世界でも注目されつつあるソロアーティスト
KAZ.は2020年1月22日にデビューを果たして以来、『JUST FEELING』『Love talk』『Replay』『My Song』 のデジタルシングルを発表してきました。
甘く透明感のある歌声は、一度聴くと癖になります。
これまで送り出してきたデジタルシングルはすべて、KAZ.本人が作詞作曲、プロデュースまで行ったこだわりの曲ばかり。
中でも2ndシングルの『Love talk』はSpotify のプレイリスト「ティーンカルチャー」に入った他、23か国で再生されるなど、高い注目を集めました。
それでは早速『U Love』の内容に触れていきましょう。
「1番じゃなくてもいい」秘めた恋心
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冷たい雨に濡れてる私を
優しく包んでくれたあの日から
1番になれなくて
『それでもいい』言い聞かせてたの
『何してる?』そんなこと
考えてるのずっと
≪U Love 歌詞より抜粋≫
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愛しい人との出会いは「私」にとって大切な思い出であり、密かに心の中で思い続けているようですね。
それでも、好きな人の1番にはなれない。
なれなくてもいいと自分に言い聞かせる日々は、痛みも伴ったはずです。
言い聞かせなくてはいけないということは、心の奥深くでは「1番になりたい」と願っているのでしょう。
「何してる?」という歌詞には、愛しい人が今どこで何をしているのか知りたい気持ちと、「一体自分は何をしているのか」といった気持ちを代弁しているようです。
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抱きしめて私のことを
ずっと いつだってこの気持ち
抑えてたの
あなたの側に居たくて
嘘をついてたの
本当はもっと甘えたくて。
≪U Love 歌詞より抜粋≫
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サビの歌詞では、本音をぐっとこらえて、寂しい気持ちを隠し続ける切ない恋心が歌われています。
好きだからこそ、言えない気持ち。
側に居たいからこそ「好き」だと言えない矛盾。
まさに王道の恋愛ソングであり、片思いソングといえるでしょう。
隣に居るために自分の気持ちに嘘を吐き続ける「私」の恋心に、胸が締め付けられます。
嘘と引き換えに守り続ける「あなた」の隣
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あなたの香水も好きなタバコも
見る度あなたのことを思い出してる
何もかも引き換えに
ただ側に居れるならきっと
でも、今は気持ちを伝える事も出来ない
≪U Love 歌詞より抜粋≫
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愛しい人の好きなものは、全部頭に入っているのでしょう。
ついつい目が行ってしまったり、その人を思い出してしまったり。
思いが通い合っていれば幸せな時間も、片思いともなれば苦い時間になってしまいますね。
すべてを引き換えにしても、側に居られるならそれでいい。
そう思ってみても、胸に秘めた思いを伝えらえないのは辛いことです。
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『いつだって私のことをずっと思ってて』
そんなこと言えないから
この気持ち伝えたなら
あなたどんな顔するのかなんて
思ってた。
≪U Love 歌詞より抜粋≫
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サビで本音を吐き出しては、そっと胸の内にしまう。
『U Love』はまるで、宛名のない手紙のようです。
「あなた」への思いを書き綴っても、決して届くことのない手紙。
だからこそ本当の気持ちが溢れ出してしまうのかもしれません。
この気持ちを伝えたら、一体どんな顔をするのか?
知りたいような、知りたくないような、複雑な心境ですね。
しかし「あなた」の隣に居るために、本音を届けることはできないのです。
報われない恋にさよならを
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楽しい時、寂しい夜
どんな時だって
あなたのことずっと消えないままで
苦しいよ
≪U Love 歌詞より抜粋≫
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好きな人のことは、四六時中考えてしまうものですよね。
楽しい時、苦しい時、その人の顔を思い浮かべては元気になったり、切なくなったり。
届かないと知りながら隠し通す恋に疲れてしまう夜もあるでしょう。
しかし、忘れようとしても忘れられないのが、恋というものです。
もしかすると「1番になりたい」という思いを捨て、「あなた」のことを忘れようとした日もあったかもしれません。
それでも決して消えてくれない「あなた」。
それほどまでに好きで、心の奥深くに住み着いてしまったからこそ「私」はこんなにも苦しんでいるのです。
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『私のことをずっと...。』
いつだってこの気持ち抑えてたの
本当は気づいていたの
あなたに「大切な人」がいること。。。
≪U Love 歌詞より抜粋≫
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「私のことをずっと…。」その先を伝えることができず、消えていく思い。
何度伝えようとしても、諦めようとしても、消えることも、伝わることもなかった思いなのでしょう。
なぜなら、愛しい人には自分以外の「大切な人」がいるから。
好きな人には好きな人がいた。
深く愛してしまった人の目に映る人が自分ではないという現実は、どれほど「私」の恋心をえぐったことでしょう。
そのことに気付いていたから、どうしても思いを伝えることができなかったのです。
伝えれば、今の2人の関係が壊れてしまう。
叶わぬ恋なら、せめて隣にいたいと願うのも恋心です。
決して実らないと知っていながら「私」は嘘を吐き通すことで「あなた」の側にいようとしたのでしょう。
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抱きしめて私のことを
ずっと いつだってこの気持ち
抑えてたの
これからあなたの事を胸に
終っていく
この関係はもう終わりよね
寂しいけど
≪U Love 歌詞より抜粋≫
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好きな人がいる「あなた」を愛し、本音をひた隠しにして隣に居続けた「私」が、痛みと引き換えに守り続けてきた2人の関係。
それを断ち切ろうと思ったのは、これ以上恋心を隠すことに疲れたからなのでしょうか。
抑えていた気持ちを最後にぶつけて別れを告げるのか、ひた隠しにしたまま、そっと心に蓋をするのか。
どちらにしても、胸が苦しくなるような結末です。
恋というものは理屈ではありません。
報われない相手だと知っていても、好きになってしまったら思いは加速するばかりで、簡単に止めることはできませんよね。
『U Love』は儚い恋心を歌い上げた珠玉のバラードです。
実らぬ恋に身を焦がす「私」の思いを、甘く切なく歌い上げるKAZ.の歌声は必聴です。
オフィシャルサイトで少しだけ音源が公開されているので、ぜひ聴いてみてくださいね。
誰かに恋い焦がれる気持ちや、届かない思いを抱えた痛み。
聴く人の心にすっと入り込む、優しくも切ない歌声に心奪われること間違いありません。