『インフイニティ』はアニメ『SK∞ エスケーエイト』のEDテーマ
ハスキーでエモーショナルな歌声と、繊細かつ力強い楽曲で若者の支持を集める優里。
『かくれんぼ』、『ドライフラワー』がバイラルチャートを席巻し、今日本で最も熱いシンガーソングライターと言っても過言ではありません。
そんな優里がTVアニメ『SK∞ エスケーエイト』のエンディングテーマとして書き下ろした曲が『インフィニティ』です。
『SK∞ エスケーエイト』は、スケートボードのレースバトルに熱中する若者たちの姿を描いた青春アニメ。
初めてのタイアップ曲で優里がどんな世界を描き出してくれたのか、さっそく歌詞を見ていきましょう。
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蹴とばした石が転がる道
意地っ張りな君 似てる同士
素直になれずに I will remember
record スニーカーと真似をした
≪インフィニティ 歌詞より抜粋≫
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南国を思わせるゆったりとしたレゲエ調のリズムにのって、スケボーをしている少年たちの姿が目の前に広がるような歌詞で始まる『インフィニティ』。
この曲は、優里が初めて「友情」をテーマにして書いた楽曲です。
スケボーに限らず何か同じものに熱中している仲間とは、お互いに密かなライバル意識とリスペクトを持ちながら、決してそれを言葉にしないような不思議な関係が生まれるものですよね。
このフレーズからは、そんな少年時代特有の友情が伝わってくるような気がします。
スケボーの技に込められた意味
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想像しない wall ride
笑わせてくれたね all right
all night 朝を待ってた
もう一人の自分みたいに思ってるよ
一生
≪インフィニティ 歌詞より抜粋≫
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このフレーズに登場する「wall ride」という言葉は、実はスケボーの技の名前。
垂直や傾斜のきつい壁をスケボーで滑る、とても高度なテクニックを必要とする技です。
自身もスケボーが好きと言う優里は、「wall ride」という技にもう1つの意味を持たせているのではないでしょうか。
気ままに生きているように見える若者たちにも、厳しい現実の中では楽しいことばかりではなく、様々な悩みや苦しみが訪れますよね。
苦しみや葛藤という高い壁を、難しい技「wall ride」を克服するように乗り超えて行け。
そして一番大切なものは、苦しい時に傍で笑わせてくれたり、朝まで一緒にいてくれる友達なんだよ、と優里は伝えようとしているのかもしれません。
「シューレース」が意味するものを考察
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固く結んだシューレース
僕が好きな色にしよう
無限大なんだ
I like what I always like
≪インフィニティ 歌詞より抜粋≫
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「シューレース」とは靴紐のこと。
スケボーの靴紐には実に様々な色や形、素材があります。
モノトーンやカラフルなもの、丸いタイプと平たいタイプ、柔らかい素材と硬い素材、その組み合わせは無限大です。
「インフィニティ」とは「無限」という意味。
優里はスケーターにとって重要なアイテムの靴紐を通して、若者たちが持つ無限の可能性を表現しているのではないでしょうか。
自分に合う靴紐を選び、解けないように結ぶことは、ブレずに自分らしく生きていこうという若者たちへのメッセージとともに、優里自身の決意のようにも聴こえてきますよね。
優里が自分自身に歌いかけるような歌詞がエモい
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共にいこう 君と行こう
くだらない話を 君としよう いつまでも
隣で笑いたい
≪インフィニティ 歌詞より抜粋≫
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ただ一緒にいるだけで楽しい、そんな仲間たちとの時間はいつまでも続くかのように感じるものです。
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明日世界が終わるなら
特別とか別にいらないから
いつもと同じペース
変わらない僕らで居よう
そう『今』が美しいよ
≪インフィニティ 歌詞より抜粋≫
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しかし、子供と大人の間にいる若者たちは、友達とくだらない話で笑い合う日々が長くは続かないことを、心のどこかで理解しています。
限りある時間だからこそ美しく輝く「今」を大切にしてほしいと、自身もまだ若い優里が自分に向けて歌っているようにも聴こえるフレーズですよね。
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共にいこう 君と行こう
想いがあるなら
Let's keep feelings
Let's keeping your heart
いつでも胸に君が居る
≪インフィニティ 歌詞より抜粋≫
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この曲で歌われる「想い」にはどんな意味が込められているのでしょう。
それは、大好きなスケボーに真剣に取り組んだこと、いつも自分らしくいようと決めたこと、そんな青春時代のピュアな気持ちのような気がします。
その「想い」を持ち続ける限り、たとえ違う道を進んだとしても友達はいつも心の中にいて友情は無限に続くいていく。
優里はそう歌っているのではないでしょうか。
「インフィニティ」に見る優里の無限の可能性
この曲の中で何度も繰り返される「feeling」とは「感覚」や「感情」を意味する英語。
でも、それだけではこの言葉を表現しきれていなように感じませんか?
『インフィニティ』を聴くと、気の合う仲間と一緒に過ごした日々の陽射しや気温、匂い、街のざわめきが蘇ってくるような気がします。
そんな五感で感じる空気感が「feeling」ではないでしょうか。
若者から絶大な支持を得ている優里ですが、この曲は幅広い層に「feeling」を感じさせてくれるような曲。
そして、優里というシンガーソングライターの才能の無限性を感じさせてくれる曲ではないでしょうか。