かいりきベアとは
『かいりきベア』は、1998年9月30日生まれの人気ボカロPで、2011年6月からボカロPとして活動を開始し、今や多くの楽曲がカラオケでも配信されるほど人気を誇っています。楽曲の特徴について、自身の公式サイトでは「不思議なギターサウンドでみんなの心を侵食する」と述べています。
その言葉の通り、巧みな演奏技術を駆使したロックな音楽と耳に残る歌詞が魅力です。
さらに2020年1月15日には、アンコールアルバム『ベノマ』を発売。
かいりきベアの人気ボカロ曲を、有名Pから次世代P10名の豪華ボカロPがリミックスした15曲が収録されたアルバムです。
今後ますます勢いが増していくことが期待されますね。
名前の由来は?
かいりきベアという名前は、ゲーム『MOTHER2』に出てくる同名のモンスターが由来だそうです。1994年に発売されたスーパーファミコンソフトなので、かいりきベアが生まれるより前の作品ですが、人気作品なので幼少期から楽しんでいたのでしょう。
分かりやすく親しみやすい名前であることも、人気の理由のひとつかもしれませんね。
動画のイラスト担当は?
かいりきベアの楽曲動画で目を惹くかわいいイラストを担当しているのは、女性イラストレーターの『のう』です。ニコニコ静画主催の2012年「ボカロ描いてみたイラストコンテスト」で最優秀賞を獲得。
そこから、ニコニコ動画に投稿されているボーカロイドの楽曲イラストを中心に手がけています。
かいりきベアがメジャーデビューを果たした2015年頃から継続してイラストを担当し、曲に合ったデザイン性の高い動画が好評です。
アルバム『ベノマ』では、通常盤が描き下ろしジャケット仕様になっているだけでなく、数量限定の初回限定盤の購入特典としてのアクリルキーホルダーが制作されるなど、かいりきベアの良きパートナーとして活躍しています。
かいりきベアの「ベノム」が大流行!
かいりきベアの代表ボカロ曲と言われているのが、ストレートなギターサウンドが魅力の『ベノム』。2018年8月に投稿された楽曲で、もともとはボーカロイド・v flowerのイベントのために書き下ろされました。
2019年にTikTokで『ベノム』の音源を使用したダンス動画が話題になり、さらなる脚光を浴びることに。
その後、有名な歌い手の「歌ってみた動画」が多く投稿され、改めて原曲にも注目が集まっています。
YouTube公式チャンネルにアップされている動画再生回数は2,000万回を超え、記録はまだまだ伸びていくでしょう。
おすすめの歌ってみた動画
『ベノム』の歌ってみた動画といえば、歌い手・缶缶の動画は外せません。
少年のようなはきはきとした歌声が魅力で、音数が多い複雑な歌詞も聞き取りやすいですね。
高音の美しさと、吐き捨てるような荒々しい低音が混じるのも特徴的です。
要所要所で入る合いの手などのアレンジも楽しく、原曲ファンも納得のかっこいい動画ですよ。
こちらは、若者を中心に絶大な人気を誇るマルチクリエイター・まふまふの歌ってみた動画です。
本家のかいりきベアによるリアレンジと、のうによるイラストという豪華な仕様になっており、投稿から2週間で動画再生回数は100万回を突破。
少女のようなピュアな歌声がかわいいというレビューが多く集まっています。
自称AIのバーチャルYouTuberとしてテレビの露出も増えている、キズナアイの歌ってみた動画も好評です。
普段の動画での元気な女の子のイメージとは違う、かっこいい歌声と「めっ」のときのキュートさのギャップに引き込まれます。
動画イラストはファンから募集したもので、曲の雰囲気ともマッチしていますよ。
かいりきベアの人気曲5選
かいりきベアのオリジナル楽曲は、すでに30曲ほど。公式YouTubeチャンネルでの投稿楽曲はすべて100万回を優に超え、ボカロ曲のヒットメーカーであることがうかがえるでしょう。
また『マネマネサイコトロピック』とその続編となる『イナイイナイ依存症』は小説化され、音楽だけに留まらない人気を獲得しています。
他にも『ココロナンセンス』と『バラバラココロ』が関連していることなど、別の楽曲同士の繋がりがあることもかいりきベアの生み出す楽曲の特徴と言えます。
数あるヒット曲の中から、特にかいりきベアの魅力が伝わる5曲の人気曲を紹介しましょう。
アルカリレットウセイ
『アルカリレットウセイ』は、自身初のミリオンを達成した記念すべき人気ボカロ曲です。
スマホゲーム『#コンパス~戦闘摂理解析システム~』に登場する主要キャラクター・魔法少女リリカのテーマソングとなっています。
シンセサイザーを用いた明るくかわいいメロディと、かいりきベアらしいダークなエッセンスがマッチし、独特な世界観に引き込まれるでしょう。
歌詞には、普段は明るく振る舞いながらも、自分より人気のある相棒に劣等感を抱くリリカの感情が込められています。
ノリやすいリズムにキャッチーなフレーズがばっちりハマり、誰にでもある心の闇を肯定する名曲です。
失敗作少女
『失敗作少女』は2015年に投稿された楽曲で、TikTokで火が付いて再び注目を浴びました。
2019年にはMARETUによるアレンジが加えられた新しいMVが公開されたこともあり、未だ人気が衰えません。
この楽曲は小説版の『マネマネサイコトロピック』に登場するキャラクター・鏡見エリスの歌で、失敗続きの少女の切ない思いと結末を描いています。
大切な人に愛されたい気持ちが強いあまり、生きる意味を見失ってしまったという内容に、思わず泣いてしまうファンも多いようです。
激しいギターの音色がリードするメロディは、暗い歌詞に反してポップな雰囲気もあり、落ち込みそうな気持ちを押し上げてくれるでしょう。
ルマ
『ルマ』は、人気歌い手の莉犬の1stフルアルバム『タイムカプセル』の収録曲として書き下ろされました。
セルフカバーの初音ミクバージョンも発表されているこの楽曲は、パワフルに駆け巡るギターサウンドが繰り返し聴きたくなる中毒性を持っています。
タイトルは「マル」を反転させたもので、主人公がマルをもらえないダメな人生を送ってきたことを象徴。
オノマトペを多用したユニークな歌詞からは、世間が思う正解ではなく自身の意思を貫くことの大切さが感じられます。
人とボカロ歌唱との違いがどちらも本家で楽しめるので、ぜひ聴き比べてみてくださいね。
レミングミング
『レミングミング』は、マンガアプリ・GANMA!にて連載されている洋介犬の『外れたみんなの頭のネジ』とのタイアップ曲です。
作品がサイコホラーということもあり、狂ったような奇妙で激しいギターロックとなっています。
リズミカルで聞きやすいメロディ構成と、ロックに特化したv flowerを使用していることから、ロックやボカロになじみがない方でも楽しめるでしょう。
歌詞は不穏な雰囲気が漂う言葉のオンパレードでありながら、言葉遊びのような展開が秀逸です。
作中で街の人々を狂わせるきっかけとして出てくる「613」のフレーズなどが盛り込まれ、マンガとのリンクもしっかり感じられますよ。
ダーリンダンス
『ダーリンダンス』は、関わると厄介な地雷系女子の気持ちをロックなメロディに乗せたボカロ曲です。
略称は「DD」となり、複数のアイドルを掛け持ちで応援するアイドルファンを示す「誰でも大好き」という意味とも重なります。
自己肯定感が低く、みんなから愛されたい主人公の心の叫びにも思える歌詞は、ネット社会の現代人が共感しやすい内容ですね。
承認欲求を満たすためにダイエットや写真の加工にいそしむ彼女は、確かに踊らされていると言えるでしょう。
曲が進むにつれてスピード感とキーの高さが増していき、心が掻き立てられていく様子を表しているのも巧みですよ。
かいりきベアの曲は中毒性のある歌詞とリズムが魅力的!
ボカロ界で注目を集める『かいりきベア』とは、巧みな言葉選びと、初めて聴く人でも自然とノれるテンポの良いロックサウンドが持ち味のボカロPです。彼が生み出す中毒性の高い楽曲は、ボカロやロックが好きな方だけでなく、これまであまり触れたことがない方でもきっとハマるでしょう。
代表ボカロ曲を集めたアルバム『ベノマ』の収録曲はもちろん、他にもまだまだかっこいい楽曲がたくさんあります。
唯一無二のボカロ曲を楽しませてくれる、かいりきベアの今後の楽曲にも注目していきましょう!
TEXT MarSali