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大友良英発、『あまちゃん』を盛り上げた『潮騒のメモリー』

『あまちゃん』の挿入歌、小泉今日子が歌った『潮騒のメモリー』はシングル化されている曲です。もともと劇中歌の一つだったのがあまりに評判がよかった為、シングル化されました。年末の紅白歌合戦では、潮騒のメモリーズ(能年玲奈・橋本愛)、天野春子(小泉今日子)、鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)と歌い継いでいくかたちで披露されています。


『あまちゃん』の挿入歌、小泉今日子が歌った『潮騒のメモリー』はシングル化されている曲です。もともと劇中歌の一つだったのがあまりに評判がよかった為、シングル化されました。年末の紅白歌合戦では、潮騒のメモリーズ(能年玲奈・橋本愛)、天野春子(小泉今日子)、鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)と歌い継いでいくかたちで披露されています。

この曲はドラマ内でも重要な曲。主人公の天野アキを演じる能年ともう1人のヒロインゆいちゃんを演じる橋本の劇中ローカルアイドルが潮騒のメモリーズ。この潮騒のメモリーズが歌った『潮騒のメモリー』という曲は、表向きは鈴鹿ひろ美のヒット曲。しかし実は音痴な鈴鹿に代わって影武者としてアキの母親である天野春子が歌っていた、という設定の曲です。これらの主要人物をつなぐこの曲をリレー形式で披露したのは、ドラマのストーリーを再現した演出なんですね。

作曲は大友良英。大友良英はもともとはアバンギャルドで実験的な曲も多いアーティストです。しかし今作のように映画やドラマなどのサントラを多く手掛け、歌謡曲も作曲できるほど器用な人物。Sachiko Mと共同で作曲し試行錯誤しながら、この曲を完成させました。

歌詞は『あまちゃん』の脚本家でもある宮藤官九郎。クドカンらしいパロディにあふれた内容になっています。

この曲のタイトルからして歌謡曲『潮騒のメロディー』のパロディになっています。『潮騒のメロディー』は高田みづえが歌った1979年の曲で、もともとはピアノのインスト曲でした。それゆえにメロディーが印象深い曲。



“来てよ その火を 飛び越えて”
三島由紀夫原作の映画『潮騒』も元ネタになっています。歌詞にある「来てよ その火を飛び越えて」は『潮騒』における男が火を飛び越えて女の元に向かっていく場面をうけているんですね。

さらには小泉今日子の『スターダスト・メモリー』、薬師丸ひろ子の『探偵物語』の「あんなに激しい潮騒が」の歌いだしもうけているタイトル。タイトルだけで様々な意味が込められていることが分かります。

『あまちゃん』のドラマの中では80年代の架空の大ヒット映画『潮騒のメモリー』の主題歌。薬師丸ひろ子演じる鈴鹿ひろ美が主演し主題歌を担当した設定。その主題歌の影武者となっていたのが小泉今日子演じる天野春子です。


「北へ帰るの 誰にも会わずに」この歌詞は、ドラマ内で天野春子が東京から故郷の岩手に帰る展開をうけています。パロディだけにとどまらず、きちんとドラマの展開にも沿っている歌詞。


17歳というのは主人公天野アキが登場した際の年齢。「潮騒のメモリー 17才は 寄せては返す 波のように 激しく」とは海女さんになってアイドルにもなる天野(海女の、とかかっている)アキの激しい人生を表現しています。岩手の北三陸袖が浜の思い出が、まさにアキにとって潮騒と共に刻んだメモリーであることが分かります。


『あまちゃん』は、普段朝ドラを観ない層までも引きつけ大ヒット。作曲者大友良英は『あまちゃん』関連の仕事が大幅に増えました。能年玲奈や橋本愛もブレイク。アキの憧れの先輩を演じた福士蒼汰をはじめ、若い頃の天野春子を演じていた有村架純もたくさんのドラマ、映画に出演するようになりました。この曲は、様々なメモリーを現実にもたらしたんですね。



TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)

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