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ポルノグラフィティ「愛が呼ぶほうへ」は誰目線?歌詞の描き方に注目

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ポルノグラフィティの作詞を多く手がける新藤晴一は、一風変わった切り口で独自の世界観を築いてきました。中でも『愛が呼ぶほうへ』は、人間以外の視点で描かれた珍しい楽曲。一体誰の目線で描かれたのでしょうか?歌詞から読み解きます。

「愛」を擬人化した視点が斬新

▲ポルノグラフィティ 『愛が呼ぶほうへ(short ver.)』

『愛が呼ぶほうへ』は2003年11月6日に発売された、ポルノグラフィティ13枚目のシングルです。

ジャケットに映っている大きな矢印は「愛が呼ぶ」方向を指し示しているようで何か意味がありそうですよね。

新藤晴一が作詞を担当した『愛が呼ぶほうへ』における注目ポイントは「愛」という目に見えないものを擬人化したことにあります。

歌詞に登場する「僕」は「愛」であり、楽曲全体が「愛」の視点から描かれているように感じ取れます。

そんな視点も、新藤晴一らしさ。世界を常に人とは違う角度から切り取る、新藤晴一ワールド全開です。

ぜひ、歌詞だけでなく視点にも注目してみてください。

それでは、歌詞の内容に触れていきましょう。

「僕」の正体は?


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償う人の背に降り続く雨
綺麗な水をあげよう 望むまま
戸惑う人の目に吹きつける風
見えぬなら閉じればいい 手をとってあげよう
≪愛が呼ぶほうへ 歌詞より抜粋≫
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背中に突き刺さる冷たい雨。吹き付ける風。心が折れそうになった時、そっと差し伸べる手。

優しく導くように、包み込むように語りかける口調が印象的です。

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幼い恋の瀬に一緒に泣いてくれた
友の隣で微笑んでいた
旅立つ君をただ黙って送った
父の背中の涙を受けとめていた
≪愛が呼ぶほうへ 歌詞より抜粋≫
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初めての失恋でしょうか。まだ幼さの残る心に負った傷を癒やしてくれるのは、一緒に泣いてくれた友達の存在です。

家を出て独り立ちをする日、何も言わずに見送った父が、背中に隠した涙。

それを人知れず受け止めるのは、一体誰でしょうか?


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僕を知っているだろうか いつも傍にいるのだけど
My name is love ほら何度でも僕たちは出逢っているでしょう?
そう 遠くから近くから君のこと見ている
≪愛が呼ぶほうへ 歌詞より抜粋≫
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君は知っているだろうか 悲しみも喜びも
My name is love 僕が持つたくさんの名前のひとつだから
そう 永遠で一瞬で君にとってのすべてだ
≪愛が呼ぶほうへ 歌詞より抜粋≫
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ここで初めて「僕」が登場します。

My name is love」と名乗っている通り「僕=愛」なのでしょう。

失恋を一緒に泣いてくれる友達の隣で微笑むのも、背中で泣いた父親を見守っていたのも「僕」。

どこか不思議な距離感を持って描かれていたのは「僕」が誰の目にも見えない存在だったからなのです。

「遠くから近くから君のこと見ている」と歌詞にもあるように、「僕」は常に人々の心に寄り添い、大きな愛で見守っているのです。

「愛が呼ぶほう」には何がある?


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花が空に伸びゆくように 海を越える旅人のように
いつも導かれているのでしょう 愛が呼ぶほうへ
≪愛が呼ぶほうへ 歌詞より抜粋≫
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僕を知っているだろうか いつも傍にいるのだけど
My name is love ほら何度でも僕たちは出逢っているでしょう?
そう 永遠で一瞬で君にとってのすべてだ
遠くから近くから君のこと見ている
≪愛が呼ぶほうへ 歌詞より抜粋≫
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「愛」は、目に見えないものの、常に側にいて見守ってくれている。

そんなメッセージの込められた『愛が呼ぶほうへ』は、まさしく愛に溢れた楽曲です。

どんなに孤独を感じても、世界に味方が1人もいないように思える時でも、「愛」だけは「遠くから近くから」見守ってくれている

このことを忘れないでおけば、心のよりどころを見失わずにいられそうですね。


TEXT 岡野ケイ

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