大阪☆春夏秋冬のYUNA(ユウナ)です。
Urock!87回目になりました。桜、少しずつ咲き始めましたね。
私は花粉症ではないので、何の弊害もなく散歩が楽しいと思える春。
ええ、心地よいです。
皆さんはどうですか?
むず痒い季節ではありますが良い出会いに巡り合って、どうか爽快な風が吹きますように。
さて、早速コラムの方にいきましょうか。
今月のテーマ『桜』から今週選曲するのは、2018年のFM802 ACCESS!キャンペーンソングとして制作され、最近では映画の主題歌にもなっているこの曲。
クリープハイプ「栞」
クリープハイプ「栞」
‟栞”というのは本の読みかけのところに挟んで、しるしとするもの。人生を1つの物語とした時にあなたの栞は今どこに挟まっていますか??
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途中でやめた本の中に挾んだままだった
空気を読むことに忙しくて 今まで忘れてたよ
句読点がない君の嘘はとても可愛かった
後ろ前逆の優しさは、すこしだけ本当だった
≪栞 歌詞より抜粋≫
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この歌では僕と君との別れが描かれています。
栞が挟んであるという事は、読みかけた途中の段階。
栞が挟まったままの場所=別れた日
だと捉えられます。
栞を挟んだそんな日から中々進められずにいる僕は、戻れるものなら戻りたいと思い続けていることでしょう。
本を読み進めるなんてもってのほか。人生の続きなんて想像できるはずもなく、、、。
空気を読む事に気を取られすぎて、大事な君を放ったらかしにしてしまっていたのかもしれません。
僕が挟んだ栞と同じページに彼女の気持ちも挟んだままで、独りよがりの日々。
人間というのは自分の気持ちや行動に嘘をついていると、言葉が速くなったり、焦って時系列がぐちゃぐちゃになってしまいます。
別れを告げるために優しさで嘘をついた彼女は、まさに句読点がないような状況でしたが、わかりやすいもんだから愛おしくて仕方ないのです。
‟後ろ前逆の優しさ”
優しさだと思って嘘をついている彼女ですが、気づいてしまっている僕にとっては逆にそれが真実を貫いているようで、後ろ前の入れ違いが本当を導いてしまう。
気づかない努力も時には必要なのかもなあ。
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簡単なあらすじなんかにまとまってたまるか
途中から読んでも 意味不明な2人の話
≪栞 歌詞より抜粋≫
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2人で過ごした人生を、短縮された助走でまとめられては、たまったもんじゃないですよね。
あらすじなんて、本質を握ってもいないし読んだ先に様々な答えが待っているんだから、主人公の人物紹介程度のもの。
今の自分を形成している過去に削るものなんてありませんし、生きている間に沢山の人と出会い、全部が全部に繋がっているからこそ、途中から読んでも分かりやしない物語なのです。
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桜散る桜散る ひらひら舞う文字が綺麗
「今ならまだやり直せるよ」が風に舞う
嘘だよ ごめんね 新しい街にいっても元気でね
桜散る桜散る お別れの時間がきて
「ちょっといたい もっといたい ずっといたいのにな」
うつむいてるくらいがちょうどいい
地面に咲いてる
≪栞 歌詞より抜粋≫
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桜が散り始めている時期ですが、春を超えていない今だからこそ希望が近くにあります。
しかし、引き寄せるには踏み出すことが必要で。
「今ならまだやり直せるよ」という気持ちで胸がいっぱいにも関わらず、そうは伝えられない僕は、そんな気持ちを‟嘘だ”と強がり、そっけない言葉を添えては優しい振りをする。
やり直すにもいろんな方法があって。
過去に戻ったり、手紙や言葉で伝えたものを取り消しする事はできないけれど、SNSでは送信取り消しが出来るようになりましたよね。
本に書かれている1ページをちぎってしまうような事はしないのに、送信取り消しという機能はとても簡単にできてしまうせいで、とてもズルい。
恥ずかしさと証拠隠滅。
自分はこんな人間ではない、と道筋示すために落としてきたパンを戻って回収してしまうなんてなんだか切ない気がします。
それでも自分の気持ちに正直になると、‟ちょっと・もっと・ずっと”なんてわがままな気持ちが浮き出てくるものです。
もう同じ道を辿れずに後悔をして、俯いているくらいがちょうどいいのかもしれません。
そんな歌詞に救われる部分沢山ありますよね。
足元ばかり見ていないで上を向いて歩くことも大事ですが、俯いている時だからこそ見つけられる幸せだってあるのです。
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初めて呼んだ君の名前 振り向いたあの顔
それだけでなんか嬉しくて 急いで閉じ込めた
≪栞 歌詞より抜粋≫
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君と出会った時の頃を思い出すと、不思議なことに歳を重ねてもその感情に浸ることができますよね。
たとえそれが自分が歩んできた人生じゃなかったとしても。
この「栞」をきっかけに『14歳の栞』という映画が生まれました。
関東を始め、最近は関西での上映も開始されソールドアウトが続いているそう。
この映画はとある中学校の3学期、「2年6組」35人全員に密着し、ひとりひとりの物語を紐解いていくドキュメンタリー映画。
劇的な主人公がいなければ大きなどんでん返しもないみたいなのですが、35人分の物語は間違いなく、1人1人の過去を蘇らせてくれるはずです。
どの時代にだって栞は挟めるのかもしれません。
他人の青春時代を覗いたとして、知らない観客でも、自分をそこに当てはめてしまうことができるのだから。
自分の過去に栞を挟んで当時を思い出す。
消えることのない青春時代に光を当てながらあの頃の自分に出逢いに行く。
そんな感覚でしょうか。
閉じ込めた気持ちを開きにいけるなんて最高ですよね。
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あのね本当はね あの時言えなかったことを
あとがきに書いても 意味不明な2人の話
≪栞 歌詞より抜粋≫
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タイミングが合わなかったり、不器用な自分が現れて言えなかったことやすれ違った事、沢山あるはずです。
それをあとがきに書いたとしても、どの時にどう感じた言葉なのかはわかるはずもなく意味不明な2人の話になってしまいます。
その時に感じた事を言葉にする。
それが無理ならば一度栞を挟んで、気持ちが整ってから言葉を伝える。
栞は決して覚えておくためだけの‟しるし”の役割だけではないのです。
自分を待たせて自分を進ませるそんな‟しるし”でもあるのです。
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ありがちで退屈などこにでもある続きが
開いたら落ちてひらひらと風に舞う
迷っても 止まっても いつも今を教えてくれた栞
ありがちで退屈などこにでもある続きが
終わってからわかっても遅いのにな
うつむいてるくらいがちょうどいい
地面に泣いてる
≪栞 歌詞より抜粋≫
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ありがちな展開を想像できたとしても、地面に涙は落ちてしまうもの。
遅かったのもわかっているけれど、気付くのが少し遅かったのかもしれません。
水を与えれば花は咲く。
涙を落としては人生に花開く。
それを繰り返して成長して行けたなら、いつか上で花開く桜に出会えるはず。
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この気持ちもいつか 手軽に持ち運べる文庫になって
懐かしくなるから それまでは待って地面に水をやる
≪栞 歌詞より抜粋≫
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重くて中々持ち上がらなかった腰や、辞書や図鑑のように分厚すぎる2人の思い出も、時が経てば「何を見失って何に迷っていたのだろう??」と自然と気持ちが楽になったり、忘れてしまうものなのです。
手軽に持ち運べる文庫になってしまうものなのです。
懐かしいだけの気持ちになるまでは強がらずに君を思い、挟んだままの栞から前を読み返していたいですね。
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桜散る桜散る ひらひら舞う文字が綺麗
「今ならまだやり直せるよ」が風に舞う
嘘だよ ごめんね 新しい街にいっても元気でね
桜散る桜散る お別れの時間がきて
「ちょっといたい もっといたい ずっといたいのにな」
うつむいてるくらいがちょうどいい
地面に咲いてる
≪栞 歌詞より抜粋≫
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桜が散る時期に出会えた君にも、桜が散る時期に別れた君にもどうか栞の続きが輝いていられますように。
いまの葛藤や不安が文庫になるまで、1ページずつ一歩ずつ春が刻まれますように。
どうでしたでしょうか?
今生きているこの先にはいったいどんな物語が。
皆さんはどのページに栞を挟みたいですか??
私にも挟んだままのページがあります。今でも遅くないかも、なんて、、、。
うつむいて見つけた地面に咲く花は、むず痒さすらも吹き飛ばしてくれるようで。
どうか素敵な春が訪れますように。
ではまた。
You rock!!
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この記事を書いた人
YUNA(ユウナ)
1999年5月26日生まれ(双子座 /A型/一人っ子)
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【クリープハイプ プロフィール】 2001年結成。2009年11月に現メンバー体制となり、本格的に活動をスタートする。 2012年、アルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』でメジャーデビュー。 2014年に初の日本武道館2days公演を開催、 2018年5月にも約4年ぶりとなる2度目の日本武道館公···