「THE FIRST」課題曲から生まれたメッセージソング
SKY-HI主催のボーイズグループオーディション「THE FIRST」から誕生した7人組グループ・BE:FIRSTが、2021年11月3日にメジャーデビューシングル『Gifted.(ギフテッド)』をリリース。そのカップリング曲で先行配信されている『Kick Start(キックスタート)』は、すでに多くのファンから「エモい」「涙なしでは聴けない」と大好評を得ています。
この楽曲は「THE FIRST」の合宿クリエイティブ審査の際に使用されたMatt CabとMATZが手がけたトラックをベースに、メンバー7人がメロディと歌詞、振り付けまでを作り直した曲です。
『Kick Start』の歌詞には、オーディション中に苦楽を共にした仲間との友情や未来へ向けた熱い想いが凝縮しています。
さらに、課題曲で登場したキーワードなどが随所に散りばめられていて、関連づけてみるとより深い意味を感じられるところも魅力です。
SKY-HIもこの楽曲について、メンバーが「THE FIRSTに向けて書いた手紙であり所信表明」だと語っています。
ではどんな歌詞になっているのか、メンバー自身のコメントも踏まえながら意味を考察していきましょう。
過去の自分たちが前へ進む勇気をくれる
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THE FIRST to BE
受け継いでく勇気
2度目の Days13
Re-Kickstart timing
1 get it 2 3
あのA, B, Cから生きる経験値 Let it be!
Our way 先陣切る
≪Kick Start 歌詞より抜粋≫
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歌い出しのラップ歌詞を担当したSOTAは、オーディション参加者の中で唯一同い年のシュンスケのことを念頭に置いて作詞したそうです。
チームBの課題曲『Good Days』に登場した「The First 踏み出す勇気」というフレーズを、ここでは「THE FIRST to BE 受け継いでく勇気」に変更して用いています。
シュンスケを含め、オーディションに参加した全ての仲間が示した勇気を自分たちが受け継ぎ、前へ進んで行こうとする仲間への想いが感じられます。
続く「2度目のDays13」は、3月13日から始まった1回目の合宿が終わり、8月13日から2回目の合宿が始まったことを指しているのでしょう。
そしてそれが重要なタイミングとなりました。
「あのA,B,C」のチームに分かれて行われたクリエイティブ審査を経て培った経験値を引っ提げ、BE:FIRSTは夢に向かって最初の一歩を踏み出します。
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2021, gotta be free! Let's get it done
あんな たかが失敗 気にせずに move on!
君と過去も未来も背負って I'll take you to the first!
A burden you bring on?
No matter what? Be the shining one!
≪Kick Start 歌詞より抜粋≫
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このパートの作詞を担当したRYOKIは、「失敗や過去を成功につなげていけるように全力で頑張るストーリー性を込めて作詞した」と語っています。
そのメッセージをストレートに綴っているだけでなく、『Be Free』『Move On』『To The First』『Shining One』の4曲のタイトルが歌詞に織り込まれていることからも、過去を背負って前進していくイメージが伝わってきますね。
オーディションを通して向き合ったこれらの楽曲と一緒に励んだ仲間がいたからこそ、自分たちが成長できたとの想いが伝わってくるように感じます。
次の「A burden you bring on?」のフレーズは、ニュアンスから「あなたは何を心配しているの?」と訳せるかもしれません。
新しいことを始める時、不安や心配はつきものです。
しかし、何があっても「Be the shining one!(輝くものになろう!)」と決意しているなら、どんなネガティブな気持ちも負担になることさえないのです。
そんなポジティブな気持ちが彼らを支えていることが分かります。
タイトル「Kick Start」の意味とは?
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"It's gonna be alright"
あの日の言葉が背中を押す my days your days
ただ進むだけ
殴り書きの my way
≪Kick Start 歌詞より抜粋≫
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LEOはチームAの課題曲『“A” Life』を振り返り、「殴り書きの地図が今の自分の道」で間違っていなかったという確信を「殴り書きのmy way」という歌詞で示しています。
殴り書きの地図はきっと不鮮明で人から見れば取るに足らないものかもしれませんが、真っ直ぐな気持ちと揺るがない意志があればその人の目には鮮明な地図として映るはずです。
もちろん、自分一人ではどうしようもできない時もあります。
それでもいつか仲間がかけてくれた「It’s gonna be alright(うまくいくよ)」という言葉が、今も自分の背中を押してくれているからまた頑張れます。
だからあとは自分と仲間を信じて、この道を「ただ進むだけ」だという強い決意表明が心に響きますね。
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際限ない good days
ここにない でも don't worry about it
下がり気味も Kick Start
響かせろよ my style
YOLO
≪Kick Start 歌詞より抜粋≫
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SHUNTOはこれからの日々が良い日ばかりではないという現実的な考えを表しつつも、前向きな見方を綴っています。
タイトルにもなっている「Kick Start」という英語には「(オートバイのように)蹴って始動する」「(活動・景気などに)弾みをつける」といった意味があります。
ペダルを蹴らなければエンジンが始動しないバイクのように、どんな活動もひとりでに進むことはありません。
それで「下がり気味もKick Start」の言葉には、気分が落ち込んで立ち止まってしまうような時にこそ弾みをつけて駆け出そうという想いが込められていると考えられますね。
チームCの課題曲でもある『YOLO』は「You Only Live Once(人生は一度きり)」を略した言葉です。
ここでこのフレーズを加えることで、人生は一度きりなのだから落ち込んでいる暇はないと心を鼓舞する考え方が表現されているのではないでしょうか。
仲間がいるから羽ばたいていける
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I hear
Our song on the radio
繋がっていくストーリー
そう あの日々を
七色で輝そう
≪Kick Start 歌詞より抜粋≫
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「I hear Our song on the radio(ラジオから僕たちの歌が聴こえる)」というフレーズは、オーディションに参加し挑戦する立場だった彼らがアーティストへと成長した様子を物語っています。
このサビの作詞を担当したMANATOは、「自分たちはこれからも羽ばたく意味」でこのフレーズを用いたとコメント。
オーディションのゴールはデビューでも、BE:FIRSTとしてはここからがスタートです。
仲間と共に励んだ日々を今と未来へ「繋がっていくストーリー」として胸に抱きながら、7人で輝き周囲を照らしていこうという想いが綴られています。
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駆け抜けて来た今 忘れられない時間 Uh
Living in the moment
ここから Kick Start
≪Kick Start 歌詞より抜粋≫
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必死で夢に向かって走って来たメンバーにとって「忘れられない時間」がたくさんあるでしょう。
しかし、彼らはその思い出は大切にしながらも、過去ではなく「Living in the moment(今を生きる)」という考えを大切にしています。
自分のため、そして仲間のためにもここから勢いよく駆け出していくのです。
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Wake me up, wake me up... yeah
空に掲げた星を yeah
雲を突き抜け いつでも見つける my way
手にした過去だって bye
≪Kick Start 歌詞より抜粋≫
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RYUHEIが歌う歌詞には壮大なイメージが描かれています。
星を「雲を突き抜け いつでも見つける」ということは、空は曇っていると予想できるでしょう。
たとえ星が見えない曇天でも、雲の上では必ず星が輝いています。
きっと夢も同じで、掲げた夢が遠く霞んでしまうように思えても、忘れてしまわない限り消えることはないのです。
だから、夢に手が届くと信じて諦めないことが大切だということを教えてくれます。
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Let's sing together forever
Yeah yeah
Let's dance together forever
Yeah yeah yeah
夢にまで見た空の果てまで
≪Kick Start 歌詞より抜粋≫
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JUNONが伝える永遠に一緒に歌い踊ろうというメッセージは、メンバー全員が心から歌とダンスを愛していることを伝えています。
そして、一緒に歌い踊り続けたいと思える仲間と出会えたという喜びも感じられるのではないでしょうか。
「夢にまで見た空の果てまで」突き進んでいこうとする、BE:FIRSTの熱い想いに感動しますね。
「Kick Start」が前へ進む勇気をくれる
『Kick Start』は、BE:FIRSTがアーティストとして勢いよく駆け出していくイメージにぴったりの、ポジティブでかっこいい楽曲です。リズムに乗りやすいクールなサウンドとパワフルなメッセージが綴られた歌詞が、メンバーだけでなく聴く人の背中も押してくれるでしょう。
『Kick Start』を聴きながら、BE:FIRSTと一緒に新たな一歩を踏み出してみませんか?