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映画「引っ越し大名!」予算なし長距離引っ越しに挑む引きこもり侍に天晴れ

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星野源主演映画『引っ越し大名!』は、藩ごと引っ越しさせる一大プロジェクトを一任された引きこもり侍と彼を支える人々の物語です。歌やアクションもあり、のめり込めること間違いなし。この記事では、見どころ満載の時代劇コメディの魅力を紹介します。

原作は土橋章宏の痛快歴史小説

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2019年に公開された映画『引っ越し大名!』は、幕府の命令で家臣や家族全員で引っ越す「国替え」をテーマに描いた時代劇です。

その国替えを7度命じられたことから「引っ越し大名」と呼ばれた松平直矩のエピソードをベースに、引きこもり侍・片桐春之介達が奮闘する物語です。

「引っ越しは戦でござる!」のキャッチコピーのとおり、引っ越し計画に団結して挑む人々の姿を愉快痛快に描いています。

原作は『超高速!参勤交代』で知られる土橋章宏の小説『引っ越し大名三千里』。

脚本も原作者自らが担当しました。

映画『ジョゼと虎と魚たち』で注目を浴びた犬童一心監督がメガホンを取り、原作にないミュージカルやアクションを盛り込んだ、時代劇ファン以外も親しめる作品になっています。

不可能を可能にしていく人々の絆と主人公の成長から目が離せない作品です。

映画「引っ越し大名!」あらすじを紹介

▲映画『引っ越し大名!』予告90秒8月30日(金)荷造り開始!

物語の舞台は江戸時代、5代将軍・徳川綱吉が治めていた時代です。

「国替え」は参勤交代をはるかに上回る億単位の金額が必要な一大事業で、成し遂げるためには国替えの方法、予算配分など一切を取り仕切る「引っ越し奉行」の手腕が必要でした。

主人公・片桐春之介は姫路藩の書庫番を務める侍。

人と話すのが苦手でいつも書庫にこもり本を読んでいたので、周囲から「かたつむり」と呼ばれていました。

ある日彼は知識量の豊富さに目を付けられ、引っ越し奉行に任命されます。

国替え先は約600km離れた豊後(大分県)の日田。

度重なる国替えで財政が厳しい現状に加え、これまで15万石だった幕府からの報酬が7万石に減らされることが決まっていました。

問題が山積みでどこから手をつけて良いか分からない春之介は、前任者の娘・於蘭に助けを借りに行きます。

於蘭は亡き父の手柄を奪った藩に恨みを持っていましたが、春之介が父の墓前で手を合わせている姿に胸を打たれ、彼に協力することにしました。

しかし国替えには家財を運ぶ人や馬を雇うのに莫大な資金が必要で、予算が足りません。

人数1万人、距離600km、必要経費も大赤字、総責任者は書庫番の引きこもり侍という不可能に近い引っ越しは、無事成功するのでしょうか?

親しみやすく好感の持てる主人公の成長ストーリー

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本作は、感情移入できる主人公の成長ストーリーになっています。

主人公・春之介はコミュニケーションが苦手ですが、謙虚で優しく感情移入できる人物です。

低予算で国替えすることに決めた春之介は、人も荷物も徹底的に断捨離することを決意します。

なかには長年かけて集めた高級品コレクションを手放せない侍もいましたが、春之介達は不要な物を見つけると、容赦なく捨てていくのです。

発起人の春之介も自ら書庫の大切な本を焼き捨てました。

一方で心を通わせた藩士をリストラさせなくてはならない場面もあり、春之介に感情移入して胸が締め付けられます。

リストラされる藩士と向き合い、必ず迎えに行く約束を果たそうとする春之介の誠実な姿に心打たれることでしょう。

引っ越しを通して優しく頼もしいリーダーに成長し、飛躍していく彼の姿に注目です。

現代に通じる心理描写に引き込まれる

▲星野源、撮影メイキング&未公開シーン公開!映画『引っ越し大名!』Blu-ray/DVD豪華版特典映像ダイジェスト

この作品には注目していただきたいポイントを2つあります。

1つ目は、春之介のラブストーリーです。

春乃介が惹かれるヒロイン・於蘭は先代の引っ越し奉行の娘。

引きこもり侍である春之介をサポートする姉さん女房のような頼れる女性です。

春之介は彼女の男性達に負けない働きぶりと、しっかりとした性格に次第に惹かれていきます。

奥手な春之介は彼に想いをを伝えられるのか、恋の行方から目が離せません。

2つ目は、共感できる侍達の心模様です。

本作品は断捨離にリストラなど現代社会へ通じる描写が多く、時代劇ファンじゃなくても自然と作品に引き込まれますよ。

大切な宝物を捨てられない侍やリストラされた現実を受け入れられない侍など、身近にいそうな人物が登場し、うなずきながら観ることができるでしょう。 

なかでも春之介と親交の深い侍・山里一郎太との友情エピソードはハンカチ必須。

大切な友人を姫路に残し、数年後必ず迎えに行くと約束するのです。ふたりの絆の深さが美しく、涙を流さずにはいられません。

登場人物がそれぞれ親しみやすい性格の持ち主なので、引き込まれること間違いなし。

謙虚で誠実な主人公・春之介に人が集まるように、観る人を引きつける傑作時代劇です。

実力派俳優陣のはまった演技に引き込まれる

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役にはまった俳優達の演技力も目を引く物があります。

引きこもり侍・片桐春之介を演じるのは、星野源

無理難題を押しつけられ慌てふためいていた彼が、頼もしいリーダーに成長していく姿からは目が離せません。

人の痛みが分かり、応援したくなる主人公を演じきった星野源は、第43回日本アカデミー賞話題賞を受賞しました。

春之介の幼なじみ、体育系で豪快な性格の鷹村源右衛門を演じたのは、高橋一生

力仕事が苦手な春之介をサポートし、彼を気にかける優しくて頼もしい存在です。

剣の達人である源右衛門を演じるために、スーツのサイズが合わなくなるほど身体を鍛えて撮影に臨んだそうです。

「天下三名槍」の1本で全長3.8メートル、重さ数十キロの御手杵の槍を使用した大立ち回りは必見です。

▲映画『引っ越し大名!』高橋一生が御手杵の槍を振り回すメイキング映像

ヒロイン・於蘭を演じたのは、高畑充希

於蘭は国替えに全面協力しながら、女手一つで息子を育てる頼もしいお母さん。

犬童監督から「年上女房的な雰囲気」があると抜擢されました。

男性達に勝る頼もしさと、母親の優しさあふれる演技に注目です。

他にも濱田岳、及川光博、小澤征悦、向井理など豪華俳優も多数出演。

有名俳優陣の振り切った熱演によって、愉快痛快な映画に仕上がりました。 
 
実力派俳優それぞれの魅力が光っていて、見応え抜群です。

世界観を作り上げた挿入歌「引っ越し唄」は中毒性抜群

 
▲星野源主演映画『引っ越し大名!』引っ越し唄 8月30日(金)全国公開

挿入歌『引っ越し唄』も、映画の愉快痛快な世界観を巧みに表現しています。

この歌は、犬童監督の「ミュージカルの要素を取り入れたい」という発案で生まれた映画オリジナル楽曲。

歌詞は脚本を手掛けた原作者の土橋章宏、振付は狂言師の野村萬斎が担当しました。

於蘭の持つ引っ越し指南書にあった「歌が人の気持ちをひとつにする」に準じて、登場人物達が全員で歌っています。

引っ越し準備、出発、道中と物語の随所で使われていますが、何度聴いてもクセになる中毒性抜群の曲です。

掛け合いや「よりわけ ふりわけ おすそわけ」といったリズム感のある言葉の組み合わせが聴く人を楽しい気持ちにさせてくれます。

一度聴いたら忘れられず、口ずさみたくなるでしょう。

引っ越しはもちろん仕事や家事、片づけなどを楽しくさせてくれる挿入歌です。

和やかな雰囲気漂う踊りと全員の団結力を感じられる歌唱シーンをお見逃しなく。

主人公達と共に力強く歩み出す主題歌「でんでん」

▲ユニコーン『でんでん』Music Clip


主題歌『でんでん』を歌うのは、ユニコーン

ミュージシャンの奥田民生がボーカルを務める実力派ロックバンドです。

遊び心あふれた独特な歌と5人全員で歌う一体感が特徴的。

楽曲名の『でんでん』は、主人公・春之介のあだ名「カタツムリ」に由来しているそうです。

一歩一歩新天地へと歩いていく姿を綴った歌詞や歩く速さと同じテンポのリズムで『引っ越し大名!』の世界観を巧みに表現しています。

少しゆったりとしたリズムのドラム、奥田民生の大らかさと力強さを持った歌声が調和し、聴き心地最高です。

5人それぞれの歌声と音楽が醸し出す和やかな雰囲気が、新天地へ歌いながら歩いていく春之介達の姿とマッチしていますね。

映画を観た時と同じように、仲間と心をひとつに一歩一歩前へ進んでいくことの大切さに気づかせてくれます。

力強い歌声と前へ前へ歩き続ける歌詞に、一歩踏み出す勇気をもらえるでしょう。
 
主人公達の姿に寄り添った朗らかなメロディーと力強い歌詞に注目してみてください。

日々を前向きに変えたいあなたも見習いたくなる魅力満載

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映画『引っ越し大名!』は、仲間と共に困難に立ち向かう引きこもり侍の物語です。

この映画は、春之介とその仲間達の姿を通してせわしない日常の中で、忘れがちな大切なことに気づかせてくれます。

どんなに辛い引っ越し作業も楽しみながら前向きに一丸となって取り組み、必ず成し遂げようとする姿勢は見習いたくなるはず。

そして、大勢の人々から信頼されるまでに成長した春之介に憧れを抱く人もいるかもしれません。

誰とでも平等に接する公平性、失敗したらきちんと謝る正直さ、どんな時も笑顔で乗り切る前向きな気持ち

引っ越し奉行になった彼の活躍から、現代を生き抜く上で忘れてはいけない大切なことに気付けるでしょう。

この映画を観て、楽しみながら忙しい日常をポジティブに変えるヒントを見つけてみるのも良いかもしれませんね。


TEXT Asakura Mika

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