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人と人以外の生物が起こす矛盾。SEKAI NO OWARI「虹色の戦争」[しゅかしゅんYUNA Urock!第99回]

大阪☆春夏秋冬・YUNAが、話題の楽曲の歌詞を紐解く歌詞コラム[しゅかしゅんYUNA Urock!]。今回はSEKAI NO OWARI「虹色の戦争」です。

大阪☆春夏秋冬のYUNA(ユウナ)です。

Urock!99回目になりました。



今月6月は『虹』というテーマでお届けしております。

『虹』に因んだ言葉がタイトルや歌詞に含まれていると、夢に結びついている事が多い印象でしたが、今回選曲した曲はとても変わった視点だなあと感じています。

紐解いていけば紐解いていくほど面白い。

SEKAI NO OWARI『虹色の戦争』

SEKAI NO OWARI「虹色の戦争」

世の中には、呼吸をしている生き物が沢山います。

共存しているはずなのに、私たち人間は動物を食べ、花を人へと受け渡す。

そんな私たちは時に平和を歌う。

果たしてそれが平和な世界なのだろうか?

生物の間で起こる矛盾に疑問を抱き、投げかけられたこの歌詞はどんな展開を見せていくのでしょうか?

戦争に虹がかかる意味を求め紐解いていきます。

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花に声があるなら何を叫ぶのだろう
「自由の解放」の歌を世界に響かせているだろう
平和に耳があるなら何が聴こえるだろう
偽物の自由の歌が爆音で聴こえるだろう
≪虹色の戦争 歌詞より抜粋≫
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言葉や鳴き声を発する事ができる生物とできない生物が存在しています。

後者に当たる花に、もしも声があるならば、どんなことを感じているのでしょうか?

同じ場所に咲き続ける事を望むのか。

摘まれることを望むのか。

花束になり受け渡される事を望むのか。

虫の蜜になることを望むのか。

何かのためだけでなく、きっと自分の意思を持って自由奔放になりたいと叫んでいる事でしょう。

前者である私たち人間は、平和を歌い平和を受け継いていますが、生き抜くために様々な生き物を犠牲にしています。

そんな中でもしも平和に耳があったなら?

同じ人間同士ならば分かち合えるものも、お互いが言葉を交わせないせいで嘘偽りがあるものになってしまうというズレが生じてしまいます。

まず、何かをきっかけにするわけでもなく、虹の戦争は始まっているようですね。

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花が叫ぶ愛の世界で僕等は平和を歌っている
鳥籠の中で終わりを迎えた「自由」は僕になんて言うだろう
≪虹色の戦争 歌詞より抜粋≫
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ラブ&ピースという言葉があるように愛と平和は繋ぎ合っていますが、あくまで&(アンド)であって=(イコール)ではないという事をひしひしと感じます。

そして自由奔放になれず閉じ込められてた‟自由”という選択肢がそのまま消滅してしまうのです。

そもそも本当の自由とは何か。

いつのまにか覚えた言葉やいつのまにか備わっている知識が人を左右し、好き勝手な自由をさせてしまう。

それもそのはず、人それぞれ自由には捉え方があると思っています。

「自由にしていいよ、好きにしていいよ」

その言葉に愛を感じる時もあれば、見捨てられた言葉に感じる時も。

そんな‟自由”自身に、もしも声があればなんと言うのでしょうか。



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生物達の虹色の戦争
貴方が殺した命の歌が僕の頭に響く
The war of the rainbow color

生物達の虹色の戦争
貴方が殺した自由の歌は貴方の心に響いてますか?
The war of the rainbow color
≪虹色の戦争 歌詞より抜粋≫
----------------

太陽の光が雨粒に差し込み、雨粒の中で反射・屈折し七色に分かれて見える光が虹になっているわけですが、そもそも簡単に見られるものではありません。

生きていられることも、そのくらい簡単なことではないと言われているようで、さらに命の重みみたいなものを感じますね。

自由を奪われた身と奪った身を対比しつつも、何故かそれを誰かに訴えかけているわけでもないように聞こえます。

解決しようとしているわけでも押し付けているわけでもないですし、多分それって答えがないからなのかもしれません。

実際に自分が生きている理由だって、何のために? と聞かれてもわかりません。

自分のため? と言われても、自分のためだけならばきっと何も続かないしやるせない日々になるに違いない。

人のため? と言われても、自分が誰かのために何かをできている自信はない。

私もこの活動をしていると、人から愛をもらう形がわかりやすいですけど、基本的に自分が何かを持っているとも思えないし、役割があるとも思えていないです。

ただやりたい事が沢山あって、ただ死ぬ覚悟がないくらい。

そういう考え方の沼にハマると誰かのためになっている花が羨ましく思う時もあるのかもしれません。

咲いているだけで価値があるというか。

逆に咲けなかった植物があったり、育ちきれなかった動物だっているかと思います。

極論、そうやってそれぞれが価値を見出しながら勝利のない戦争を続けているのです。

----------------
虫に歌があるなら何を叫ぶのだろう
「平和の解放」の歌を世界に響かせてるだろう
自由に耳があるなら何が聴こえるだろう
偽物の平和の歌が爆音で聴こえるだろう

虫が叫ぶ平和な世界で僕らは愛を歌っている
虫籠の中で終わりを迎えた「命」は僕に何て言うだろう
≪虹色の戦争 歌詞より抜粋≫
----------------

1番では花が例にあがっていましたが、2番では虫が出てきました。

捕まえられては虫かごに閉じ込められ、部屋の中を飛び回れば叩き潰されたりスプレーを吹きかけられる。

平和に意思がないように命にも意思はないですが、もしも声を発することができたならば聞きたい声というのが沢山あります。

喋れる人間でさえわからないのだから。



----------------
生物達の虹色の戦争
貴方が殺した命の歌が僕の頭に響く
The war of the rainbow color

生物達の虹色の戦争
貴方が殺した自由の歌は貴方の心に響いてますか?
The war of the rainbow color

青色の空に神様がきて願いを1つ叶えるなら
花や虫は何を願うのだろう
青色の空に神様がきて願いを1つ叶えるなら
僕等の命の炎は消えてしまうのだろう
≪虹色の戦争 歌詞より抜粋≫
----------------
私たちが何かを神頼みするように、花や虫はなにを願うのか。自分たちの命をどうやって守ろうとするのか。

しかし、

もしも〇〇なら?

だとか、

〇〇だろう

という仮説と推量が並べられている通り、花や虫を含めて誰だってその答えを知らないのかもしれません。

終盤まで紐解いてきたものの、「虹色の戦争」の正体はこの後に全て書かれています。

----------------
"The war of the rainbow color"
is the war the whole world knows
and the whole world participate in.
≪虹色の戦争 歌詞より抜粋≫
----------------
(「虹色の戦争」とは世界中が知っていて世界中が参加している戦争である)

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"The war of human vs. living things except human"
is the war the whole world "does not feel"
even though the whole world "knows"
≪虹色の戦争 歌詞より抜粋≫
----------------
(「人間と人間以外の生物の戦争」とは世界中が「知っている」のに世界中が「感じない」戦争である)

全てはこの英詞そのものですよね。

わかりやすく日本語で訳を書いていますが、英詞だからこその良さと、丁度いい深みのバランス。

全員が知っている上で対戦をしているのに、悪を感じない。

それが人間と人間以外の生物の戦争であり虹の戦争なのです。

世界の終わりからSEKAI NO OWARIを超えてこの先も歌われ続ける事を願っています。



どうでしたでしょうか?

どんな生物も平等にはなれないかもしれないですが、この先も戦争に虹がかかっていてほしい。そう思います。

ではまた。

You rock!!

しゅかしゅんINFO

【リリース】
●最新アルバム『BRAVE SOULS』CD発売中&配信中 

【イベント】
※国及び各都道府県からの要請に基づき変更となる場合もございますので、イベントの実施に関しましては各所ホームぺージ、SNS等でご確認の上、ご参加下さい。

●EONソロイベント『せやかてEON』
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[会場] 東京・池袋 Space emo
[時間] 開場17:30 / 開演18:00

●MANAソロライブ『SOOTHING vol.4』
[日程] 2021年6月18日(金)
[会場] 東京・池袋 Space emo
[時間] 開場17:30 /開演18:00

●『YATSUI FESTIVAL 2021』
[日程] 2021年6月19日(土)、6月20日(日)
[会場] 東京・渋谷 O-EAST / O-WEST / duo MUSIC EXCHANGE 他。配信あり。
※大阪☆春夏秋冬はどちらか1日出演。
INFO: yatsui-fes.co

●YUNA生誕祭『U22〜日常が特別な居場所〜』
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[会場] 東京・池袋 Space emo
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[日程] 6月24日(木)開場17:30/開演18:00 
[会場] 東京・Shibuya eggman
[友情出演] TETSUYA(Bass)・TENTEN(Drums)・MAECHAN(Guitar)
[ゲスト] 日向ハル(フィロソフィーのダンス)、大林亮三(RYOZO BAND)

●『GIG TAKAHASHI 2』
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[会場] 東京・USEN STUDIO COAST
[時間] 開場12:00 / 開演13:00
[出演] Awww! / アメフラっシ / ARCANA PROJECT / いぎなり東北産 / 大阪☆春夏秋冬 / 九州女子翼 / Task have Fun / ばってん少女隊 / PiXMiX / B.O.L.T / まなみのりさ / meme tokyo. / ゆるめるモ ! / 他

●『現能序章2021』
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[会場] 大阪・香里能楽堂
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この記事を書いた人


YUNA(ユウナ)
1999年5月26日生まれ(双子座 /A型/一人っ子)

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2010年、突如音楽シーンに現れた4人組バンド「SEKAI NO OWARI」。 同年1stアルバム「EARTH」をリリース後、2011年にメジャーデビュー。 圧倒的なポップセンスとキャッチーな存在感、テーマパークの様な世界観溢れるライブ演出で、子供から大人まで幅広いリスナーに浸透し、「セカオワ現象」とも···

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この特集へのレビュー

男性

黄色いカラス

2021/06/23 11:14

人間 vs 他の生き物
なんてSF映画、小説なんて山ほどあるし
どれも平和とか生命について描かれていて血生臭いものばかり。

けどこの曲で描かれてる、歌われてる戦争
SFとは違う世界観を感じる。

キリスト教的な考え方をすると、
アダムとイヴがエデンの園にある生えていた「善悪の知識の木(善悪を知る木)」になっていた「知恵の実」を食べてしまったせいで、
人間は善悪を考えられるようになった。

ライオンが他の動物を殺して食べることに生はあるけど善悪はないし、花が咲いていることも生はあるけど善悪はない。

けど人間が花を摘み取って花束にして誰かに渡す。
そこに確かに平和はあるけど、そのもっと奥には人間ではない生き物の生を摘み取ってしまった悪があって偽物の平和とも捉えられる。

世界中が「知っている」のに世界中が「感じない」戦争。
なんて考えに至るのは善悪を判断できる人間だけなんだろうけど、
もし、青色の空に神様がきて花や虫が「知恵の実」を食べることを願ったとしたら、
人間は何億年も積み重ねてきた花や虫にとっての悪を背負い切れるかな?

男性

まーくん

2021/06/16 18:13

大学生の頃狂ったようにカラオケで歌ってた思い出
英詞のとことか、意味もわからず歌ってたけど、こういう意味やったのか
命の重さを謳ってるものだと、漠然と感じとることしかしてこなかったな

生物たちの虹色の戦争

仕事柄考える機会はいくらでもあるのに
考えたことがない、もしくは
考えないように無意識下でそうしてきたのか、、、。

セカオワは命をテーマにすることが多くて、どの曲も好き!
煌めきよりも儚さを謳っているとこも含め

いつかまた違う曲もコラムで触れて欲しいな
由奈ちゃんの解釈が知りたい

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