MONKEY MAJIKは、カナダ人の兄弟がメインボーカルを担当するバンド。他のパートを日本人ふたりが担当し、バンド全員で仙台市に在住している。日本語と、カナダ人兄弟の母国語である英語を楽曲に混ぜ合わせることで、J-POPと洋楽の特徴を併せ持つ、独特で不思議な雰囲気の曲になっている。
「Story」には、おとぎ話をアレンジしたフレーズがたくさん登場する。シンデレラだったら「ガラスの靴抱いて 笑顔で泣いてる毎日は あとどれくらい」。白雪姫だったら「林檎を口にして あなたのむかえをよこたわり 瞳の奥」というように。
おとぎ話をそのまま歌詞にするのではなく、おとぎ話をベースにして、現代の恋愛の歌にも取れるようにしているところが、この曲の特徴だ。たとえば、先程の白雪姫。「林檎を口にして あなたのむかえをよこわたり 瞳の奥」は、現代に置き換えれば、一度は離れてしまったけれど、じっと恋人が戻るのを待っている女の人の姿が想像できる。その直後の歌詞がこれだ。
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もう一度こうして巡り逢って
くるおしいほど愛おしくて
このまま朝をむかえにいこう
いまここではじまる
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王子様のキスで目覚めた白雪姫。もう一度見つめ合うことができた二人は、どれだけお互いのことを愛しく思っただろう。現代だと、恋人ともう一度再会することができ、愛しい気持ちが止められない。このまま朝まで一緒にいよう。またここから始めよう。そんな幸せな情景が浮かぶ。
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僕たちのStory
つくりたくて
でもさきに夢みさせて
おとぎ話のなかのPrincess
The dream ain’t over
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これから二人で、楽しいことがたくさんある、思い出でいっぱいのStoryをつくっていきたい。でも、その前に、二人のこれからを夢想してしまう。それはおとぎ話のハッピーエンドのような、幸せであふれたものであってほしい。この部分からは、二人の恋愛が再開する時の、男性側のそんな思いが伝わってくる。
「おとぎ話のなかのPrincess The dream ain’t over」の部分は、直訳すれば「おとぎ話のなかのお姫さま 夢は終わらない」となる。けれど、こんなふうに意訳することもできるのではないだろうか。
「お姫さま、僕とおとぎ話の続きを。」
おとぎ話のようなハッピーエンドを、現代の恋人たちも、みんな夢見ている。
好きな人と、いつまでも幸せに暮らすこと。それはまるでおとぎ話のように。いつまでも終わらない夢みたいに。
TEXT:緑の瞳
「MONKEY MAJIK」は、カナダ人兄弟Maynard -メイナード- (Vo&G)、Blaise -ブレイズ- (Vo&Gt) のフロントマンと日本人のリズム隊TAX -タックス- (Dr)、DICK -ディック- (Ba) からなる仙台在住の4ピースハイブリッドロック・バンド。 2006 年1月binyl recordsより1st シングル『fly』 をリリース···