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【インタビュー】安田レイ「作品に寄り添いつつリアルな自分の思いを表現できた」ドラマ「君と世界が終わる日に」主題歌へ込めた想い

話題のドラマ「君と世界が終わる日に」で物語の切なさをいっそう深める挿入歌「Not the End」。「ドラマの内容は決して他人事ではない」という思いで作詞をした安田レイに、制作時の心境を語ってもらった。

公開日:2021年2月8日 更新日:2021年2月8日


この記事の目次 []
  1. ・素直な気持ちを伝える大切さを実感
  2. ・1人でこもって書いたリアルな歌詞
  3. ・私にとって琥珀色は幸せの象徴
  4. ・みんなで励まし合える1年にしたい

素直な気持ちを伝える大切さを実感

──「Not the End」は竹内涼真さん主演のドラマ「君と世界が終わる日に」の挿入歌で、張り裂けそうな思いがあふれるドラマティックな楽曲ですね。

安田レイ:ありがとうございます。今回は「書き下ろしという形で挿入歌を作ろう」というところから制作を始めたのですが、私自身も作詞を始める前にプロデューサーさん、監督さんと一緒に話ができたことが、すごくパワーになりました。

「君と世界が終わる日に」という作品自体がサバイバルやミステリーという要素、さらにラブストーリーもある人間ドラマなんですけれど、台本を読ませていただいている時に「この物語は決して他人事ではない。今、私たちの世界で広がっている景色と一緒だ」と思ったんです。

この作品の中ではゾンビという「見えるもの」として登場していますけれど、私たちはウイルスという「見えない敵」と対峙していて。先が分からない不安、そして人と会えない孤独感と戦いながら日々生活していますよね。もちろんドラマに寄り添って曲を作ってはいるんですけれど、今、自分達がリアルに肌で感じているこの痛みのようなものも、強く表現できた歌詞に仕上がったかな、と思います。

▲安田レイ『Not the End』Music Video

──確かにコロナのことがなかったら、私たちはこういう現実はどこか空想の話としてしか考えなかったかもしれません。

安田レイ:だからこそ、世の中ですばらしい曲がたくさん生まれたと思うし、今回、この楽曲もそういう苦しみの中で生まれた1曲なんです。

今回、「孤独感」を大事なワードとして歌詞を書かせていただいたんですけれど、今、本当に先の見えない毎日を過ごしていて。会いたい人にも会えない。家にいなきゃいけない。そうするとやはり人間は頭の中でマイナスなことしか考えられなくなる。私も去年の夏はライブができなかったりと、いつもとはまったく違ってしまっていて、モヤモヤしていました。

今まで自分が生きてきた人生を振り返ると、「仕事」が優先順位の上にあり、そのためにいろいろなことを削ってきたんです。でも去年、その見えない敵と出会ってからは、自分の中の価値観が変わっていって。「自分には何が必要なのかな? 自分には何が大事なのかな?」と考えた時に、やはり愛する人たち、家族、友だち、恋人、それぞれあると思うんですけれど、その人がいなかったら、今、私はこの仕事ができていても、果たして本当に幸せなのかな?とすごく感じて。一番手放したくない、失いたくないのはそういう人、存在だということを肌で感じました。

先が見えない毎日を生きていますけれど、そんな中でも「愛する人と自分、この2人の大切な日々を絶対に守り抜きたい」という強い気持ちが、歌詞の中に落とし込めたかな、と思いますね。


──ちなみに去年、人とのコミュニケーションの取り方で新しい変化はありましたか?

安田レイ:いつもだったら「すぐに会えるからいいかな」と思っていた自分の中の言葉は、ちゃんと伝えなきゃいけない。「後でいいや」という気持ちが良くないな、と気づきましたね。

「Not the End」の中に<昨日のごめんねも 明日のありがとうも いつの日か燃え尽き なくなる前に>という歌詞があるんですけれど、本当にそのマインドを大事にしなくちゃいけないな、と思って。明日、自分がどうなるかも分からないし、大事な誰かがどうなるかも分からない。だから今、その日生きているこの時間に、ちゃんと気持ちを伝えておかないと、何かあった時に、私はすごく後悔してしまうな、というのは実感したので。結構、私は強がりなんですよ(笑)。


──なるほど(笑)。

安田レイ:私は素直に「ごめんね」と言えないところがあるんですけれど、去年は大変な時期だからこそ命の尊さ、命の価値観といったことをすごく考えていて。だから「今、自分の中で芽生えたこの言葉を相手に伝えなかったら、絶対後悔するな」と思い、素直になることができるようになったと思います。

あと歌詞の中に<真っ白に汚して行く>という歌詞も、自分としては好きなところですね。真っ白は汚れの色じゃないじゃないですか。いろいろな常識や日常が奪われて、今まで通用していたことが通用しなくなっている。それをどうやったら伝えられるかな、と考えた時に、あえて「真っ白に汚していく」というワードを選びました。あとは街の色がなくなっていく様子とも重ね合わせています。



1人でこもって書いたリアルな歌詞

──歌詞のお話が出たのでもう1つ伺いたいのですが、<この街がわたしを孤独にする>という歌詞の部分は、どういうイメージを抱いて書かれたのでしょうか?

安田レイ:外を歩いていても、いつもより人がいなくて「ここには私1人しか存在していないのか?」「世界とみんな、どこかに行ってしまったのかな?」というイメージが頭の中にわいていた時期があって。実際はもちろんみんな住んでいるんですけれど、ゴーストタウンのように静かになっていて、「何かすごくさみしいな。この孤独感って何なんだろう?」と思ったんです。

いつもだったらさみしくなったら友だちに電話して、「今からごはん食べよう」と言っていたのが、ごはんも食べられないし、会いにもいけないし、この孤独感って増していくばかりだ、と思ったのがきっかけで、<この街が私を孤独にする>と書きました。


──そしてこの曲のタイトル「Not the End」にはどんな思いが込められていますか?

安田レイ:今、目の前に広がっている苦しみを終わらせたい気持ちもあるけれど、どうやって終わらせていいのかが分からない。「自分は何ができるんだろう?」と考えても、結局、この現状を直す力が見当たらないというか、どうすればいいのか分からなくて、ただじっとしていなくちゃいけない、という無力感がすごくあって。

でも早く終わってほしいし、「この結末はどうなるの?」と。誰に向かって言っているのかも分からないけれど、「どうやって終わるの? これは?」と尋ねる。それもすごく孤独だな、と思います。独りぼっちのまま部屋の中で見えない誰かに向かって言っている感じを想像して。歌詞もずっと一人でこもって書いていたので、そのさみしさはすごくリアルになっている気がします。


──この曲は恐怖といった気持ち、プラス「怖くても守りたい」という意思を強く訴えていますよね。

安田レイ:はい。もちろん絶望が大きなテーマなんですけれど、「諦められない」「大丈夫だ」と自分に言い聞かせているパートがところどころに入っています。そのコントラストみたいなものを感じていただければ、と思っています。


──ちなみに安田さんは絶望というか気持ちが落ち込んでしまった時、どういうことをして乗り越えていますか? 

安田レイ:私は好きな食べ物を爆買いします。和菓子が好きなんですけれど、デパ地下に行って、好きな和菓子をあれもこれも買って、ダイエットとかすべて忘れて、バーッと食べますね(笑)。


──ははは(笑)。食欲があれば、なんとか生きていけますよね。

安田レイ:そうなんですよね。ドラマの中でも、主人公である響くんの「食は基本なんだよ!」といったセリフがあって、もう「すばらしい!」と家で拍手しました。響くんが避難所のみんなのために温かいご飯をふるまうんですけれど、「気持ちが落ち込んでる時はやはり食だな」と改めて感じましたし、そのシーンはすごく好きです。


──「Not the End」は最初にサビが来る歌になっていますが、歌に関してはご自身でどんなことを心掛けましたか?

安田レイ:サビスタートなので強い言葉も多いです。サビは強くしたい、というところから英語でスタートしようと考えて歌詞も組み立てていったんです。絶望と少しの希望を意識しながら歌うことができたのと、サビとAメロ、Bメロのコントラストみたいなものは、結構気をつけて歌っています。

Aメロは特に静かな街の中で、誰もいなくてゴーストタウンかな?みたいな感じを想像しながら、誰にも聴こえないけれど、自分に言い聞かせているというか。つい言葉にしてしまった、といったことは意識しながら歌いました。

私も街の中を歩いていて、頭の中だけじゃなくて「これ、今、声にしたいな。音に乗せたいな」と思って、マスクの中でしゃべってみたり、ちょっとメロディを作ってみたりしていますね。今はマスクをつけているからあやしまれなくて、すごくありがたいんですけれど(笑)。


──ライブでもとても映える楽曲ですね。

安田レイ:本当にライブで歌いたい曲ですし、みんなで歌える感じにしたいと思い、英語の韻を踏んでいて「lie」「cry」「bye」と繰り返すところがあります。今、お客さんは声を出せないですけれど、近い将来お互い声を出し合って、このコロナ禍の中でためこんだ怒りや孤独といったものすべて混ぜ込んで、みんなで声にしたいなという、そんな楽しみがありますね。


──ちなみに安田さんが「Not the End」でキーワードだと思われるフレーズは、何でしょうか?

安田レイ:選ぶのが難しいですね。<わたしを奪って行くの>というところもだし、先ほどお話した<昨日のごめんねも 明日のありがとうも いつの日か燃え尽き なくなる前に>、<真っ白に汚して行く>もキーになっているし。どれがいいかなあ。


──すべていいと思います。

安田レイ:え!? 全部大丈夫でしょうか?


──もちろんです(笑)。

安田レイ:よかったです(笑)。そのあたりもじっくり聴いていただけたら、と思います。


私にとって琥珀色は幸せの象徴

──シングル収録曲ではもう1曲「amber」が収録されていて、これは映画「おもいで写眞」の主題歌で、心が温かくなる優しい楽曲ですね。

安田レイ:女優の深川麻衣さんが主人公の音更結子ちゃんを演じていらして、メインテーマは遺影写真です。結子ちゃんがいろいろな写真をとっていく中でどんどん成長していく、というお話なんですけれど、自分とすごく重なるところがたくさんあって。

結子ちゃんはすごく不器用で、「amber」のAメロにもあるんですけれど<いつも 行き場のない想いを 抱え遠くを 睨みつけていた>というところは、まさにこの作品の中で結子ちゃんはすべてのものに対して、ずっと睨みつける感じなんですよ。それは不器用だから自分の弱さを守りたい、というところからきている行動なのかな?と思って。

でもいろいろな人と出会って写真を撮っていく中で、自分の居場所みたいなものを見つけて。いろいろな感情の引き出しを少しずつ周りの人が開けていくことによって、「私は私らしくいていいんだ」と思える場所をどんどん見つけていく話なんですけれど、本当に作品に寄り添った1曲になったなと思います。

▲映画『おもいで写眞』予告映像

──安田さんとも重なるところがある?

安田レイ:ええ。私も意外と人に素直な気持ちを伝えるのが難しいなと感じて、黙り込んじゃうことも多いんですよ。「黙っていたら、分からないよ」とよく言われます(苦笑)。私自身もたとえば仕事を通していろいろな方と出会いますし、誰かとの会話の中で「私はこんなふうに思っていたんだ」と気づくことがたくさんあるんです。

自分らしさといったものは、人から教えてもらっている気がするので、そういった「つながり」を改めて「amber」を歌って、大事なものだと思いました。1曲目の「Not the End」も「amber」も、たぶん「つながり」というのが大事な共通点だと思います。


──最初、低音ですこしクールなボーカルですよね。ここで主人公の女の子の不器用な感じが伝わってきました。

安田レイ:そうですね(笑)。実は今回は映画の撮影が終わった後に、レコーディングができたんです。これは結構めずらしい順番で、普段は台本や文字だけで頭の中で映像を膨らませて歌うことが多いんです。でも今回は映像を見ることができて、結子ちゃんが世界を睨みつけているのがすごく印象に残ったので、それを声で届けたいな、と思って。

特に最初のAメロの部分では、<睨みつけていた>というワードがあったから、「言葉で睨みつけるって、どうやるんだろう?」と自分の中でいろいろ考えて出た正解があの歌声でした。普段言わないような、弱さを隠した強さ、みたいなのがすごく表れているかなと思います。



──なるほど。結子さんの表情がキーになったんですね。

安田レイ:実はさきほど自分のラジオ番組にゲストで深川麻衣さんに出演いただいたんですよ。今、聞きたてほやほやのお話なんですけれど、監督さんから「この作品では笑うな」と言われて、それがすごく大変だったそうで。だから不器用で、たとえうれしくても表情に出ない、という役柄なんです。


──「amber」と言う言葉は、映画のどういった部分が反映されているのでしょうか?

安田レイ:「amber」は「琥珀」をそのまま英語にしたワードなんですけれど、大事なシーンで琥珀色の夕焼けが出てきたり、温かい色味が感じられる作品なので、そのまま「amber」がタイトルになりました。

「Not the End」では<燃えるオレンジ色の空>というフレーズを使っているんですけれど、私はオレンジとか琥珀色は自分の中で幸せの象徴だと思っていて。きれいな夕焼けを見て「1日頑張ってきたよね。明日も頑張ろう」と思えるんですよね。


みんなで励まし合える1年にしたい

──ちなみに安田さんご自身のラッキーカラーというか、「私はこの色」というのはありますか?

安田レイ:私は赤ですね。赤を身に着けると気合が入るし、「大事な時は、赤」と決めています。赤リップとか。衣装もそうですし。「今日は気合を入れてやるぞ!」みたいな時は、赤を塗ることが多い。炎とかそういう色でもあるので、自分の中でエネルギーが燃えているような感覚があります。


──「おもいで写眞」は写真を撮ることが物語の中心になっていますが、安田さんは写真に関してはどんな思い出がありますか?

安田レイ:最近は携帯で撮って現像をしないで、そのままデータだけ残していることが多いですよね。でも小さい頃の写真は、すべて1枚の写真としてちゃんと現像して残している。昔の写真とかを見返すと、その前後の景色を覚えていたりして。

今お話していて、小さい頃に弟と一緒に雪の中で遊んでいる写真を思い出しました。弟が雪を食べている、お茶目な写真があったんですよ(笑)。そういう一瞬一瞬をちゃんと残すっていいですよね。

私も最近はフィルムで写真を撮って、久しぶりにカメラ店さんに行きました。スマホだったらすぐに見ることができるけれど、フィルムだと全部撮り終わって、お店に持って行って現像するという工程があって時間もかかるから、1回の写真を撮る熱量はやはり違いますよね。


──先の見えない状況が続いてはいますが、安田さんは2021年をどんなふうに進んでいきたいと思われますか?

安田レイ:なかなか日常は取り戻せていないですけれど、まずはこの「Not the End」と「amber」をたくさんの方に聴いていただき、近い将来ライブをして。この2曲をみんなと一緒に声を出せる会場が理想ですけれど、ライブをして、「よく頑張ったね」とお互いに褒め合いたいですね。

新曲のプロモーションでもなかなかみんなに会いに行けていないので、「ごめんなさい」という思いやくやしい気持ちもあるので。そういういろいろなパワーをぶつけられるライブをするのが、今年の目標です。でも制作も止めずに、いろいろな作品を作って、みんなで励まし合える1年にしたいです。


TEXT キャベトンコ

1993年4月15日、アメリカ・ノースカロライナ州生まれ。3歳で日本ヘ。10歳の頃、母親が聴いていた宇多田ヒカルに衝撃を受けてシンガーを志す。 13歳で音楽ユニット「元気ロケッツ」に参加。20歳を迎えた2013年、「自身の歌声をもっともっとたくさんの人々の心に直接届けたい』という強い想いを胸···

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