「どうもー!星野源でーす!」
年末の紅白、初出場をはたした星野源。たいていの歌手は歌うのが精一杯という感じなのに、余裕をかまして挨拶から入りましたよね。役者ということもあり、舞台慣れしているからでしょうか?のびのびとした素敵なパフォーマンスでしたね。初出場の紅白、彼なりにとても楽しんでいたように見えました。
星野源が紅白で歌った「SUN」は、昨年の星野源を代表する曲といっていいでしょう。
発売翌週の昨年6月8日付のオリコンでは週間2位を記録、6月28日に発表されたJ-WAVE「TOKIO HOT 100」では、日本人アーティスト最長となる、7週連続1位という大記録を達成。主要な音楽配信サイトの週間チャートでも軒並み1位。この曲が入ったアルバム『YELLOW DANCER』は、12月14日付の週間アルバムランキング1位を獲得しました。前作のアルバム『Stranger』では、星野源の個人的な世界観の曲が多かったのに対し、今回のアルバムは「みんなが歌って踊れる」ダンスミュージックが多く、今までの星野源からも、明るく突き抜けた印象の作品になっています。
前作のアルバムをレコーディング後、クモ膜下出血で倒れた星野源。壮絶な闘病生活を経て帰ってきた彼は、ふっきれたように曲をつくっていきました。とにかく明るい曲、自分にとって太陽のような曲をつくりたい。そういう思いで「SUN」の制作に取り組んだとき、浮かんできたのが、星野がかねてから憧れていたマイケルジャクソンでした。
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君の歌を聴かせて
澄み渡り世界救うような
君の歌を聴かせて
深い闇でも 月の上も
すべては思い通り
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いじめや不登校で暗かった少年時代、星野を明るく太陽のように照らしていたのが、マイケルジャクソンでした。曲の中で“Hey J”とマイケルに呼びかけていたり、歌詞の “月の上も”がムーンウォークのことだったり、曲のあらゆるところにマイケルへの思いがこめられています。
この曲の歌詞を読んでみると、ひとりの男が、暗いところから一筋の希望の光を見つけて歩き出して行くイメージが浮かんできます。ダンサブルで底抜けに明るい曲調ですが、歌詞には星野源のこれまでの苦しみが、良い形で昇華されているのです。
星野源によれば、この曲は、「カラオケで楽しく歌ってほしい曲」だそうです。聴くと腰が思わずくねくねするような、歌うことでなんだか励まされるような、みんなが明るい気持ちになる「SUN」。ぜひ、カラオケで歌ってみてください。
TEXT:緑の瞳