TikTokで活躍中のユイカが描くリアルな恋模様が話題
TikTokを中心に活躍する現役女子高生シンガーソングライターのユイカ。
多くのアーティストの弾き語りカバー動画で人気を獲得するなか、リリースされたオリジナル楽曲『好きだから。』が大きな話題となっています。
2021年6月27日にYouTubeで公開されたMVはすでに500万回再生を突破し、国内外から多くのコメントが寄せられています。
さらに、ファンが共感共有した音楽データをランキング化したSpotifyの「バイラルトップ50」で第2位にランクイン(7月22日~7月28日集計分)。
ユイカの高校生らしい素直な歌詞と囁くような優しい歌声が、同世代の若者たちの共感を呼びました。
また、少し大人の世代の人たちにとっても、青春時代の甘酸っぱさを思い起こさせてくれるようなエモい楽曲となっています。
印象的なフレーズが満載な『好きだから。』の歌詞の意味を考察していきましょう。
好きだからかっこいい私のヒーロー
----------------
かっこいいから好きなんじゃない。
好きだからかっこいいんだよ。
誰かにばかにされても何ともない
だって私の「ヒーロー」。
いつも「眠い。」って言うくせに、
授業は起きているとことか。
みんなの前ではクールなのに、
犬の前ではデレデレなとことか。
あぁ、本当に愛してやまない貴方のこと。
私だけの「ヒーロー」になってよ。
≪好きだから。 歌詞より抜粋≫
----------------
1番で歌われるのは、クラスメイトの男の子に恋する女の子の気持ちです。
学生の頃は周囲がかっこいいと騒ぐ男の子につい惹かれてしまうもの。
しかし、この女の子は「かっこいいから好きなんじゃない。好きだからかっこいいんだよ。」というストレートな表現で気持ちを表しています。
「誰かにばかにされても何ともない」という歌詞から考察すると、彼女が好きな相手はクラスの人気者ではないみたいです。
それでも「眠い。」が口癖なのに真面目に授業を受けているところや、クールに見せて犬が大好きなところといった彼の何気ない姿にどんどん惹かれていきました。
今は見ていることしかできない彼が「私だけの「ヒーロー」になってくれる日を願っています。
----------------
LINEだってしていたいし、
一緒に帰ったりしたいよ。
放課後部活に行く貴方に
「またね。」ってひとりごと。
休みの日だって会いたいし、
寝落ち電話もしてみたいけど、
そんな勇気はちっともなくて、
あきれるなぁ。
≪好きだから。 歌詞より抜粋≫
----------------
こんなにも彼が好きなのに、まだLINEのやり取りもなく一緒に帰ったこともありません。
部活に行く彼に「またね。」と直接声をかけることもできないということは、二人の距離はあまり近くはないのでしょう。
しかし、その距離を近づけるために行動する勇気はなく、もどかしい気持ちを抱えています。
----------------
振り向いてほしくて、
意識してほしくて、
香水をつけて
1人でむせて。
貴方が欲しくて、
貴方のものになりたくて、
「明日こそは。」って
ベッドの上でシミュレーション
貴方を考えながら
また明日。
≪好きだから。 歌詞より抜粋≫
----------------
サビにはより直接的な表現で、彼と恋人になりたい切実な気持ちが綴られています。
少しでも彼の気を引きたくて香水をつけてみたものの、慣れない香りに思わずむせてしまうところも学生らしいですね。
眠りに就く前、彼のことを考えながら「明日こそは」話しかけようとシミュレーション。
彼女はきっとこんな毎日を繰り返しているのでしょう。
好きだからかわいい僕のヒロイン
----------------
かわいいから好きなんじゃない。
好きだからかわいいんだよ。
誰かにばかにされても何ともない
だって僕の「ヒロイン」。
「今日こそ起きる!」って言うくせに、
結局授業で寝るとことか。
みんなの前ではおてんばなのに、
案外涙もろいとことか。
あぁ、本当に愛してやまない君のこと。
僕だけの「ヒロイン」にならないかな。
≪好きだから。 歌詞より抜粋≫
----------------
2番は彼女が愛してやまない、彼の目線で気持ちが描かれています。
「かわいいから好きなんじゃない。好きだからかわいいんだよ。」と、彼もまた彼女に片思いしていることが分かりますね。
「今日こそ起きる!」と意気込んで授業を受けるのに結局寝てしまうところや、おてんばに見えて涙もろい一面があるところ。
そんな自分とは違う部分に触れ、彼も彼女に惹かれていったのでしょう。
彼も彼女と同じように「僕だけの「ヒロイン」にならないかな。」と考えています。
----------------
勉強とか教えてあげたいし、
一緒に映画とか観に行きたいよ。
放課後友達と笑う君に
「ばいばい。」ってひとりごと。
君のストーリーに載りたいし、
「俺の彼女。」自慢もしてみたいけど、
告白なんかできそうになくて、
あきれるなぁ。
≪好きだから。 歌詞より抜粋≫
----------------
授業で寝てばかりの彼女に勉強を教えたり、休みの日には一緒に出かけたりしたいと願望を言葉にします。
しかし、部活に行く前友達と笑う彼女を見て「ばいばい。」の一言さえ言えずひとりごとにしてしまう彼。
彼女がアップするSNSに載り、周囲に「俺の彼女」だと自慢する自分を想像してみるものの、彼女の気持ちを知らない彼はまだ告白する勇気を持てないでいます。
----------------
振り向いてほしくて、
意識してほしくて、
ワックスをつけて
ベトベトになっちゃって。
君が欲しくて、
君のものになりたくて、
「明日こそは。」って
布団の中でシミュレーション
君を考えながら
また明日。
≪好きだから。 歌詞より抜粋≫
----------------
彼の方も彼女に意識してほしくていつもはつけないワックスを使ってみましたが、うまくいきません。
好きな相手によく見られたくてした行動が失敗してしまったという経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
「明日こそは」勇気を出して声をかけてみよう。
そんな風にシミュレーションしながら、眠りにつく彼の頭の中は彼女のことでいっぱいです。
両片思いのすれ違う気持ちが甘酸っぱい
----------------
貴方に貴方の相談をしたんだ。
君が男の相談をしてきたんだ。
「やめとけ。」なんて言わないでよ。
他の男になんて行くなよ。
ずっとずっと見ていてよ。
≪好きだから。 歌詞より抜粋≫
----------------
ここからは、ただ見ているだけの存在から自然に言葉を交わせるくらいに親しくなった二人の気持ちが交互に描かれています。
彼女は少しでも自信を持ちたくて「貴方に貴方の相談」をしました。
その相談の内容を聞いて他の男の子の話だと思った彼はショックを受け「やめとけ。」と彼女に伝えます。
一方、彼の言葉の真意に気づかない彼女は、彼の言葉を聞いて戸惑ってしまいます。
二人とも相手に自分のことを「ずっとずっと見ていてよ。」と願いながらすれ違っている両片思いの現状が切ないですね。
----------------
振り向いてほしくて、
意識してほしくて、
ずっと隣にいてくれませんか。
貴方が好きなの。
君を愛おしく思うよ。
「明日こそは。」って
今日もシミュレーション
君との恋は
甘いムスクの香りがしたんだ。
≪好きだから。 歌詞より抜粋≫
----------------
お互いに言いたくて言えない「ずっと隣にいてくれませんか。」という言葉。
「明日こそは」この気持ちを伝えようと、二人は「今日もシミュレーション」を繰り返します。
最後の「君との恋は甘いムスクの香りがしたんだ。」というフレーズは、彼女がつけた香水の香りに彼が気づいたことを表していると解釈できます。
二人の恋の行方がどうなったかは描かれていません。
しかし、二人の距離が着実に近づいていることを意味しているのではないでしょうか。
少しずつ大人になっていく過程の、甘酸っぱい青春の風景が目の前に広がるような素敵な歌詞
ですね。
「好きだから。」は学生ならではの景色が詰まった等身大のラブソング
ユイカの「好きだから。」には、現役女子高生らしいリアルで等身大の恋模様が描かれています。
外見の魅力が好きな理由になるのではなく、内面に惹かれて外見まで魅力的に見えてくるという純粋で真っ直ぐな気持ちに共感できるでしょう。
そして、好きなのに相手にどう思われているか分からなくて、足踏みしてしまう気持ちも自然なものです。
ピュアな想いが交差するこのラブソングは、いくつになって聴いてもきっと胸がキュンとしますよ。