「彼女はキレイだった」はどんなドラマ?
『夏の午後はコバルト』は連続ドラマ「彼女はキレイだった」の主題歌として書き下ろされた楽曲です。
歌詞を考察するにあたり、まずはドラマのあらすじをおさらいしておきましょう。
「彼女はキレイだった」は容姿に自信がない元美少女・佐藤愛(演:小芝風花)と、冴えないいじめられっ子からイケメン敏腕副編集長に変貌した、長谷部宗介(演:中島健人)を中心に繰り広げられます。
物語の始まりは大人になった愛と宗介の再会。
宗介に再会を求められた愛は容姿への自信の無さから、親友に「私のフリをして宗介に会って欲しい!」とお願いします。
愛には、長谷部宗介に幻滅されたくないという強い思いがあったのでしょう。
しかし、職場が同じになり長谷部宗介はかつての初恋の人だと認識しないままに佐藤愛の上司となり、佐藤愛に惹かれていきます。
かつて好きだった人だと認識していなくても、惹かれていく姿がとてもピュアな作品です。
歌詞には愛に惹かれる宗介の心情が描かれている?
Awesome City Clubは男女ツインヴォーカルの3人グループで、冒頭の歌詞は男性ヴォーカルとなっています。
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やけにしつこい 燃える陽射しに
今 打ちのめされそう
フィクションの街のはざまに
見つけ出した君の気配は特別だ
≪夏の午後はコバルト 歌詞より抜粋≫
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「フィクション」は「作り事」を意味する言葉です。
「フィクションの街」というのは愛が代役として会わせた親友のことを、愛本人だと信じ込んだ状態のことを指すのではないでしょうか。
「見つけ出した君の気配は特別だ」という歌詞の「君」は愛本人を指していると考えられそうです。
つまり、冒頭の歌詞は代役を信じ込んだ状態のはざまで、佐藤愛本人に惹かれていく長谷部宗介の心情が描かれていると解釈できます。
冒頭の「燃える陽射し」が、仕事の過酷さを表現している言葉だと解釈してみましょう。
すると、宗介が副編集長として重圧に押しつぶされそうになっているときに、愛と出会ったと考えることもできそうです。
続く歌詞は、女性ヴォーカルとなっています。
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笑って誤魔化したって 感じる心
信じるままに生きたいの
全てはわたし次第
≪夏の午後はコバルト 歌詞より抜粋≫
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「笑って誤魔化したって」という歌詞は、代役を立てて自分は再会せず、宗介への気持ちに蓋をしようとした愛の心情を表現しているのではないでしょうか。
宗介と職場で接するなかで、愛は自分の気持ちに正直になりたいと思うようになっていったのかもしれません。
ツインヴォーカルで歌われる『夏の午後はコバルト』は、ドラマの登場人物である佐藤愛と長谷部宗介の掛け合いとしても聴けそうですね。
「夏の午後はコバルト」の歌詞に込められたメッセージ
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どこまでもいける 私を見つける
ありのままの歩幅で
失敗も間違いもさらけだしていたい
子どもみたいになって笑う
夏の午後に夢見る
≪夏の午後はコバルト 歌詞より抜粋≫
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こちらのフレーズはツインヴォーカルの2人で歌われます。
ドラマ主演者のそれぞれの視点というよりかは、ドラマ全体として伝えたいメッセージが込められているのかもしれません。
ありのままの自分をさらけ出して、子どものように何も気にせずに笑うことの素晴らしさを思い出させてくれる歌詞ではないでしょうか。
「私を見つける」という歌詞は、自分自身がありのままの自分を許し、本当の自分に出会うという意味として聴けそうです。
一方で、長谷部宗介が佐藤愛本人に惹かれたように、ありのままの自分を見つけてくれる人が現れるはずだという希望が込められているようにも聴こえます。
ドラマのテーマも、楽曲のテーマも「ありのまま」を認め合うことにあるのかもしれませんね。
夏らしい爽やかな音楽と、前向きな歌詞があなたの憂鬱を吹き飛ばし、ありのままの自分を好きになれる手助けをしてくれることでしょう。
atagi PORIN モリシー 「眠れない街オーサムシティ。 夢を求め集うこの街に、 今日もオーサムミュージックが溢れ出す。 Awesome City Club 、 僕らが聴かせたい人達はこの街のどこかにいる。」 2013年東京にて結成。 POPS / ロック / ソウル / R&B / ダンスミュージック等、メンバー···