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「ロストエンファウンド」で描かれた優しい物語とは?いつまでも心に残り続ける名曲の魅力に迫る!

ぎゅっとまとめ
  • 「アイ色のカケラ」を探しに思い出の地へ訪れる「僕」
  • 「僕」の感情に合わせて拍子が変化している
  • 「アイ色のカケラ」は「君の心臓」の中にあった
sasakure.UKの代表曲『ロストエンファウンド』。純文学のような世界観で人々を虜にし、公開からたった2日で殿堂入りを果たしました。今でも心に残る名曲の1つとして有名です。今回は曲中で描かれたある物語を中心に歌詞を考察していきます。

公開日:2021年1月22日 更新日:2021年1月22日


この記事の目次 []
  1. ・文学的な歌詞で綴られる「僕」と「君」の物語
  2. ・失くした物を探す「僕」
  3. ・変拍子でリアルに伝わる「僕」の感情
  4. ・周囲の目を気にしていた過去の「僕」
  5. ・再会を果たす「僕」と「君」

文学的な歌詞で綴られる「僕」と「君」の物語

ボカロPであるsasakure.UKの代表曲の1つ『ロストエンファウンド』は、2010年に公開された楽曲です。

公開からたった2日で殿堂入りを果たし、驚異のスピードで瞬く間に名曲へと変化。

心地よく響くメロディーと花をモチーフにしたイラストが特徴的で、当時のボカロ曲の中でも異彩を放つ存在でした。

まるで純文学のような世界観は現在でも人々の心に強く残り続けています。

今回はいつまでも色褪せない名曲『ロストエンファウンド』の歌詞を紐解いていきます。

▲sasakure.UK - Lost and Found feat. Miku Hatsune / ロストエンファウンド
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「もう、いいかい。」 僕は尋ねるけど
そもそも君はこのゲームを知らないんだ
ああ、君は巧く隠れて居る様だ
そもそも隠れて居るかどうかすらわからないんだ
≪ロストエンファウンド 歌詞より抜粋≫
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『ロストエンファウンド』の物語は、「もういいかい。」という「僕」の声で始まります

この物語の主人公である「僕」はどうやらかくれんぼをしている様子。

しかし続く歌詞に「そもそも君はこのゲームを知らないんだ」とあるので、大勢の人と楽しく遊ぶあのかくれんぼとは少し違うようです。

そう、「僕」はある探し物をしているのでした。

「かくれんぼ」は「僕」が探し物をしている様子の比喩表現ではないでしょうか。

「僕」はなぜ「君」とかくれんぼをしているか、そして「僕」と「君」はどんな関係なのか。

続く歌詞から探っていきましょう。

失くした物を探す「僕」


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アイ色のカケラ、探すたび
僕にはそんなもの無かったと言い張ってたんだ
彼等も訪れた場所なんだろう、
沢山のきせきが確かに存在して居たんだ
≪ロストエンファウンド 歌詞より抜粋≫
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sasakure.UKは自身のTwitterで『ロストエンファウンド』について「アイ色のカケラを探すおはなし」と語っています。

歌詞の中にも「アイ色のカケラ」が登場していますね。

「アイ色のカケラ」とは「恋心」に似た気持ちのことだと推測します。

「僕にはそんなもの無かったと言い張ってたんだ」という歌詞から、自分の中で恋心を確かめるたびに「僕」はその想いから目を逸らそうとしていたようです。

そして「僕」はある場所へやってきます。

それは「彼らも訪れた場所」。

この「彼ら」とは、MV動画内に出てくる顔が花で隠れている人たちを指しているのではないでしょうか。

そしてその人たちは寄り添っていることから、どうやら数々の恋人同士を指しているようです。

幸せそうに寄り添う「彼ら」の顔が色とりどりの花で隠れている理由は、「僕」の目には公園などの花壇に植えられている綺麗な花のように見えているからではないでしょうか。

「アイ色のカケラ」を失くしてしまった自分にとって恋人という存在は、別世界の話のように感じているということを表現しているようです。

またこの後の歌詞でわかりますが、「僕」は気持ちをごまかしてしまったことを深く後悔しています

後悔に苛まれている様子から周りが見えない状態にまで追い込まれているとも解釈できますね。


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もう一歩、進む勇気が在れば
抵抗なく君自身と此処で向き合えたのかな?
「もう、いいよ。」 君の声で振り向いた
瑕だらけの空間世界に色が付いた
≪ロストエンファウンド 歌詞より抜粋≫
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「君」に対して「もう一歩、進む勇気が在れば」という歌詞から、「君」に想いを伝える努力をしていれば、目の前にいる恋人たちのように寄り添っていられたのかもしれない。

そんな後悔をする「僕」に「もう、いいよ。」と「君」に似た声が話しかけます。

「瑕だらけの空間世界に色が付いた」という歌詞の「瑕」は「きず」「あやまち」という意味があります。

「僕」は「君」への想いをごまかしてしまった過去を「あやまち」として表現。

後悔に苛まれる主人公は、続くサビでついに感情が溢れだします。

変拍子でリアルに伝わる「僕」の感情


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だって君なんて見附から無いよ
悲しくて情けなくて逃げ出した
夢中で嘘の合間をくぐって
ぶつかって毒を吐いて
崩れ落ちてしまいたくて
嘘は本当の君を隠していく
≪ロストエンファウンド 歌詞より抜粋≫
----------------

サビ部分では曲が転調し、今までとは打って変わって激しい曲調に変わります

一気に盛り上がるサビ部分で鳥肌が立った方も多いのではないでしょうか。

この変拍子は『ロストエンファウンド』の最大の魅力と言えます。

曲中で何度も拍子が変わることで、「僕」の感情の突起を表現。

主人公の気持ちとリンクした変拍子は、聴いているとまるで「僕」を疑似体験しているかのようです。

ますます『ロストエンファウンド』の世界観に惹き込まれていきますね。

それでは歌詞を追ってみましょう。

「だって君なんて見附から無いよ」と「僕」は自暴自棄になっている様子。

「君」への想いを忘れたくて気持ち自体を無かったことにしようとしますが、うまくいかずどんどんがんじがらめになっていきます。

その苦しみから逃れるために必死にもがきますが、もがけばもがくほど好きだった「君」が思い出せなくなっていきます。

嘘は本当の君を隠していく」という歌詞が胸に切なく迫りますね。


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行き場を失う 転ぶ
はっと彼らを一瞥する
怪訝にもがいている僕をみる
慌てて目をそらす
≪ロストエンファウンド 歌詞より抜粋≫
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場面が切り替わり、曲調がまた落ち着きを取り戻します。

ここでの歌詞はまるで小説を読んでいるかのような流れですね。

自暴自棄になって走り出した「僕」は転んで我に返ります。

「はっと彼らを一瞥」の「一瞥」とは「ちらっと見ること」。

転んだ後まず周りの目を気にするところに「僕」の性格が窺えますね。

周囲の目を気にしていた過去の「僕」


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「ゲームがそう、始まる前からもう
ドサクサに紛れて顔隠してきたんだってね。」
「もう、遅いよ。」
彼等の声張り付いた
途方も無い逃げ場に言い訳をそっと投げた
≪ロストエンファウンド 歌詞より抜粋≫
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ここの歌詞ではかくれんぼをする以前の「僕」の様子が語られます

「ドサクサに紛れて顔隠してきたんだってね。」という歌詞から、「僕」は普段から自分の気持ちをなかなか口に出さず、ついつい周りに合わせてしまう性格のようです。

きっと今回の過ちも「僕」の性格が原因で引き起こしてしまったのでしょう。

「僕」の性格を変えて「君」を探しにゲームを始めたのに、なかなか見つけられません。

そんな「僕」の葛藤を見透かしているかのような「もう、遅いよ。」という周りからの声。

あまりにもタイミング良く降ってきた言葉に思わず「そうだ、今更もう遅いのかもしれない。」と言い訳をしてしまいます。

変わりたくても変われない「僕」の葛藤や揺らぎが伝わってきますね。


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そうさ君なんて見附から無いよ
悲しくて情けなくて逃げ出した
夢中で嘘の合間をくぐって
アイタクテ アイシタクテ
ハナシタクテ ハナレテシマウノガ
恐くて四肢をほうり出した
≪ロストエンファウンド 歌詞より抜粋≫
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再び「僕」の気持ちが溢れだします。

ここでかなり核心に触れる本音が語られていますね。

「アイタクテ アイシタクテ ハナシタクテ ハナレテシマウノガ 怖くて」との歌詞です。

嘘やごまかしのない「僕」の欲求がストレートに表現されています。

離れてしまうことを怖がっている様子から「僕」と「君」は仲の良い友達のような関係だったのではないでしょうか。

今の仲のいい関係を壊してしまうのが怖くて、一歩を踏み出せずにいたようです。

「四肢をほうり出した」という歌詞ですが、これは「四肢を投げ出す」と同じ意味ではないかと考察。

両手両足を投げ出して仰向けになった状態を表す時によく使われる言葉です。

要するに「考えることを辞めた」という意味ではないでしょうか。

どうにかして君に気持ちを伝えようと考えを巡らせますが、うまくいかない状況が続き考えることを放棄したようです

こうして「僕」と「君」との間に距離ができてしまったのでしょう。

再会を果たす「僕」と「君」


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隠れて居たのは本当に君だったのか?
僕もゲームが始まるずっとずっと前から
綺麗事に紛れて 本当の顔隠して
居たんじゃないのか?
アイ色のカケラは失くしてしまったけれど
少しばかり時間は過ぎてしまったけれど
ただ君と向き合って 伝えるべき言葉が
ひとつだけ在る
≪ロストエンファウンド 歌詞より抜粋≫
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「隠れて居たのは本当に君だったのか?」という歌詞から、「僕」はあることに気が付いたようです。

ずっと「君」が隠れていたと思っていたけれど、本当は「僕」が隠れていたのではないかという衝撃の事実

探しても見つからず、途方に暮れていたのは「僕」じゃなくて「君」だったんじゃないか、と。

そして「ただ君と向き合って 伝えるべき言葉が ひとつだけ在る」とついに「僕」は「君」に想いを伝えようと決意します。

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アイたいよ アイたくて
転んだ事なんて 舌を出してさ
笑ってやるんだ 笑ってやるんだ
≪ロストエンファウンド 歌詞より抜粋≫
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「転んだことなんて舌を出してさ」「笑ってやるんだ」という歌詞から「僕」の心情に大きな変化があったことがわかります。

前の歌詞では転んだ際に周りの目を気にしていた「僕」。

しかし今は違います。

周りの目を気にして気持ちをごまかすことをやめ、しっかりと自分の中にある想いを受け止める「僕」。

そしてその「想い」を伝えるべく「僕」は「君」のもとへと走り出しました。


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溢れ出した目一杯の君の涙も
かすれて消えた君の声も
失くした君の心臓も
『―いま、見い附けた。』
≪ロストエンファウンド 歌詞より抜粋≫
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ついに「君」を見つけ出した「僕」。

「溢れ出した目一杯の君の涙も」という歌詞から「僕」と対面して泣いている「君」の姿が想像できます。

きっと「君」も「僕」を探していたのでしょう。

その証拠に「僕」は「失くした君の心臓」も見つけ出します。

「アイ色のカケラ」の正体は、恐らく「失くした君の心臓」

つまり「君」の中にある「僕」への想いです。

「僕」と「君」は幼馴染。

ある日「僕」は「君」から心に秘めていた想いを打ち明けられます。

しかし想いを受け止めてしまったら、今の関係が崩れてしまうのではないかと恐れ、「僕」は「君」からの想いを素直に受け取れませんでした。

また周囲の目を気にして自分の想いをごまかしてきた「僕」は、「君」の気持ちに勘づきながらも知らない振りをしていたのではないでしょうか。

そうしているうちに2人の間には深い溝ができてしまいました。

離れてみて初めて自分の中に「君」への強い想いがあることを自覚する「僕」。

そしてごまかしてしまったことを後悔します。

今更好きだったなんて言っても遅いと思い込み再び想いをごまかそうとしますが、ごまかそうとすればするほど思いは募るばかり。

過去の過ちと強くなっていく想いの狭間で、もがき苦しんだその先に見つけたのが、かつて「君」と一緒に訪れた思い出の場所だったのではないでしょうか。


楽曲名である『ロストエンファウンド』は和訳すると「遺失物取扱所」。

失くした物を探しに訪れた思い出の場所で、2人はお互いを見つけ出し無事再会を果たします。

迷っている人の背中をそっと押してくれる『ロストエンファウンド』の優しい物語

時を経て聴くことによって「僕」と「君」の物語はさらに深みを増していくことでしょう。

悩んだ時にはぜひ『ロストエンファウンド』を聴いてみてください。

きっとあなただけの「アイ色のカケラ」が見つかるはずです。


TEXT マチオカ アム

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