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BUMP OF CHICKEN「Gravity」優しさに溢れた歌詞が作り出すのはあなたの帰る場所

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幼なじみ4人組によって結成されたBUMP OF CHICKEN。その楽曲達はどれも、Voの藤原が作る優しい歌詞に包まれ、聴き手へ届きます。そんな彼らの約1年ぶりの新曲『Gravity』。繊細なメロディに合う、暖かい歌詞の内容を考察します。

暖かさは今も昔も変わらない

▲BUMP OF CHICKEN「Gravity」

2000年のメジャーデビューから長きにわたって活躍し続ける「BUMP OF CHICKEN」。

仲良しの幼なじみ4人組が音楽を奏でながら成長し、今や彼らの楽曲達は、多くの映画やドラマの主題歌に抜擢される程になりました。

Voの藤原が作詞作曲を担当する楽曲の世界観はまるで童話や物語の様

シンプルで優しい言葉達が、世界中のファンを魅了しています。

9月10日にデジタルリリースされた『Gravity』は、彼らの優しい音の世界観はそのままに、歳を重ねたVo藤原の、更に暖かさの増した歌詞が描き出すストーリーが印象的です。

そんな『Gravity』は、アニメ映画「思い、思われ、ふり、ふられ」の主題歌。

11月4日リリースのシングル『アカシア/Gravity』には、ポケモンスペシャルミュージックビデオ「GOTCHA!」のテーマソング『アカシア』も収録されています。

細かな情景描写が物語的


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帰ろうとしない帰り道 いつもどおり
視界の隅っこ ほとんど外 君が鼻をすすった
空を割る夕方のサイレン
給水塔の下 あれは蝙蝠
≪Gravity 歌詞より抜粋≫
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まるで物語の冒頭を読んでいる様な情景を描写する歌詞は、Vo藤原の歌詞の最大の特徴と言えるでしょう。

いたってシンプルな歌詞ですが、楽曲の主人公と友人の歩く風景が、あっという間に頭の中に浮かびます。

「帰ろうとしない帰り道」の部分で、この2人がお互いに相手と過ごす時間を大切に思っていることが感じられ、彼らの少し照れ臭い関係性も伝わってきますね。

日常である「帰り道」すら噛み締めて、大切に過ごしているのがよく分かります。

そして伝わってくるのは、切ない夕方の音と主人公の移りゆく視線。

主人公が眺める給水塔や蝙蝠は、終わりが近づいてきた2人の時間を見て見ぬ振りをする為のものなのかもしれません。

主人公が口にしなかった思い


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見つけた言葉いくつ 繋げたって遠ざかる
今一番伝えたい想いが 胸の中 声を上げる
そんなの全て飛び越えて 子供のまま笑って
裸足のメロディー歌うから いつも今を許してしまう
笑顔のまま ずるいよな
≪Gravity 歌詞より抜粋≫
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主人公は、友人に気持ちを伝えようと、自分の中で様々な言葉を考えていたのかもしれません。

しかし相手へは伝えられず、その言葉はいつしか消えていってしまう。

「遠ざかる」という歌詞は、そんな主人公の思いを暗示している様です。

相手へ想いを伝えたいのに伝えられない、そんな焦燥感を心に抱えながらも、2人で過ごす時間はそんな想いを超越する程、楽しいものなのでしょう。

「いつも今を許してしまう」という歌詞は、相手と過ごす時間の楽しさが勝ち、結局思い悩む言葉を口にできない自分自身を許してしまう、と言う意味があるのかもしれません。

「ずるいよな」は、そんな気持ちを自分に抱かせる相手に対する言葉にも、思いを伝えずに笑っている主人公自身に対する言葉とも解釈できるでしょう。

歌詞に閉じ込めた一緒に過ごした瞬間


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今日が明日 昨日になって 誰かが忘れたって
今君がここにいる事を 僕は忘れないから
見えない涙拭って 謝るように笑って
触ったら消えてしまいそうな 細い指の冷たさが
火傷みたいに残っている
≪Gravity 歌詞より抜粋≫
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この時間が永遠では無いと痛いほど理解している主人公は、相手と過ごした日々の一瞬を忘れない様に心に刻んでいる様です。

「見えない涙拭って 謝るように笑って」という歌詞は、主人公が相手と過ごす中で見た、流せなかった涙や、言葉にできなかった謝罪なのではないでしょうか。

それは、素直に言葉にしたり態度に出さなくても感じ取れる、2人の親しく暖かい関係性ゆえに成立するもの

心の弱い部分もお互いに共有して、忘れられないその記憶は火傷の様に心に焼きついているのかもしれません。

相手を大切に思う純粋な祈り


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雨でも晴れでも 空のない世界でも
また明日 明日が ちゃんときますように
一緒じゃなくても 一人だったとしても
また明日の中に 君がいますように
≪Gravity 歌詞より抜粋≫
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楽曲の主人公が友人に対する、切なくなる程美しい想いがこの部分には詰まっています。

世界がどの様に変わっていっても、愛しい相手に明日がちゃんときますように

その相手が自分といようといまいと、相手の無事と幸せを心から祈っている主人公の、優しく愛の溢れる言葉が曲の終わりを彩ます。

「また明日の中に 君がいますように」相手が明日をちゃんと迎えてくれるだけで主人公はきっと幸せなのでしょう。

『Gravity』は「重力」の他にも「引力」という意味を持ちます。

主人公の、いつかくる別れを確実に逃れることはできない、という思いを「重力」と暗示したタイトルが『Gravity』とも解釈できます。

さらに、もし離れ離れなったとしても、お互いを思いあう気持ちは、「引力」の様にお互いを引き寄せるということを表したのが『Gravity』とも解釈できますね。

『Gravity』の歌詞では、相手がどこへ行っても、記憶が遥か遠いものになっても、相手の幸せを切に願う主人公の純粋で真っ直ぐな思いが伝わってくる素晴らしい内容ですね。

タイトル『Gravity』の意味と、その歌詞の両方が合わさり、Vo藤原らしい素敵な楽曲に仕上がっています。


TEXT 宮本采佳

BUMP OF CHICKENは、トイズファクトリーに所属する4人組のロックバンド。独特な世界観とボーカル藤原の圧倒的歌唱力、更にはドラマの他、アニメやゲームとのタイアップ曲も多く、幅広い年齢層から支持を集めている。 幼稚園時代からの幼馴染であり、1994年、当時中学校の同級生であった4人が、文···

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