大切な人がいる男性を好きになってしまった
ハイトーンボイスが魅力のCLIEVYと渋い歌声がかっこいいKEENから成る男性デュオ・C&K。幅広い音楽ジャンルを器用にこなす彼らの楽曲の中でも、特に歌声の美しさに触れられる名曲が2013年10月30日発売の『みかんハート』です。
『みかんハート』とは「未完成のハート」を意味していて、心にぽっかり穴が空いたすべての人に染みる失恋ソングとなっています。
切ないけれど共感できる歌詞の内容から意味を読み解きましょう。
----------------
人を好きになる怖さと幸せを知って
見た事のない自分と初めて出会った
私を笑わせるのがあなたなのならば、私を傷付けるのもすべてがあなたで
今日も陽が落ちてくのでした
≪みかんハート 歌詞より抜粋≫
----------------
本気で人を好きになると、幸せばかりではなく「怖さ」も感じてしまいます。
好きな人がそばにいてくれるだけで笑顔になる一方で、好きな人といるから傷つくこともあるでしょう。
主人公の女性は、幸せな気持ちで一日を終えることの方が少ないようです。
----------------
あぁ愛しの人の いつも隣には違う誰かがいて
あの日あの時に出会わなければ
こんなに苦しむ事もなく
≪みかんハート 歌詞より抜粋≫
----------------
彼女の好きな人には、大切な人がいます。
「いつも隣には違う誰かがいて」とあるように、彼女はそのことを知っていながら好きになってしまったということです。
恋はタイミング。「あの日あの時に出会わなければ」恋をすることもなかったはずだと考えています。
恋したことを後悔するほどつらい日々を送っている様子が伝わってきますね。
やめたいけれどやめられない切ない恋
----------------
泣いて泣いても泣き叫んでも
叶うはずのない恋だから
何度も「やめよう」 言い聞かせても
想いは増すばかり
≪みかんハート 歌詞より抜粋≫
----------------
叶わない恋だと分かっているので、彼女は涙ながらに「やめよう」と自分に言い聞かせています。
それでも、そう簡単にはやめられないのが恋です。
本人には苦しい毎日ですが、それだけ彼を愛しているということでしょう。
----------------
誰か好きになり 気持ち隠して身を引いて
忘れようとしたけど 、やっぱ、ダメだった
あなたの言葉に踊らされて
喜ぶ自分が馬鹿みたいで
本当の自分を徐々に
失ってくのでした
≪みかんハート 歌詞より抜粋≫
----------------
彼への想いを断ち切ろうと別の人を好きになろうとしたようですが、うまくいきません。
距離を置きたいのに、彼の些細な言葉に喜んでしまう自分の弱さにも苦しんでいます。
「本当の自分を徐々に失っていく」という言葉の通り、恋に翻弄されて自分の気持ちが分からなくなっていく経験をしている女性は多いのではないでしょうか。
----------------
あぁいつもどこかに あなたの姿や影を探している
あの日あの時に打ち明けてれば
こんなに苦しむ事もなく
≪みかんハート 歌詞より抜粋≫
----------------
どんなに好きでいるのをやめたいと思っていても、気がつけば彼を探しています。
彼の存在を感じられさえすれば「影」のような実体のないものでも求めてしまうのです。
まだ関係が浅かった時に言えていれば、もっと早くあきらめられたでしょう。
何もできないまま、時間だけが過ぎていきます。
想いが届くまで恋することをやめない
----------------
泣いて泣いても泣き叫んでも
叶うはずのない恋だけど
今度は「告げよう」 言い聞かせても
言葉にはできない
≪みかんハート 歌詞より抜粋≫
----------------
彼女は彼と浮気や不倫をしたいわけではありません。
しかし、ただ恋する気持ちを止めようとしても止められないので、思い切って想いを告げる決意をします。
ところが、彼との関係が変わることを想像してなのか、実際に言葉にすることも叶わないようです。
----------------
僅かな望みをかき集めて
ありふれた言葉で ごまかし続けた
どうすればあなたに 届くのだろう
こんなにあなたを 好きになるとは
泣いて泣いて泣き疲れたら
決まってあなたの夢をみる
≪みかんハート 歌詞より抜粋≫
----------------
彼女はもしかしたら自分に振り向いてくれるかもしれないと「僅かな望み」の証拠を数えて、あきらめられない理由にしてしまいます。
想いが届かないことは分かっていますが、気持ちが通じ合った時の幸せを想像してしまうのでしょう。
つらくて泣いた後にも、彼を夢に見るほど愛情は高まっています。
----------------
泣いて泣いて泣き叫んででも
叶えたいほどの恋だから
何度も「やめよう」言い聞かせても
想いは増すばかり
いつか いつの日にか届くまで
あなたを待つばかり
≪みかんハート 歌詞より抜粋≫
----------------
そうして彼女は、この恋が「泣いて泣いて泣き叫んでも叶えたいほどの恋」だからあきらめられないのだと気づきます。
彼を想う日々は悲しくても、「いつかいつの日にか届くまで」この恋をやめずにいようと考えているようです。
あまりに切なすぎる恋ですが『みかんハート』で描かれている誰かを本気で愛した時の気持ちは、多くの人の共感を呼ぶでしょう。
MVは、渡辺奈緒子演じる女性が三浦春馬演じるアンティーク職人に片思いするという切ないストーリー仕立てになっていて、より歌詞の魅力が伝わってきます。
C&Kの作り出す繊細な世界観に浸ってみてください。
TEXT MarSali