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「いつも何度でも」の歌詞の意味とは?千と千尋の神隠しからも考察

『いつも何度でも』は、2001年に放映されたジブリの名作『千と千尋の神隠し』の主題歌です。温かな歌声が不思議な懐かしさと切なさをかき立てる楽曲。温もり溢れる歌詞に込められた意味を読み解いていきます。

スタジオジブリ不朽の名作


千と千尋の神隠し』は、2001年7月に公開されたスタジオジブリのアニメ作品です。

主人公の少女・千尋が、神々の住む町に迷い込むところからストーリーが始まり「八百万の神」という、日本固有の信仰や世界観が印象的です。

ジブリ作品は多くの人に愛されています。

中でも『千と千尋の神隠し』は人気が高く、2016年、2020年の2度にわたって再上映され話題になりました。

時を経ても衰えない人気は、コロナ禍で苦しむ映画館の救世主といっても過言ではないでしょう。

2020年10月に公開された劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』が『千と千尋の神隠し』の興行収入を塗り替えるかどうか、といったニュースも記憶に新しいですね。

世間を騒がせるモンスター級の人気作品と並んで話題にあがることからも『千と千尋の神隠し』の根強い人気が分かります。

『千と千尋の神隠し』は、神々が訪れる湯屋を舞台に、千尋が人間の世界へ戻るまでの奮闘が描かれています。

妖怪のように奇っ怪な姿の神々や、謎に包まれたカオナシなど、この作品にはたくさんの魅力的なキャラクターが登場します。

しかし、魅力はそれだけではありません。

テーマソング『いのちの名前』を始め、物語の世界観と見事にマッチした主題歌『いつも何度でも』も、作品に彩りを添えています。

それでは『いつも何度でも』の歌詞に触れながら、その意味を考察していきましょう。

覚和歌子が描いた不思議な呼び声


『いつも何度でも』は、『千と千尋の神隠し』の主題歌として覚和歌子が作詞を担当、2001年7月にリリースされました。

透明感と温もりのある木村弓の歌声が、物語の神秘的な雰囲気をさらに深めています。

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呼んでいる
胸のどこか奥で
いつも心踊る
夢を見たい
かなしみは
数えきれないけれど
その向こうできっと
あなたに会える
≪いつも何度でも 歌詞より抜粋≫
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この曲の中では、ずっと同じ声が聞こえています。

「胸のどこか奥で」呼び続ける声の主は、一体誰なのでしょうか?

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呼んでいる
胸のどこか奥で
いつも何度でも
夢を描こう
かなしみの数を
言い尽くすより
同じくちびるで
そっとうたおう
≪いつも何度でも 歌詞より抜粋≫
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人生を生きる上では、数え切れないほどたくさんの悲しみに出会うでしょう。

そんな時、ただ嘆くのではなく「そっとうたおう」という歌詞が印象的です。

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閉じていく思い出の
そのなかにいつも
忘れたくない
ささやきを聞く
≪いつも何度でも 歌詞より抜粋≫
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心折れそうな時、そっと背中を押してくれる、小さな支えになっているのが呼び声です。

いつも胸の奥で、どこからか聞こえる声。

遠い思い出の中に聞こえる声。

その声の正体は一体、誰なのでしょうか。

歌詞を解釈して気づく人生観


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繰り返すあやまちの
そのたび ひとは
ただ青い空の 青さを知る
果てしなく 道は続いて
見えるけれど
この両手は 光を抱ける
≪いつも何度でも 歌詞より抜粋≫
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繰り返す過ちという言葉は、人の人生そのものを彷彿させます。

何度もつまずき、己の愚かさに嫌気が差したり、無情な現実に涙を流したり。

どんなに悲しいことがあろうと、人は立ち上がって前に進むしかありません。

そんな、人生の厳しさの先にある希望を、優しく歌い上げる印象的な歌詞ですね。

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さよならのときの
静かな胸
ゼロになるからだが
耳をすませる
生きている不思議
死んでいく不思議
花も風も街も
みんなおなじ
≪いつも何度でも 歌詞より抜粋≫
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生と死は、何も人間だけに訪れるものではありません。

動物も、植物も、この世に生きるすべての命に生と死があり、その命に大小はないのです。

どんな命でも尊く、愛しいのだ」いうメッセージとも解釈できるでしょう。

『いつも何度でも』会いたい名曲


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海の彼方には
もう探さない
輝くものは
いつもここに
わたしのなかに
見つけられたから
≪いつも何度でも 歌詞より抜粋≫
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『いつも何度でも』の歌詞は、自分の中に輝きを手に入れたところで幕を閉じます。

心の中で呼んでいた声の正体はきっと、人生を生きるうえでかけがえのない大切な人

千尋にとっての、ハクのような存在なのでしょう。

映画のラストでハクと千尋は別れを告げますが、千尋の中にはきっとハクが生き続けています。

自分一人では何もできなかった千尋が、ハクと出会い、ハクのために強くなったように、自分の中に絶対的な信念や心の支えさえあれば、人は強くなれるのかもしれません。

大切な人や場所との別れを描きつつも、最後には胸の奥に温かな希望の光が差す歌詞。

覚和歌子が『いつも何度でも』の中で伝えたかったことは、聴く人の心を優しく照らす、灯火のような存在の大切さだったとも考察できそうです。

多くのファンに愛されるジブリの名作を、人とのつながりが一層大切になった今の時代にこそ、改めて見直してみてはいかがでしょうか。

この特集へのレビュー

女性

お文具さん

2023/09/30 13:56

千と千尋見たくなった…あの曲リコーダーで吹いてるけどやっぱいい曲だ!悲しげに吹いてみます

男性

しん

2023/02/12 21:18

沖縄戦の歌ではないかと感じた

男性

ドク

2021/11/19 09:46

めっちゃいい言葉が並びまくってて読むだけで感動しました。今から千と千尋見てきます。

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