分の力に
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サンキュー神様
大丈夫だから 多くは持てないよ
ほらまた一歩ずつ 青空の映る水たまりを越えて
≪サンキュー神様 歌詞より抜粋≫
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楽曲名である「サンキュー神様」という言葉が登場するこちらの一節。
ここでも「多くは持てない」と人間らしさが表れており、だからこそ「一歩ずつ」進んでいけばいいのだと結論づけています。
困った出来事にぶつかってしまったとき、それを一度にきれいさっぱり解決する方法はなかなか見つかりません。
右往左往しながら出口を探しても、先が見えず不安が募る。
そんな経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
そんなときこそ焦らず「一歩ずつ」進めばいいという彼らの考え方には救われますね。
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お前が手にした その新しい旅に
ささやかな幸せが ずっとそっと訪れますように
≪サンキュー神様 歌詞より抜粋≫
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「お前」が新たに出会った「旅」は、まさに人生そのものを表したキーワードではないでしょうか。
この先にはでこぼこの道やひどくまがりくねっている道、どんな道が待っているかわかりません。
それでもその道中にある「ささやかな幸せ」を信じて歩き続けていかなければならないのです。
そんな、誰しもの目の前に続いている人生という名の旅路を、この楽曲ではドラマチックなメロディに載せて歌い上げています。
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当たり前のことに感謝する素直な気持ちになれたのは
お前だけじゃない 泥だらけの靴履いてさ
≪サンキュー神様 歌詞より抜粋≫
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苦しいことがたくさんある長い旅路を進んでいけば「当たり前のことに感謝する」気持ちを知ることができます。
その大事な心構えは「泥だらけの靴」が表しているように、辛い状況を切り抜けてきたからこそ得られたものなのでしょう。
どん底に落とされたような気持ちの時は思わず「神様」を恨みたくなってしまいます。
しかし、その状況を切り抜けられたときには、きっと「サンキュー」と感謝を述べられるようになっているはずです。
人生に吹く逆風は、いつかやってくる追い風の心地よさを感じるために必要なことなのかもしれませんね。
いつでも味方をしてくれる
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走れ 叫べ サンキュー神様
仲間はいるから 安心して行ってこいよ
最後の背中を 押させてくれて本当にサンキューサンキュー
≪サンキュー神様 歌詞より抜粋≫
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人生を走り抜けるよろこびを知った「お前」にしてあげれることといえば、あとは背中を押してあげることだけ。
自分はいつでも味方だから「安心して行ってこい」と語りかけ、新しい出発を応援しています。
そして、そのエールは楽曲を通して聴き手に届けられている想いでもあります。
苦難が訪れようとも、2人の歌声がいつも味方をしてくれる。
『サンキュー神様』からはそんな安心感を感じるのではないでしょうか。
うまくいかない毎日だとしても、いつかやってくる希望に目を向けて前に進む。
そんなエネルギーをくれる歌詞に人気を集める理由が、あるのかもしれませんね。
TEXT ヨギ イチロウ