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「君の声」があったから―アンダーグラフ、人生の導

変わらず在り続けるものは少ない。 時が過ぎれば、住み慣れた街でも景色が変わり、人も変わる。ただ、少しずつ変化していくから気付かないだけだ。生きていれば、当たり前のことなのだが良いことにしろ悪いことにしろ、その変化を寂しく思うときがある。


変わらず在り続けるものは少ない。

時が過ぎれば、住み慣れた街でも景色が変わり、人も変わる。ただ、少しずつ変化していくから気付かないだけだ。生きていれば、当たり前のことなのだが良いことにしろ悪いことにしろ、その変化を寂しく思うときがある。

アンダーグラフ通算2枚目のシングル『君の声』。“変わり続ける景色、変わらない君の声”をキャッチコピーにした楽曲である。言ってしまえば、声さえも成長するにつれ変わっていくものであるが、この楽曲のなかには確かに“変わらない君の声”がある。“君”ってだれ?というツッコミにも対応すると、“君”とはあなたの思い浮かべる“君”だ。

両親、兄弟、恋人、友達、1度話したきりの他人、思い浮かべる“君”は人それぞれだろうが、当てはまる人は必ず存在する。自分の中に響く『君の声』

この楽曲で、変わらないものを見つけてみませんか?

アンダーグラフ「君の声」

――――
「寒いのが嫌いなの」と君が言ってた
「早く この季節なんて終わればいいのに…」
そう僕も思う 君を悩ますモノなんて この世から消えればいい
「人混みが苦手なの」と君が言ってた
「なんだか上手く息ができないの」と
じゃあ何が出来る? 僕何が出来る? そればかり考えてました

――――
声と言うものは、伝えてそれで終わりではない。伝わった時から相手の記憶に残り、人生を支え続ける名言にもなる。自分にとって意味のない言葉だったとしても、ずっと相手の中で響き続けることだってあるのだ。

“笑って泣いて 二人描いた未来が見えてますか?”
“届くと信じて歩けていますか?”
“大人になってハルを探して流れる涙の中で聞こえてくるのは”

あなたにとって、ふと耳を過る声は何だろう?部活動の試合中に、顧問の先生がかけてくれた叱咤激励。幼い頃、転んだ自分を心配してくれた友達の言葉。進路に迷った時、何気ない母の一言。きっと、どれもが今のあなたを形作る大切な声だろう。

自分にかけられた声は、普段思い出すことがなかったとしても気付けば人生の指針になっていたりする。どれだけ時が過ぎようと、目に見える景色が変わっていこうとも、道標になって変わらずに在り続ける。それが、あなたにとっての“変わらない君の声”なのだ。

早すぎる変化のスピードについていけず、疲れてしまう時こそ欲しくなる言葉がある。でも、そんな時に限ってもらえないことの方が多いから、“君の声”を思い出す。

“「あなたはいつでもそのままでいいの」”

そうしてまた、大人は頑張っていくのだ。

TEXT:空屋まひろ

アンダーグラフは、ボーカル・ギターの真戸原直人・ベースの中原一真・ドラムスの谷口奈穂子からなるスリーピースロックバンドで1999年に結成された。 旧メンバーは、ギターの阿佐亮介。所属事務所は株式会社ユーズミュージックで所属レーベルは日本クラウン株式会社。 2002年にインディーズ···

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