変わらぬ魅力がたまらない福山雅治
2015年3月にデビュー25周年を迎え、相変わらずの活躍ぶりもさることながら、より精力的に活動をしてきた福山雅治。福山雅治にとってこの一年は、一人のアーティストとして大事な節目の一年になったのではないでしょうか。そして、彼のヒット曲の中でも特に人気のある「桜坂」も、福山雅治にとって節目の曲にあたるのです。
まず「桜坂」は、福山雅治がBMG JAPANから移籍したときの第1弾の作品として発売されました。何よりも福山雅治にとってこの年がデビュー10周年だったこともあり、記念碑的意味合いも含める作品になったといいます。
そんな「桜坂」ですが、曲名のモデルのひとつとなった東京都大田区にある桜坂が注目され、発売当時は多くのカップルが訪れるデートスポットとして人気を博しました。
また、もうひとつモデルになった場所として、福山自身が就職していた長崎県西海市大瀬戸町にある松島の桜坂も挙げています。
桜の中を…
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君がいた 恋をしていた
君じゃなきゃダメなのに
ひとつになれず
愛と知っていたのに
春はやってくるのに
Woo Yeah 夢は今も 夢のままで
≪桜坂 歌詞より抜粋≫
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「花が開く」という表現は恋愛に関しては「両思いになる」というイメージがあります。ですが、この『桜坂』は逆に失恋を歌っています。これが、聴いている人をより切なくさせています。
というのも…周りは桜が満開で、道行く人達は春の陽気に誘われてみんなウキウキ歩いている。そんな桜のなかをたった一人、自分だけ肩を落としながら終わった恋を想っている…。なんて、辛いんでしょうか…。ホント、辛すぎます…。
なぜ、二人は離れた?
「君じゃなきゃダメなのに」とまで相手を想っていたのに、何故二人は別れてしまったのでしょう。きっと「情」とはかけ離れたこと…例えば「仕事」だったり「お互いの家族の事情」だったり、もしかしたら本人同士がどうにもできないような何かが、彼らの関係を壊してしまったのかも知れません。
この曲は以前「ウンナンのホントコ!」という番組内のコーナー「未来日記V」のテーマソングとして使用されました。
この「未来日記」シリーズは、一般の男女が台本に合わせて行動し、最終的にカップルとして成立するかを観ていくコーナーなのですが、なんと最終話には福山雅治自身も「通りすがりの警察官」役でゲスト出演しています。
「桜坂」が失恋の歌なのに対し、このコーナーで出会った男女はめでたく両思いになったため、デートで桜坂に訪れるカップルが増えたのも、その影響があるのだと思いますよ。
奇しくも、「春」という季節は、何かしらの節目にあたる季節になります。
「桜坂」を聴きながら、そんな「節目の季節」を堪能するのもオツなものですよ。
TEXT:rie-tong